こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」第373号は、
「第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ」の十二回目。
MCV訓練の様子ひとつひとつが新鮮ですね。こういうよ
みものを読み続けていると、いわくいいがたい「陸戦
の何たるか」が自然に見えてくる気がします。
さっそくどうぞ
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (373)』
第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ(12)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。映画「トップガン マーヴェリック」、
今週はIMAXで鑑賞予定です。映画館で同じ映画を3回観るのは人生
初です。私、どれだけ暇なんでしょう……
以下、私信です。
S様
航空自衛隊が全面協力していたとは知りませんでした。出演者が苦
手で観たことはありませんでしたが、人間以外のところは観てみた
くなりました。教えてくださりありがとうございます。
U様
昨年取材した2師団レンジャー教育の主任教官は26iの2尉でした。
帰還式はこちらもうるっときますね。U様も教官をされていたのは
初耳です! 今度ぜひお話聞かせてください。なお、最後は「最北
の部隊」というつもりで書いたのですが「の」が抜けて紛らわしか
ったかもしれません。失礼いたしました。
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◆雑誌記事のお知らせです。
『正論』7月号に「われらの女性自衛官」が掲載されました。今回
は海上自衛隊横須賀地方総監部のWAVEです。横須賀教育隊先任伍長
も務めた人ですが、「女が艦艇に乗るなんて」と、艦艇勤務を希望
しても上司が修正して提出してしまう時代を長く過ごしました。こ
ういう方が定年まで自衛隊にとどまってくれるだろうことが、自衛
隊にとって大きな財産だと思います。
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「丸」6月号に「陸自第3普通科連隊密着ルポ3」が掲載されまし
た。第3即応機動連隊に改編された際の一連の行事等をご紹介して
います。また同誌「世界の軍備」ページでは、「コロナワクチン大
規模接種センター(後)」が掲載されました。
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■第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ(12)
即機連新編と同時に火力支援中隊と部隊名が変わる重迫中隊は、12
0mm迫撃砲の実射に臨んでいました。
もともと重迫中隊は普通科職種ですが、火力支援中隊になると特科
職種となるため、すでに隊員の多くは特科の隊員で占められていま
す。言い換えればまだ120mm迫撃砲に慣れていないわけで、半数以
上の隊員が今回初めての実射となりました。
重迫中隊長の武田暁典3佐も、これまで155mm自走りゅう弾砲一筋で
やってきたとあって、最初はとまどうこともあったといいます。
「120mmは火砲と射角の概念が真逆になるんです。大砲は射角を上
げれば射距離が伸びますが、迫撃砲は逆に縮みます。そこは特科の
隊員はみんな最初とまどうと思います。しかし機敏に陣地変換がで
きるし弾の発射速度は速いし、扱っていて面白さを感じる部分もあ
ります。これから雪の季節になりますから、積雪寒冷地における迫
撃砲の扱いも練成していきたいと思っています」
15日、MCVの最後の射撃は今回の訓練の集大成でもある単車戦
闘射撃です。篠村和也第2師団副師団長も視察に訪れました。
戦闘射撃はその名の通り、戦闘しているという想定で行なう射撃な
ので、射撃目標となる標的がいつどこに現れるかわかりません。状
況開始でMCVが前進すると、いきなり無線で目標が付与されます。
HEATを停止射撃した後、今度は1~4番ある目標のうち「0番」
と指示、その段階で行進射撃します。
車長の指揮は迅速かつ的確か、砲手は確実な距離確認と弾種選択、
行進射撃における果断な射撃、正確な射弾の観測・修正ができたか、
そして操縦手は行進間の装填の際に速度が一定だったかといった点
が指導のポイントになります。これでMCV中隊準備隊の初の射撃
訓練は終了しました。
齋藤準備隊長は「隊員たちは日々練度が向上しました。特に乗員の
共同連携というところで非常に成果が上がったと感じますし、射撃
の精度も非常によかったです。砲手は毎晩遅くまでその日射撃した
弾を研究し、明日はどういう諸元で射ち出せばいいのかを検討して
いました。今後は10ネットワークを使い小隊で連携して射撃すると
いう、より難易度の高い訓練が行なわれるので、各車両の連携を図
る練成を重ねていきたいと思います」。
山崎連隊長も「即機連の母体は普通科ですが諸職種連合部隊なので、
単なる寄せ集め集団になってしまうと戦力が発揮できません。各職
種のいいところを引き出して最高のパフォーマンスを発揮できるよ
う、ひとつの目標に向かって進めていくのが僕の役目です」と語り
ました。
3連隊は2022年春までに、まだ何度かの連隊規模の訓練が予定され
ているそうです。これから名寄は長い冬に入ります。訓練をするに
はまず除雪、MCVを動かすにもまず除雪という日々が何ヵ月も続
きます。そしてまだ雪解けにはほど遠い3月、3連隊は新たな歴史を
刻むことになります。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
2022年
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」
を刊行。
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