配信日時 2022/05/30 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(173)】「小さな兵士」への敬意が組織を強くする     桜林美佐(防衛問題研究家)

おはようございます、エンリケです。

173回目の美佐日記です。

普通では知る機会のない軍事ばなしです。
ここでしか読めない貴重な内容です。

さっそくどうぞ!

エンリケ


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されてます! 桜林さんならではの、他では得
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桜林美佐の「美佐日記」(173)

「小さな兵士」への敬意が組織を強くする

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年5月の今回
は173回目となります。

先週は山口県まで足を運び、講演をしてきました。
移動時間は長かったのですが、新幹線でPCに向か
うと気持ちが悪くなってしまうため(子供か!)、
日記はお休みさせて頂きました。

かなり乗り物酔いをする体質らしく、これまで自衛
隊の皆さんから航空機や艦船などへの搭乗機会を数
多くご提案頂きながら、のらりくらりとお断りする
ことになってしまい、本当に申し訳なく思っており
ます。

耳の体操などを試し、なるべく仕事をしないなどで
(したくないだけだろー)、かなり改善された気も
するのですが、乗り物酔いのあのどうしようもでき
ない辛い記憶が強烈で、慎重を期しております。

 難しいのは自分が酔いつつある時って自覚症状が
ないんですよね。自衛官の方はブリーフィング中に
私がぼーっとしてるとみるや「大丈夫ですか? 少
し酔われているかもしれませんね」なんて言ってく
れたりして、初めて気がつくといった具合です。

 しかし、飛行機の中とかじゃなくてもぼーっとし
ているような気も・・。常に私の頭は乗り物酔い状
態ということでしょうか!?

 さて、先々週は元産経新聞の野口さんの訃報をお
伝えしましたが、反響を頂きました。

自衛隊OBのUさんからは「野口さんは豊富な知識
と愛国者・情熱家で、いつも熱い語りの講演会でし
た。残念です」と。

 また、九州からもIさんから当地総局長時代の数
々の思い出とともに「亡くなる1週間ほど前に電話
でウクライナ情勢について話していましたが、連絡
を受けた時にはまさかと思いました。文字通り惜し
い人を亡くしました」と。皆様ありがとうございま
す。

 米国ではテキサスで銃乱射事件が発生し、教員や
幼い命が奪われるなど、理不尽としか言いようのな
い出来事が起きています。新しい朝を迎えられるこ
と、何気ない1日がどんなに貴重なものか、改めて
思い知らされます。全ての人が希望を持ち続けて生
きることができるよう願うばかりです。

 こういうニュースに触れると、日本に住んでいれ
ば米国より安心できるのではないかと思ってしまい
ますが、実際、私の友人は当初の計画を数年も繰り
上げて帰国してしまいました。

 ちょうど日本滞在時にコロナの影響が始まってし
まい、不自由を余儀なくされたことが大きな理由だ
と思います。しかも、今や各国でマスクの要求や集
会の規制が緩和されているのに、日本では依然とし
て様々な制限が残っていることが、この国は住みに
くいという気持を助長したのではないかと想像しま
す。

 もう少し待ってくれれば!と思って止みませんが、
考えてみるとこの2年ほどの間、日本にいた外国
人は同じように、日本の思い出をたくさん作れなか
ったのではないでしょうか。

 在日米軍基地で暮らす多くの子供たちはどうだっ
たのか。コロナ前までは日本国内を旅行したり、美
味しい物を食べたり、また日本ならではの清潔さ、
礼儀正しさに感動し、ココイチ(CoCo壱番館)のカ
レーの大ファンになって帰っていくパターンが多い
のですが、それが叶わなかったとすればとても残念
です。

 米軍では毎年4月を「 Month of the Military
Child」して、様々なイベントが催され、子供は
「小さな兵士」で、従軍するお父さんあるいはお母
さんだけでなく彼らも事実上は軍の一員なのだとい
うことで敬意を払います。

 米軍人の家族は生涯でだいたい6~9回の転勤を
経験するということで、それも世界中の見知らぬ土
地に行くわけですから、基地内で生活が完結できる
とはいえ子供にとっては過酷な環境です。

 自分の意志ではどうにもできないこの子供たちの
状況を、偉大な「犠牲」だとして、みんなで紫の服
を着てキャンペーンを張り、深く感謝するメッセー
ジが動画などで各所で発信されます。

世界各地に展開する米軍はこうした「ケア」につい
て非常に重点を置いていて、独身者、家族持ち、子
供の活動、悩める夫婦・・などなど多様なニーズに
応えようと努力をしています(当然、全ての個人的
な要望を解決することはできませんが)。

自衛隊でも同じようにすれば?と強く思いますが、
そんなことを言えばきっと「身内に感謝?とんでも
ない!」と言われそうですよね。また、そんな事業
が増えたりしたら隊員の負担になる、とか・・(妄
想上のわからず屋との妄想やりとりですが)。

しかし、結局こうした家族などの最も近くにいて、
最も黙って我慢している人たちへの心配りがなけれ
ば、組織は強くなれないと私は思います。

また、私たちは自衛官家族はもちろんのこと、米軍
関係者の家族に対しても同盟国であり接遇国として
「 Month of the Military Child」キャンペーンに
参加してもいいのではないでしょうか。

 全てのガマンを解消させることは不可能ですが、
せめてそのガマンに思い切り感謝して、大いに盛り
上げる。日本にもそんな試みがあってもいいような
気がします。


<おしらせ>

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●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
業」連載中です。
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●YouTubeチャンネルくらら「国防ニュース
最前線」はウクライナ危機により、特別番組に変更
となっています。「陸海空 軍人から見たロシアの
ウクライナ侵攻」5回目がアップされました。
https://www.youtube.com/watch?v=QtafAPbbreM

●「むすび大学」というYouTube番組に出演
し、防衛産業や自衛隊についてお話しています。ナ
ビゲーターの小田さんは防衛大学校出身とのこと。
3回目がアップされました。
https://www.youtube.com/watch?v=TVeR7z2doeE



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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