配信日時 2022/05/16 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(172)】 「憂国の士」その早過ぎる死を悼む    桜林美佐(防衛問題研究家)

おはようございます、エンリケです。

172回目の美佐日記です。

心うたれる追悼文です。

合掌。


エンリケ



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桜林美佐の「美佐日記」(172)

「憂国の士」その早過ぎる死を悼む

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年5月の今回
は172回目となります。

 元産経新聞の野口裕之さんが63歳という若さで
亡くなりました。心筋梗塞だったそうです。

 読者の皆さんには、産経新聞のWebサイトでの
連載『野口裕之の軍事情勢』を愛読されていた方も
多いのではないでしょうか。

 また陸上自衛隊のイラクでの活躍を描いた『武士
道の国から来た自衛隊』も懐かしいですね。

 数年前に放送業界に転職されましたので、ネット
記事は4年前くらいのものまでが見られるようです。
私自身も、YouTube番組の「国防ニュース最前線」
に2017年に出演して頂きました。

 野口さんの経歴を改めて見ると、産経新聞に入社
後は外信部で国際軍事問題を担当、そして政治部に
移り、防衛庁や外務省のキャップや官邸キャップも
務められたようです。元大手新聞社の方によれば警
視庁のクラブでご一緒されたということでしたから、
どれだけ世の中を見て来たの!というかんじです
ね。

 さらにロンドン支局長も務め、九州総局長もされ
ていました。私が福岡に住んでいた時には、すでに
東京に戻っていた野口さんですが、各所でその名前
を聞くことがしばしばあり、人気のほどを知ること
になりました。

 一見すると、クールな面持ちで、人当たりが良さ
そうに見えない(失礼!)のですが、たくさんの人
から好かれたのは、東京生まれ東京育ちならではの
優しさ、気風の良さのなせるわざなのだと思います。

 また、最も大きな特徴といいますか、大事なポイ
ントは、野口さんが単にジャーナリズムの世界に身
を置いていた人ではなく「憂国の士」だったことだ
と私は思います。

 ジャーナリストは世の中にたくさんいますし、昨
今は軍事や自衛隊に詳しい方も続々と増えていて、
研究会や勉強会のようなものも色々とありますが、
それらは野口さんたちの時代に、かつて私が垣間見
たことのある憂国談義とはちょっと何かが違うよう
な気がします。

 そもそも、コロナの影響もあり、口角泡を飛ばし
ながら半ばケンカのような議論の場なんてもうかな
り少ないのでしょうね・・。

 考えてみれば、深酒をして天下国家を語り合って
も、お金と体力を消耗するだけで、合理的に考えれ
ば、その時間に自分のしたいことをしたり、ジムで
運動でもした方が時間の使い方としては正解なのか
もしれません。

 でも、そのまるで非生産的に見えた時間の中で、
酔っぱらって覚えているかどうか分からないけれど、
熱く語ってもらったことが、その言葉が、妙に耳
の奥に残っていたりするのはなぜなんでしょう。

 昔は、防衛記者さんの中にはアドバイザーとして
の役割を持っていた方がいたのだと思います。また、
打てば響く自衛官もたくさんいたのでしょう。

 こんな話がノスタルジックに感じるのは、現在の
安全保障環境が風雲急を告げているということも言
えるのかもしれません。国家百年の大計を話し合っ
ている暇はなく、みんな目の前のことで精一杯なの
です。

 しかし、それにしても、最近、若くして亡くなる
方が続き、特に野口さんは普段から健康に配慮され
ていたはずでしたので「なぜ?どうして?」という
思いの中におります。

自分を納得させる理由が見つからず、なんだかモヤ
モヤしている関係者も多いのではないでしょうか。

 野口さん、ごめんなさい。本当は野口さんに褒め
られるような文章を書きたかったのですが、全然う
まく書けません。今回はダメ出しされそうな気がし
ます。許して下さい!

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました!
今週が皆様にとって素晴らしい1週間となります
ように!


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●YouTubeチャンネルくらら「国防ニュース
最前線」はウクライナ危機により、特別番組に変更
となっています。「陸海空 軍人から見たロシアの
ウクライナ侵攻」5回目がアップされました。
https://www.youtube.com/watch?v=QtafAPbbreM

●「むすび大学」というYouTube番組に出演
し、防衛産業や自衛隊についてお話しています。ナ
ビゲーターの小田さんは防衛大学校出身とのこと。
3回目がアップされました。
https://www.youtube.com/watch?v=TVeR7z2doeE



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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