配信日時 2022/05/02 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(170) 】 神様は見てくれている──避難生活を送る人々の復活祭      桜林美佐(防衛問題研究家)

おはようございます、エンリケです。

170回目の美佐日記です。

きょうは記念のキリ番です!
毎回ありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします!!

心の救いとは?

宗教が持つ意味って?

文明の差異。

、、、、

いろいろなことを感じさせてくれる一文です。

さっそくどうぞ


エンリケ


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桜林美佐の「美佐日記」(170)

神様は見てくれている──避難生活を送る人々の復
活祭

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年5月の今回
は170回目となります。

 GWに入りました。と言っても今日、月曜は普通
の日?なのでしょうか・・。とりあえずこちらも平
常運転で日記をお届けしようと思います!

 今年の4月後半はキリスト教の信仰においては非
常に大切な月でした。十字架にかけられ処刑された
イエス・キリストの復活を祝う復活祭(イースター)
があったからです。

 復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜
日」で、毎年日にちが違います。さらに複雑なこと
には、東方教会と西方教会でもまた日程が異なるの
です。

 今年の復活祭は、西方では4月17日(日)、東方
では4月24日(日)でした。このような時差が生じ
るのはユリウス暦とグレゴリオ暦の相違なのだそう
です。

ユリウス暦はユリウス・カエサル(ジュリアス・シ
ーザー)がエジプトの太陽暦にならってB.C.45年に
制定した太陽暦。その後、ローマ教皇グレゴリオ13
世が1582年に制定したのがグレゴリオ暦になります。

 宗派によって違いがありますが、復活祭の日の4
0日前から「四旬節」が始まる場合が多く、これは
イエスが荒れ野で断食をした期間であることから、
英語では「断食(Lent)」と呼ばれます。つまり今
年の四旬節は多くの現実の悲しみの中で過ぎたこと
になります。

ウクライナ、そしてロシアの人々は24日(日)に復
活祭を迎え、教会でミサが行われた様子が報じられ
ていました。

 復活祭があまり身近なものではない多くの日本人
にとっては「なぜ、こんな時に?」と思うかもしれ
ません。

 しかし、彼らにとっては、辛さ悲しさの中にあっ
ても、この復活の日を「喜ぶ」ということが極めて
大事なことなのです。

 とりわけ、日常を奪われ、不安の中にいるウクラ
イナの人々にとっては復活祭を例年通りに過ごすこ
とはとても意味が大きかったのだと思います。

 地下壕で避難生活を送る人々の中には、聖書の
「詩編」を音読する姿があるといいます。

「詩編」は旧約聖書の中にある150もの歌、祈り、
詩の集まりのことです。数百年の歳月を経てできあ
がっていて、イスラエルの初期のものもあれば、バ
ビロン捕囚後のものもあります。

 最も多く描かれているのは、B.C.1010年~9
70年頃のダビデ王です。ダビデは羊飼いの子とし
て生まれながら、当時のサウル王に気に入られ重用
されるようになります。しかし、そのうちにサウル
王はダビデを妬むようになり、ダビデ殺害を画策す
るのです。詩編にはその時の理不尽ないじめに対し
ての嘆きが多く残されています。

 このように書いていると、なんだか世界史の教科
書のようになってしまいますが、ごく単純に、分か
りやすく言えば、ダビデという人はとても魅力的な
人間で、永遠の人気者と言っていいでしょう。

 そしてダビデはとんでもない罪を犯したり失敗も
するのですが、それを深く反省する姿もまた共感を
呼ぶところがあるようです。

 専門家の先生にはもっともっと深い洞察があるの
だと思いますので、ご関心ある方は私のこのいいか
げんな紹介にとどまらず、リサーチをして頂ければ
と思いますが、とにかく、このような不遇を嘆きな
がらも、神様は見てくれているのだから大丈夫とい
う言葉が綴られている「詩編」を、避難生活を送る
人々が復唱しているという事実は重いのです。

 日本人にとって「詩編」に相当するものは存在し
ないように思います。どちらかというと「ありがた
い言葉」集のような類が多い気がします。日本人は
やはり、あまり弱音を吐くことを良しとしないとこ
ろがあるからでしょうか。

 怒ったり、疑ったり、後悔したり、そんな感情を
しまい込まず、言葉にして読むという行為が「辛い
思いの避難所」になっているとしたら、それは迫害
される人たちにとって欠かせないものだのだという
ことに気付かされました。

 こんな時、日本人ならどんな言葉を口にするのだ
ろうかと・・・。

 今日も最後まで読んで頂きありがとうございまし
た!この連休が皆様にとって豊かなものとなります
ように!


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となっています。「陸海空 軍人から見たロシアの
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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