配信日時 2022/03/21 08:00

『桜林美佐の「美佐日記」(164) 】ウクライナの必死の抗戦を見て改めて気づいたこと   桜林美佐(防衛問題研究家)

おはようございます、エンリケです。

164回目の美佐日記です。

ウクライナ戦争に関する
非常に優れた識見。

読むだけで、かたじけなさでいっぱいになります。

感謝です。

さっそくどうぞ


エンリケ


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桜林美佐の「美佐日記」(164)

ウクライナの必死の抗戦を見て改めて気づいたこと

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年3月の今回
は164回目となります。

 これはサイバー攻撃でもなんでもないですが、最
近、仕事の進行が非常に遅いです。いえ、前々から
かなり遅く、周囲の人を驚かせてきたのですが、最
近はメールのやりとりにけっこう時間を割かれてい
ます。

 そもそも処理能力の低い私は、たくさんの作業や
出演などを引き受けることができず、やむなくお断
りする場合があります。しかし、そのお詫びの文章
を書いたりするのに、かなりの時間がかかっている
ことに気づきました。

 そこに加え最近は、慣れない英語の文書に目を通
したり、メールを作成する必要があったり、もちろ
ん翻訳ソフトが助けてくれるのですが、やっぱり時
間を要しています。

 また、たまに全く面識のない人から「〇〇につい
て教えて下さい」とか「これを読んでみて下さい」
と資料が送られて来たり、メールが届いたりするこ
ともあります。

 そして、こうしたものに丁寧に返事をしても、そ
れに対して何の反応もないことが多いのです。これ
ってどういうことなんでしょうか?

 仮に仕事をお断りしなくてはならなくても「了解
しました。またお願いします」みたいな簡単なもの
でも来ればいいですが、何もないとなんだかなあと
いう気持になってしまうという・・・まあこちらも
勝手なものなのかもしれませんね。

 こうした間でもロシアによるウクライナへの攻撃
がますます激化しています。日々の惨劇を目の当た
りにして、現地の人々を救う手だてがない無力感が
募ります。しかし、考えてみれば、これまでもシリ
アやチェチェンなどでも起きていたことで、そんな
中で知らずに生きて来たのかという思いもあります。

 日本の一部の有名人はゼレンスキー大統領に対し
「諦めるべき」「これ以上被害を広げないほうがい
い」といった批判的な見方をしていると言います。

 「ロシアは悪」で「ウクライナは善」といった単
純明快な構図が国際政治において決して100%正
しいとは私も思いませんが、一つだけ言えるのは、
国が占領されるということはどういうことか、その
ことに対する想像力が日本人には十分ではないので
はないかということです。

 かつては、ソ連による抑留経験者が多く存在して
いたことや、終戦間際にソ連兵に凌辱された経験談
がごく身近にありました。

昨今はそうした歴史を知る人が少なくなってきてい
ます。ちょっと前まで、会社の社長でも近所のおば
あちゃんでも、ソ連は信じてはいけないということ
を誰でも知っていました。

 そういう感覚が日本からいつの間にかなくなって
いるのですね・・。

先の大戦に敗れた日本にも占領下の屈辱の記憶があ
りますが、実際のところ、わが国は非常に尊重され、
その後、独立を果たすことができました。

 これは、米国にとってわが国が地政学的に重要で
あることは言うまでもないですが、それだけではな
く、やはり、先の大戦で死力を尽くした先人たちの
遺したものなのだということを、ウクライナの必死
の抗戦を見て改めて痛感させられています。

 そして天皇陛下です。昭和20(1945)年9
月27日の昭和天皇とダグラス・マッカーサーとの
会見はあまりにも有名です。陛下が命乞いをするの
ではないかと考えていたマッカーサーは全ての責任
を負おうとする陛下に衝撃を受けます。

 マッカーサーは回顧録で「私の知る限り、明らか
に天皇に帰すべきでない責任を、進んで引き受けよ
うとする態度に私は激しい感動をおぼえた。私は大
きい感動にゆすぶられた。私は、すぐ前にいる天皇
が、一人の人間としても日本で最高の紳士であると
思った。この勇気に満ちた態度は、私の骨の髄まで
もゆり動かした」と綴っています。

 今こそ日本人の失われた記憶を思い起こす時なの
だと思います。




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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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