こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」
「地本の業務、募集と援護」3回目。
今回で「地本の業務」は終了です。
自衛官の人生と寄り添い続ける地本の仕事に
近しさを感じてくれましたか?
自衛官と寄り添う地本は、実は隊の外のいる国民に
もっとも近い自衛隊でもあります。
通りすがりに見かけたときは、本連載のことを
思い起こしていただければ嬉しいですね。
ではさっそくどうぞ
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (361)』
地本の業務、募集と援護(3)
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こんばんは。渡邉陽子です。地本の連載は今回が最終回です。自衛
隊で陸海空自衛隊が日々一緒に勤務するところと言えば統幕や各種
学校、防衛局などがありますが、地本もそのひとつ。陸海空自衛官
、そして事務官が一緒になって募集や援護業務を行なっています。
個人的には制服の異なる人と働くのは素晴らしい経験になると思っ
ています。これまで地本取材ではその業務内容を取り上げることが
ほとんどでしたが、機会があれば「なかの人」にクローズアップし
て取材したいです。
雑誌記事のお知らせです。
現在発売中の「正論」3月号の連載「われらの女性自衛官」、今回
は入間基地の第4高射隊所属の3曹です。小さな体からは「PAC3で
日本を守る」という気概が感じられました。新婚さんですが幹部の
夫は九州に異動、独身なのに営内暮らしの彼女です。なお、4月号
の連載はまん防による取材延期で休載です(泣)。
https://a.r10.to/ha3xGu
『丸』4月号に「陸自第3普通科連隊密着ルポ(1)」が掲載され
ました。今年3月に第3即応機動連隊に改編される第3普通科連隊
の、この1年の準備などをご紹介しています。
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『PANZER』2021年10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕
僚長火箱芳文の半生」最終回が掲載されました。被災地への6度の
視察を終えてから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
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■地本の業務、募集と援護(3)
先週の最後に「防衛省には職業紹介(あっせん)の権限はなく、職
業紹介職業紹介権を持つ自衛隊援護協会という組織が防衛省に替わ
り行なうという形を取っています」と記しましたが、サポートの具
体的な例として、リーマンショックが発生した2008年の不景気が続
き再就職事情の厳しい時期、都内の駐屯地で実施された「2年後に
定年退職を控えた自衛官のための就職援護教育」をご紹介します。
この日の参加者25名ほどで、多くが曹長や准尉、なかには最上級先
任曹長の姿もちらほら。そんな彼らに対し、援護課は最初のあいさ
つの時点から容赦なく厳しい現実を伝えました。
「みなさんは先輩方から就職に関する話をいろいろ聞いているかも
しれません。しかし決してそれを鵜呑みにしないでください。先輩
たちが再就職した好景気の時期の話は、現在の不況下においては通
用しません。また、定年退職者数は増加するのに、企業の受け皿の
数も同様に増加するわけではありません。先輩たちと同じ企業に同
じ雇用条件で再就職できるとは限らないことを認識してください」
「部隊では部下がいろいろやってくれたかもしれませんが、新しい
会社であなた方は新人です。雑用もいとわずやること、年下にも自
分からきちんとあいさつすること、いろいろ学び教えてもらう側で
あることを忘れずに。それから企業とは営利を追求するわけですか
ら、コスト感覚を身につけて下さい。そして健康管理はしっかりと。
就職に有利になるよう資格取得を目指すのは結構ですが、どんな資
格を取るかは正しい選択を」
のっけからなかなかきつい内容です。
続いて定年退職隊員再就職までの流れが説明されると、メモを取る
隊員の姿が目立ちます。
そして陸自の援護組織の編成と東京地本就職援護状況の実績、定年
退職隊員の業種別就職状況、業種別平均年収比較、階級別平均年収
比較などの話が続きました。この辺りは退職後の生活にダイレクト
に関わる問題なだけに、隊員たちの目も真剣そのものです。
厳しい話が続きましたが、最後にはこんな話も聞けました。
「企業が退職自衛官に求めるのは自衛官らしさ。つまり、服装が整
い、規律を守り、礼儀正しく責任感があるといった点です。資格や
経験だけ求めるなら退職自衛官でなくてもいいわけでしょう。企業
がわざわざあなたがた自衛隊出身者を採用したいと思うのは、一般
の人にはないこのような資質を求めているからです。たとえば、銀
行のATMは1台に1200万円ほど入るそうです。その警備員といった
ら、通常は入社してすぐの社員がまかせてもらえることなどまずあ
りえません。けれど退職自衛官だったら、自衛隊30数年間の実績を
買われて、すぐ担当させてもらえるんです。一般社会で自衛隊時代
の階級は役立ちませんが、そこで培ってきたものを活かすのは自分
次第であることを忘れないでください」
地本は自衛官にとってまさに「ゆりかごから墓場まで」を具現化し
た組織なのです。
(地本の業務、募集と援護 おわり)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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