配信日時 2022/03/03 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (360)】  地本の業務、募集と援護(2)  渡邉陽子(ライター)

こんばんは、エンリケです。

「ライター・渡邉陽子のコラム」

「地本の業務、募集と援護」2回目です。

具体的な仕事内容を知るにつけ、その大変さと
意義の大きさを感じられますね。

地味に見える仕事ほど、
そう心がけてみてゆきたいですね。


ではさっそくどうぞ


エンリケ


「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/



ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『ライター・渡邉陽子のコラム (360)』

 地本の業務、募集と援護(2)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんばんは。渡邉陽子です。
先週は精神的にこたえる仕事に関わり、久々に仕事における対人関
係のストレスの影響をもろに受けました。ウクライナの情勢をまめ
にチェックしつつの、ひたすら暗く苦しい1週間でした。会社勤め
の方は上司も同僚も選べないのですから、職場の対人関係でストレ
スがあるというのはどれほど苦痛なことか……改めて組織で働く方、
リスペクトです。

雑誌記事のお知らせです。

現在発売中の「正論」3月号の連載「われらの女性自衛官」、今回
は入間基地の第4高射隊所属の3曹です。小さな体からは「PAC3で
日本を守る」という気概が感じられました。新婚さんですが幹部の
夫は九州に異動、独身なのに営内暮らしの彼女です。なお、4月号
の連載はまん防による取材延期で休載です(泣)。
https://a.r10.to/ha3xGu


『丸』4月号に「陸自第3普通科連隊密着ルポ(1)」が掲載され
ました。今年3月に第3即応機動連隊に改編される第3普通科連隊
の、この1年の準備などをご紹介しています。
https://amzn.to/3K0YVT3


『PANZER』2021年10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕
僚長火箱芳文の半生」最終回が掲載されました。被災地への6度の
視察を終えてから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
https://amzn.to/3j6CIrT


■地本の業務、募集と援護(2)

学校は募集課にとってまさに人材の宝庫。
特に大学は全国比約18%、学生数は約67万人で全国比25.7%と、実
に日本の大学生の約4人に1人以上が都内にいる計算になります
(ただしコロナ禍でオンライン授業を導入した大学も多く、現在は
かならずしも学生が都内在住とは限りません)。
大学生は喉から手が出るほど欲しい幹部候補なのですが、当の学生
たちは有名企業や官公庁を志望することも多く、自衛隊を受験して
も併願が少なくないのが現状です。

一方、都内の高校は全国比8.8%、生徒数は31万人で全国比約10%、
非常に進学率が高いのが特徴です。大学・短大への進学率は66.6%
(全国は55.8%)、就職率は6.2%(全国は17.4%)という数値が、
東京の特性を何よりもよく表しています
ね。
このほか、短大、専門学校、進学予備校、就職予備校など、多様な
通学形態が混在しているのが首都東京ならではの特性といえます。

このように、東京の募集環境は「量」の適齢者数、「質の」大学生
数、いずれも日本一であり、東京での募集の良否(成果)は、自衛
隊に与える影響がきわめて大きくなります。また、将来の幹部候補
となる大学生の獲得は、東京地本募集課に課せられた使命でもあり
ます。
ちなみに、ベテランの募集担隊員は、学生が入隊するか否か、その
学生を見ると直感でわかるそうです。さすが長年の経験で培われた
、募集担当ならではの観察眼ですね。

続いて今回の連載でご紹介するもうひとつの業務、「援護」です。
自衛官は部隊の精強性を維持するという国の防衛施策から、若年定
年制および任期制という特殊な制度を取っています。
自衛官は一般の公務員より若くして退職することになるわけで、当
然退職後の生活が心配になりますよね。50代半ばで退職するとき、
子どもが大学受験を控えた高校3年生と、これからまだまだ学費が
かかる中学1年生、といったケースはまったく珍しいことではあり
ません。
そこで、勤務する自衛官が退職後の生活に不安を抱くことなく日々
の任務にまい進できるよう、防衛省は退職予定自衛官職援護施策を
行なっています。

退職予定隊員に対するサポートは退職2年前から始まります。
まずは就職援護教育と就職相談(2年前面談)の実施。その後、隊
員は調査票を提出し、具体的な再就職先の希望を援護課に伝えます

退職9~11カ月前には就職説明会と個別面談が行なわれます。ここ
で、就職の際に最優先するのは給料なのか業種・職種なのか、ある
いは勤務地や通勤時間なのか、その辺をしっかり確認します。
そして隊員の希望に合った求人があれば求人票を提示。本人が受諾
したら企業との面接や身体検査を経て採用、不採用の場合は新たな
求人票を提示します。
就職先は金融・保険、不動産、警備などのサービス業が目立ちます

なお、防衛省には職業紹介(あっせん)の権限はありません。職業
紹介については、職業紹介権を持つ自衛隊援護協会という組織が、
防衛省に替わって行なうという形を取っています。


(つづく)


(わたなべ・ようこ)



「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/

ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
http://okigunnji.com/url/7/



□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏せ
たうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が主催
運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)で紹
介させて頂くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

 
------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)

メインサイト:https://okigunnji.com/

問い合わせはこちら:
http://okigunnji.com/url/7/

メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置き換えてください)
------------------------------

 
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com


<丸谷 元人の講演録&電子書籍>
謀略・洗脳・支配 世界的企業のテロ対策のプロが明かす…
知ってはいけない「世界の裏側」を見る
 http://okigunnji.com/url/13/
---------------------

投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権は
メールマガジン「軍事情報」発行人に帰
属します。
 
Copyright(c) 2000-2022 Gunjijouhou.All rights reserved.