配信日時 2022/02/28 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(161)】 プーチンと極左運動家の歪んだ正義感 桜林美佐(防衛問題研究家)

おはようございます、エンリケです。

161回目の美佐日記です。

きょうの記事では、
桜林さんならではの

「柔軟でしなやかな発想力」

を堪能できます。


ではどうぞ


エンリケ

追伸
千歳空港で食べた味噌ラーメンの味が
今でも忘れられません!



桜林さんの不朽の傑作
『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
潮書房光人新社から
『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
という名で出ました!

まだの方はぜひご一読を。
https://amzn.to/3avtwJe
すでに読んだ方も、文庫でもう一冊!
https://amzn.to/3avtwJe
※メチャメチャ売れてます!


----------------------------------
『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。

https://amzn.to/38gvhr1
----------------------------------


ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7

───────────────────────

桜林美佐の「美佐日記」(161)

プーチンと極左運動家の歪んだ正義感

桜林美佐(防衛問題研究家)

───────────────────────

おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年2月の今回
は161回目となります。

 先週は失礼しました。札幌に行っていました。私
が滞在した間はほとんど晴天に恵まれましたが、そ
の直後に大雪に見舞われた新千歳空港では全便欠航
になり空港で夜を明かす方々の姿がニュースで映し
出されていました。今年は特別に厳しいとはいえ、
雪国の大変さを痛感します。お見舞い申し上げます。

 今回は全く偶然に、お世話になっている合唱の先
生が同じタイミングで自衛隊音楽隊の指導のため北
方を訪れていて、さらに驚いたことに先生への感謝
状贈呈式に私がたまたま居合わせるという、感動的
な旅にもなりました。

 帰宅してから作ってもらったみそラーメンが美味
しかった・・・。なぜか北海道に行った時だけこれ
を食べたくなります。

 さて、北京冬季五輪が閉幕し、天皇誕生日が明け
た24日、ロシアによるウクライナへの全面的侵攻
が開始されました。大変ショッキングな出来事です。

 何がショックかというと、こんなに合理性のない
国益に叶わないことをするということは、完全に冷
静なリーダーとしての判断力を欠いているというこ
とで、もはや「何をしでかすか分からない」からで
す。

 核保有国のトップが何をするか分からないという
ことは脅威です。

 とあるラジオ生放送では専門家の先生が「プーチ
ン最近、ボケちゃったんじゃないか」とお話してい
ましたが、後で聞いたらその部分がカットされてい
たようで、重ねて驚いてしまいました。

 「プーチンボケた」=放送不適切、ということな
のでしょう。いやプーチンかどうかに関わらず「ボ
ケた」がダメなのかな。まあ、どっちでもいいです
が。

とにかく放送って大変です。しかし、一方でSNS上
などでは誰が予想をハズしたとか、当たったとかい
う応酬もあり、これには辟易しています。死者が出
ている中で、こうした反応は本当に残念です。

 今週は本日(28日月曜日)から夕刊フジで5日間
の連載をすることになっていましたので、急きょ
1回目は今回の事態について書くことになりました。

 私にとっても急な予定変更となり、バタバタとし
ていた中、ロシア問題と全く違うのですが、もう一
つちょっと驚いたというか、考えさせられることが
ありました。

 NHKで一連のニュースの後に「クローズアップ
現代」が始まったのですが、今年は「あさま山荘事
件から50年」ということで、その特集をしていま
した。

 今年は各所で同様のテーマでの連載などがあるよ
うです。しかし、いつも感じるのは、どうしても多
くのメディアではこうしたかつての極左暴力集団の
話を一種のノスタルジーとして取り上げがちではな
いかということです(経験者も多かったからでしょ
う)。それをそのまま視聴者が受け止めるとしたら
気持ちが悪いものがあります。

 元連合赤軍のメンバーが次々に手記を出版するな
ど、歴史の証言を残すという意味はあるのかもしれ
ませんが、以前自衛官が殺害された「朝霞事件」に
ついてここで書いたように、首謀者が表通りを堂々
と歩いていること自体に私は違和感を覚えます。

 ある人が言っていましたが、殺人は婦女暴行より
も情状酌量の余地があるといいます。自分が殺され
そうになっていたとか、やむにやまれぬ理由で手を
かけることもあるからです。そもそも仇討ちという
概念もありました。

 しかし、左翼運動では、自分たちの思い込みや歪
んだ正義感で仲間を総括という名のもとで殺害し、
警察官、自衛官の命も奪ったのです。

 これを時代の産物だと片づけたり、平和への思い
余ってのことだと整理するなら、自国民を守るとい
う「正義感」で軍事力を行使するプーチンを責める
ことなどできないのではないでしょうか。

しかし「戦争は悪!」「プーチンは犯罪者」といっ
た勧善懲悪的なトーンを高めながら、他方で過去の
「反戦」や「革命」のための殺人や暴力は若き日の
思い出にすぎず、まるで価値があるかのように扱わ
れているような気がしてなりません。

 そのわりには、終戦の日前後の番組では軍やその
幹部などをひどく叩きますよね。いわゆるA級戦犯
はあんなに責められるのに、暴力革命家はテレビに
出演していいの?ほんとに、よく分かりません。
 
 私たちはロシアやプーチン大統領が、とんでもな
い人たちのように見ていますが、実は、私たち日本
人も、けっこう歪んだ価値観の中にいるのかもしれ
ません。

今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した!皆様にとって素晴らしい1週間となりますよ
うに!

 

●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
業」連載中です。
https://amzn.to/2XnvrIy

●YouTubeチャンネルくららで毎週末にアップして
いる「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/



(さくらばやし・みさ)



桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。

https://okigunnji.com/url/7/

 
【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。
 
PPS
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。その他す
べての文章・記事の著作権はメールマガジン「軍事
情報」発行人に帰属します。
 
 
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国
に、心から感謝しています。

ありがとうございました。

■メルマガバックナンバーはこちら
http://okigunnji.com/url/105/

 
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
 
 
---------------------------------------
 
発行:
おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
 
メインサイト
https://okigunnji.com/
 
問い合わせはこちら
https://okigunnji.com/url/7/
 
 
Copyright(c) 2000-2022 Gunjijouhou.All rightsreserved.