こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」
きょうから
「地本の業務、募集と援護」
がはじまります。
行政的な仕事であまりに身近だからでしょうか、
地本が持つ、本質的、戦略的な大切さに気づかない
国民は多い気がします。
こういう記事をきっかけに、軍の人員募集や人生支
援、国民とのふれあいという戦略的に重要な国防任
務にしっかり目を行き届かせられる国民でありたい
ものです。
ではさっそくどうぞ
エンリケ
「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/
ご意見・ご感想はコチラから
↓
https://okigunnji.com/url/7/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『ライター・渡邉陽子のコラム (359)』
地本の業務、募集と援護(1)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんばんは。渡邉陽子です。
先日UAVの連載を終えたばかりですが、連載の最後の最後でようや
く登場した日本製のUAVを覚えていらっしゃるでしょうか。2020年
12月、「はやぶさ2号」からオーストラリアの砂漠地帯に投下され
たカプセルの回収に、フジ・インバック社の中型UAV、V-6型
機が参加。約90分の飛行で空撮を行ない、撮影した写真をコンピュ
ータ解析して投下されたヒートシールドの発見に貢献したこと、同
社のB型機(現在のV型機)は、2011年3月の東日本大震災において
福島第一原発の被害状況を空撮により観測したこと、そして世界初
の南極地域におけるUAVの運用に成功したほか、2008年には長距
離無人機(最長航続距離2500km)、2009年には高高度用無人機(高
高度飛行5700m)の開発を達成したことなどをご紹介しました。
そのフジ・インバックのUAVが3000km飛行に成功、年内に3500km、
2年以内に新型機で4000kkmの飛行実現を目標とするそうです。す
でに防衛省や海上保安庁から引き合いが多数来ているとのこと。日
本製のUAV、応援します!
雑誌記事のお知らせです。
現在発売中の「正論」3月号の連載「われらの女性自衛官」、今回
は入間基地の第4高射隊所属の3曹です。小さな体からは「PAC3で
日本を守る」という気概が感じられました。新婚さんですが幹部の
夫は九州に異動、独身なのに営内暮らしの彼女です。なお、4月号
の連載はまん防による取材延期で休載です(泣)。
https://a.r10.to/ha3xGu
「丸」1月号に「北の機動戦闘車(2) MCV初実射訓練密着ルポ」
が掲載されました。2022年3月末に即応機動連隊に新編される予定
の第3普通科連隊のMCV中隊準備隊にやってきたMCVの練成訓練を追
いました。佐々木譲カメラマン撮影の巻頭カラーグラビアページと
合わせてお楽しみください。
https://amzn.to/31skrzq
『PANZER』2021年10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕
僚長火箱芳文の半生」最終回が掲載されました。被災地への6度の
視察を終えてから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
https://amzn.to/3j6CIrT
■地本の業務、募集と援護(1)
2018年4月に地方協力本部についてはご紹介していますが、その際
は地本の業務や地域における特性などが中心の記事でした。最初に
さらっとおさらいしておきます。
自衛官の募集、退職自衛官のための就職支援や教育など、特に“人
材”に関する業務を司るのが地方協力本部、通称「地本(チホン)
」です。自衛隊の“外”に対するアピール力の高さから、「自衛隊
の営業部隊」とも言われています。
地本は全国50カ所(北海道に4カ所、全都府県に各1カ所)に置か
れ、さらに多数の地域事務所、出張所、募集案内所が各地域に点在
しています。
合計すると400ヵ所以上の地本関連施設が設置されており、これほ
どまんべんなく全国に散らばっている自衛隊の組織は地本だけです。
業務は自衛官募集業務を筆頭に、自衛隊の広報活動(駐屯地や基地
で催されるイベントの案内、学校向けに見学・体験などの総合学習
支援、企業研修などを目的とする隊内生活体験の支援など)、予備
自衛官の管理業務、退職自衛官の再就職援護業務など。さらに2006
年に「地方連絡部」から現在の名称へ変更した際、新たに災害派遣、
国民保護における地方自治体との連絡・調整任務が加わりました。
つまり地本は自衛官募集のためだけの組織ではなく、自衛隊と地域
社会をつなぐ窓口であり、隊員にとっては入隊を希望したときから
退職後までずっと支援してくれる強力なサポーターでもあります。
今回はこれらの業務の中から「募集」と「援護」の2種に特化して
ご紹介したいと思います。
まず募集業務ですが、各地本の募集課がこの業務を担います。
募集課の隊員は部外との接触もきわめて多いため、高いコミュニケ
ーション能力が求められ、高卒の自衛官であろうが現役東大生に
「入隊したい」と思わせる募集広報能力も必要です。
少子高齢化が進むわが国でいかに新隊員を確保できるか、それは近
隣諸国の脅威よりも新たな装備品の選定よりも切実かつ喫緊の課題
と言っても過言ではありません。
募集事情は担当地域の人口などによって特性が異なります。
たとえば地本が担当するすべての業務が備わっている東京地本は、
全国各地にある地本の仕事を紐解くための「見本」として最適では
ありますが、首都を担任しているとあって、他地本とは違った特性
も持っています。
たとえば、50ある地本の中で編成規模が最大であること。そして豊
富な人材、多種多様な就職口、教育機関の充実、防衛省・自衛隊の
中核部隊の存在などといった特性です。
また、多くの大学がある東京都八王子市などには、住民登録してい
ない学生が多数存在しています。住民票が実家の住所のままという
わけです。募集対象者となりうる「隠れターゲット」が多いのも東
京地本ならではの特性といえるでしょう。
人材が多いのだから募集は容易かと思いきや、自衛隊のライバルも
てんこ盛り。
全国の企業など事業社数と国家公務員、それぞれ11%以上が東京に
集中しています。また、東京都の有効求人倍率は全国平均より高い
ので、求人する側が必死に募集をかけなければ、有能な人材は他企
業や別の公務員へと流れていってしまうのだ。
人口が多い=募集すればたくさん集まる、という公式は成り立たな
いのですね。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/
ご意見・ご感想はコチラから
↓
http://okigunnji.com/url/7/
□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏せ
たうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が主催
運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)で紹
介させて頂くことがございます。あらかじめご了承ください。
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。
------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト:
https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら:
http://okigunnji.com/url/7/
メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置き換えてください)
------------------------------
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
<丸谷 元人の講演録&電子書籍>
謀略・洗脳・支配 世界的企業のテロ対策のプロが明かす…
知ってはいけない「世界の裏側」を見る
http://okigunnji.com/url/13/
---------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権は
メールマガジン「軍事情報」発行人に帰
属します。
Copyright(c) 2000-2022 Gunjijouhou.All rights reserved.