配信日時 2022/02/14 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(160)】 縮み思考では国民は盛り上がらない!──ロシアに 教えられたこと   桜林美佐(防衛問題研究家)

おはようございます、エンリケです。

160回目の美佐日記。

です。キリ番です。

桜林さん、いつもありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!

さてきょうは、普段とは少し違う内容です。

個人的にはすごく好きです。


ではどうぞ


エンリケ

追伸

<なぜ今この作品なのか?>

という問い。

こういう姿勢が、ほんとうに大切と思います。

私も心がけてゆきたいです。



桜林さんの不朽の傑作
『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
潮書房光人新社から
『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
という名で出ました!

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ではさっそく、
本日の「美佐日記」をお楽しみください。


エンリケ

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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(160)

縮み思考では国民は盛り上がらない!──ロシアに
教えられたこと

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年2月の今回
は160回目となります。

 先週の「食の安全」について、メッセージをお寄
せ頂きました。

引用させて頂いた荒木先生はすでに1990年代に
は農薬や外食、調理済みの食品について教育者とし
て発言されていて、反応は・・・最低で、誰も賛同
者がいなかったのだそうです。やっと気づき始めた
のかというかんじでしょうね・・。

 また、Sさんからは「神道の『直会』『神人共食』
についても触れていただきたかったです」と頂きま
した。そうなんです。実は私も書こうとしたので
すが、神事は一般の宴とは異なるということで微妙
に意味が違うかなあーと悩み躊躇してしまったので
した。ありがとうございます!

 それにしても、最近のニュースはすごいですよね
・・。大雪に対する警戒、コロナの状況、そして北
京冬季五輪、ウクライナ情勢と欧米諸国の動き、そ
んな中で北朝鮮がミサイルを飛ばしたり・・、元ニ
ュースデスクとしては、大変だろうけど全体の構成
を考えるのは容易かな・・、などとつい想像してお
ります。

 現時点でロシアがベラルーシと大規模演習を開始、
ウクライナも演習に着手したといい、いつも映像
には戦車や火砲が映し出され、緊迫した情勢を窺わ
せています。

 思い出すのは昨年観た映画『レジェンド・オブ・
ウォー』です。

内容は4人のソ連戦車兵捕虜が6発の砲弾だけを積
んだT34戦車で脱走し、ドイツ戦車と激闘を繰り広
げるというもの。

 もちろんロシア映画で、ロシア国内で最終興行収
入は40億円を超え、観客動員800万人という驚異的
な数字を叩き出したのだそうです。

 ロシア映画なんか観て、情報戦にやられてしまう
んじゃないかと警戒しつつ鑑賞しましたが・・・、
案の定、完全にやられたかもしれません・・。

T34を自在に操る主人公の陸軍少尉サイコーっ!
ドイツ軍をやっつけろー。ということになっており
ました。はい。

 しかし、その後にフト思ったのは、なぜ今この作
品なのか?ということです。

今や戦いは新しい世界に突入し「宇宙・サイバー・
電磁波」の「ウサデン」だったよね、と。

 でも、やっぱりこの映画に出てくる火力こそが戦
いの本質であるということ、それを私は思い知らさ
れた気がしました。

 それが証拠に「ウクライナ国境付近」に「戦車が
並んでいる」という映像だけで、とにかくものすご
いインパクトを与えているではありませんか。

 「サイバー攻撃をしかけています」と、パソコン
に向かう兵士が映し出されるということはないでし
ょうし、それを見ても怖くならないですよね。

 このタイミングに『レジェンド・オブ・ウォー』
が作られたのは、戦いの本質を思い出すこと、国威
発揚の意味もあったのではないかと思ってしまいま
す。

 宗像さんのメルマガ『我が国の未来を見通す』で
はフランスとロシアの手厚い子育て支援について紹
介されていて、非常に勉強になりました。

 ロシアでは「子供2人産むと、家を買える」とい
う「母親資本」の対策で出生率のV字回復を果たし
たということで、羨ましい話です。

 政治体制の違いもあり、単純に比較はできないと
は思いますが、国の将来のための大胆な施策をすれ
ば、かくも変化は起こるということです。

 人口減は国家の危機、あまりにも深刻な課題を日
本は抱えています。よく「若いもんは結婚もしない
で好き勝手している」などと言うおじさんたちがか
つてはいましたが、経済的な理由が非常に大きいこ
とが段々と理解してもらえるようになっています。

 宗像さんは言います。「しかし、両国に見習うべ
きは、両国が人口減を国家的危機と認識した上、そ
れを食い止めて国力を衰退させないため、国を挙げ
て必死になってその対策を断行していることにある
と考えます。その『必死さ』が国民の間に広く伝搬
して『子供を増やす』雰囲気が出来上がっているの
ではないでしょうか。」と。

まさに同感です。それに比べて日本はどうでしょう
か。

子育て支援などの中途半端さもさることながら、最
近とても虚しくなるのは「人口が減るから自衛隊も
減らす」。特に数の多い陸上自衛隊は減員やむなし
といった論説が大手を振っていることです。

人口が少なくなるのだから、もっと処遇・条件を良
くして、良い人材が集まるようにしようという発想
になぜならないのか。なぜ諦める前に最大限の努力
をしようとしないのか。

情けなくなります。

宗像さんはまた15歳から17歳を「労働力」とし
てカウントし、「生産年齢」として定義するのは無
理があるのではないかと指摘しています。

自衛隊も、高校を出て大学に進学する率が増えれば
募集が厳しくなるのは当然で、ようやく採用年齢を
引き上げたところです。

この話をすると長くなりそうなので、今日はこのへ
んでやめておきますが、とにかく、思うのは「縮み
思考では国民は盛り上がらない!」ということです
。ロシアに教えられるところが多くありました。

今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した!皆様にとって素晴らしい1週間となりますよ
うに!


<おしらせ>
※2月19日(土)に北海道防衛局主催の「防衛問
題セミナー」で講演します。オンラインです。詳し
くはこちら!
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いる「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂きます。
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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