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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
 
E-ｍａｉｌ hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp

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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
分隊支援火器といえばこれ！
ミニミ/M249です。

『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
2020/7/10 発行
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武器オンチの日本人には
特におススメです。


共産主義は資本主義の嫡子。

ということばがあります。

正鵠を射た言葉と思います。


わが国は、「侠のこころ」など、わが文明特有の
「日本主義」を大事にしなければいけないと強く
感じます。


では今日の記事、
さっそくご覧ください。

きわめて重要な内容です。


エンリケ


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加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編　Takashi Kato　　

国防権限法（２）


加藤喬（元米陸軍大尉）

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□ウォーク運動がもたらす新たな「対立」

　昨年末、アメリカの学生競泳大会でペンシルベニ
ア大学女子チームのリア・トーマス選手が数々の大
会記録を更新。1500メートル自由形では２番手に38
秒の大差をつけ優勝する活躍ぶりでした。この快挙
が物議をかもしたのは、トーマス選手がそれ以前の
３年間、同大学の男子チームで競っていたからです。
 
　つまり、生物学的性と心の性が一致せず反対の性
で生きることを決めたトランスジェンダー競技者だ
ったということです。男性ホルモン抑制治療を受け
ているとは言え「生まれつき骨格も肺活量も手も大
きい同選手が女性として競うことは公平を欠き、強
いては女子競泳界を台無しにしてしまう」と憂慮す
る声があります。
 
「２人の幼女に対する性犯罪で有罪となった男が性
別認識を女性に変えたため、女性刑務所に収容され
ることになった」。俄（にわ）かには信じがたいニ
ュースですが、先月末、カリフォルニア州ロサンゼ
ルス郡の地方検事が下した結論です。
 
　背景には、トランスジェンダー受刑者保護のため
本年１月１日から同州で実施された新法があります。
現在までに261件の転所願いが提出されており、女
性受刑者の中には身の危険を憂う者もいると言いま
す。
　
　上記の２件はウォーク運動の実例です。元来wo
keとは「目覚めている」ことを指しますが、2010年
頃から黒人をはじめとする少数民族や男女同権論者、
そしてLGBTQなど性的少数者らのあいだで「あらゆ
る差別を自覚し、見逃さない」との合言葉として使
われるようになりました。
 
　白人男性を抑圧者と断じ、アメリカを制度的差別
社会と糾弾するアイデンティティ政治や批判的人種
論（CRT）、キャンセルカルチャーとも重なる主張で
す。
 
　米人口３億３千万人のうち、約100万人がトラン
スジェンダーを自認していると言われます。少数派
に寛容な社会を目指すなら見落としてはいけない
人々でしょう。同時に、ウォーク運動の根底には「
対立」を産み出す仕組みが隠されていることを忘れ
てはなりません。
 
　前述の「トランス女性競技者」対「女性競技者」
や「トランス女性受刑者」対「女性受刑者」はもち
ろん、「異性愛者」対「同性愛者」、「白人兵士」
対「少数派兵士」「男性将兵」対「女性将兵」など
の対立構図が米社会を浸潤し、長く受け継がれてき
た習慣や既存の制度を壊しつつあります。
 
　一つ一つのひび割れは些細でも、ある限界を超え
ると頑丈なダムや堤防の決壊につながるように、米
市民の間に広がりつつある亀裂が多民族国家アメリ
カの箍（たが）を脆（もろ）くする危険は実在しま
す。
 
　してみると、性的志向や人種、性別といったアイ
デンティティから生じる不和を巧みに煽り、利得を
得る者は誰か？
 
米国は機会均等のもと各人の努力と才覚で、限りな
い成功と富が得られるアメリカンドリームの牙城。
自由市場経済で栄華を極める資本主義国の雄である
のは言うまでもないことです。
 
しかし、そのアメリカにも、社会主義が唱える「平
等社会」に憧れる人々は一定数存在します。ウォー
ク運動、CRT、キャンセルカルチャー、アイデン
ティティ政治の根っこにあるのがこの「平等信仰」。
急進化した理想主義者たちは、誰もが国の庇護で
食べていける「地上の楽園」の実現に向け、マルク
スが唱えた「階級」闘争を「人種」「性別」「性的
指向」闘争にすり替えつつ、アメリカ保守層の切り
崩しを図っています。
 
この左傾化の動きを社会主義の申し子である習近平
やプーチンが見逃すはずはありません。とすれば「
ウォーク運動の背後に中露の介入あり」との推論も
一笑には伏せません。
 
　「ウォーク運動もキャンセルカルチャーもアメリ
カの国内問題だ」と言うなかれ。日本でも先日、「
多様性尊重」を錦の御旗に外国人参政権を推進する
市長や政治勢力が話題になりました。私の目には、
「国籍」というアイデンティティを逆手にとり、日
本人を束ねてきた「和の心」を蔑（ないがし）ろに
する国家分断の兆しと映りました。
 
人種にせよ性別にせよ性的志向にせよ、このような
論議で「多様性！」と謳われると、水戸黄門の印籠
（いんろう）よろしく誰しも平身低頭しがちです・・・
しかし、美辞に隠された底意を見抜く眼力と反論す
る勇気が必要なのは、実はこういう時なのです。
 
ちなみに日米は運命共同体。ならば日本の政治家諸
氏には、アメリカ社会分断と米国覇権弱体化の要因
を客観的に分析し、米首脳部に対応策を進言する責
任があると思います。
 

□国防権限法（２）

　兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。

前回も述べましたが、米国防権限法は国防総省の予
算と支出を規定する法律で、その使い道に関する提
言も含んでいます。バイデン大統領が署名した会計
年度2022年の同法には「台湾軍の非対称防衛力
を高めるべき」との勧告が明記されています。

非対称戦争とは、交戦国が持つ軍事力に大きな差が
ある場合の戦闘様態を指します。中国人民解放軍が
台湾に侵攻するシナリオを考える場合、両国の総戦
力を単純に比べてもあまり意味がありません。中国
は多くの国々と接する長大な国境を常時守らねばな
らず、台湾攻略に割ける部隊数には限りがあるから
です。そのうえ、兵員や戦車などを上陸させるため
には台湾海峡を渡らねばならず、その規模は動員で
きる艦艇の隻数に左右されます。とは言うものの、
純数量的には中国側の有利は動かないでしょう。

数で勝る中国軍に台湾軍が甚大な損失を与えるため
には、たとえば、沿岸海域への機雷敷設が考えられ
ます。浮遊機雷や係維機雷は19世紀から使われて
いる古典的な兵器ですが、最近では敵艦を音響セン
サーで感知して自動追尾するホーミング機雷もあり
ます。いずれの場合も、敷設の事実を公表するだけ
で敵の行動を阻止したり大きく抑制したりする効果
が得られます。地上部隊の前進を阻む地雷原と同様
です。

対艦ミサイルも上陸阻止に有効です。先日実施され
た陸自と米海兵隊の合同演習ではハイマース高機動
ロケット砲システムが初投入されました。同兵器は
陸上戦における長距離火力支援用に開発されたもの
です。しかし地対艦ミサイルとしての運用も可能だ
と言われています。その名のごとく機動力に優れて
おり、上陸が予想される海岸地帯をこまめに移動し
て攻撃を避けつつ、敵の揚陸艦を狙い撃つことがで
きます。

　機雷も対艦ミサイルも高価な大型艦艇に比べると
格安で、費用対効果が高い利点があります。つまり
数をそろえることができるのです。上陸を目指す人
民解放軍海軍や陸戦隊に「許容できない損害」を与
えるこれらの兵器は、台湾侵攻に対する大きな抑止
力として働きます。


教材ビデオ:
 Democrats and Republications have agreed one
thing - stronger military ties with Taiwan ! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=q8XvE6ZJ1bI&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=237&t=237s
（本エピソードは５：１４から始まります）

基本語彙（カタカナ表記は大雑把なものです）
Asymmetric （エイセメトリック）非対称の
Mine（マイン）地雷、機雷
Special operations forces（スペシャル・オペレ
ーションズ）特殊作戦

シナリオ（カウンターを５：３６に合わせてくださ
い）

Some sections of the newly signed bill recomme
nd building up Taiwan’s asymmetric defenses in
cluding “costal defense missiles, naval mines,
 anti-aircraft capabilities, cyber defenses and
special operations forces.”

（新たに署名された法案には「沿岸防衛ミサイル、
機雷、対空戦闘能力、サイバー防衛および特殊作戦
部隊」を含む台湾の非対称防衛力を高めるべきとの
項目がある。

（今回のエピソードは７：０２まで続きます）


英語一言アドバイス：
日常会話でmineは「私のもの」を意味しますが、軍
事用語では地雷、機雷などを指します。種類を特定
したい場合、地雷はland mineで機雷は sea mineに
なります。ちなみに地雷原はminefieldです。

発音サイト:
land mine How to pronounce land mine | HowToPronounce.com
https://www.howtopronounce.com/land-mine

Sea mine How to pronounce sea mine | HowToPronounce.com
https://www.howtopronounce.com/sea-mine

Mine fieldHow to pronounce minefield | HowToPronounce.com
https://www.howtopronounce.com/minefield

参考サイト：
国防権限法　National Defense Authorization Act - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/National_Defense_Authorization_Act

非対称戦争　非対称戦争 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%AF%BE%E7%A7%B0%E6%88%A6%E4%BA%89

Asymmetric warfare - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Asymmetric_warfare



（かとう・たかし）



●著者略歴
 
加藤喬（かとう・たかし）
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授（2014年7月退官）。
著訳書に第３回開高健賞奨励賞受賞作の『ＬＴ―あ
る“日本製”米軍将校の青春』（TBSブリタニカ）、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『Ｍ16ライフル』『ＡＫ―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『ＭＰ３８／４０
サブマシンガン（近刊）』（いずれも並木書房）
がある。
 
 
追記

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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事（桜林美佐氏）：
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス　戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X　
 
『レックス　戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
　⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代　(passage of
lines)　を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
　同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は　"Repeat"　ではなく　"Say again"　です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
　兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。　
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"　
と表現します。
 
　『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤　喬
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