おはようございます、エンリケです。
157回目の美佐日記。
<今回の騒ぎが続く中で、日本人が改めて熟慮すべき
は「日本のあり方」なのではないかと改めて考えて
います。>
とのお言葉に、こころから同意共感しています。
ではどうぞ
エンリケ
追伸
文中でも紹介されてますが、
220202に開かれるISIC(国際安全保障産業協
会)のウエビナーで、桜林さんのお話が聞けます。
詳細は今日の記事下でご確認ください。
時間を作って耳を傾けましょう。
桜林さんの不朽の傑作
『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
潮書房光人新社から
『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
という名で出ました!
まだの方はぜひご一読を。
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すでに読んだ方も、文庫でもう一冊!
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※メチャメチャ売れてます!
ではさっそく、
本日の「美佐日記」をお楽しみください。
エンリケ
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。
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ご意見・ご感想はコチラから
↓
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桜林美佐の「美佐日記」(157)
「日米地位協定を見直すべき」キャンペーンに惑わ
されない
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年1月の今回
は157回目となります。
前回、在日米軍基地と今回のオミクロン拡大につ
いて書きましたが、これまで真面目にコロナ対策を
してきた関係者の思いを及ばずながら代弁をするこ
とができたようです。
在日米軍基地とひと言で括っていますが、軍種も
陸・海・海軍そして海兵隊とあり、色々な関係者が
いますので、米軍関係者の中でも「また海兵隊のヤ
ツらか!」といった感情を持つ人もいるようです。
以前、沖縄で米兵の飲酒事故があった時は全ての在
日米軍基地で外出禁止と、自宅でさえも禁酒となり、
ちょうど感謝祭の時でしたが、全くあずかり知ら
ない罰を引き受けている多くの姿があったことを覚
えています。
ところで、日本各地で「まん延防止等重点措置」が
始まるということですが、時間制限があるものの、
お店での飲食は可能です。
一方、米軍基地では外出制限と、基地内の店舗も飲
食はできず持ち帰りのみとのこと。日本人はレスト
ランやカフェ、居酒屋でも会食できているのに、彼
らはできない。すでに日本人だけでも感染は広がっ
ているのであり、もはや意味がないんじゃないか!?
と思うのは私だけでしょうか・・。
彼らにしてみれば、感染拡大中の街になんかあえ
て行きたくないわ、といったところでしょうけど・・。
日本側としては「お仕置き」的なことをさせて、
国民の歓心を買うようなことはやめた方がいいと思
います。「アイツらが悪い」 → 「ガツンと言っ
てやったぜ」 → 政治的な成果 = 違うでしょ
う・・・。
メディアではここぞとばかりに「日米地位協定を
見直すべき」キャンペーンが続いています。国会で
も当然こんないいネタはないとばかりに取り上げら
れています。
ここの読者の皆さんには改めて言う必要はないと
思いますが、駐留する軍に地位協定が適用されるの
は当然であって、それがなければ軍の運用を阻害し
てしまいます。
自衛隊も駐留しているジブチでは地位協定が適用さ
れています。前回も書いたように、地位協定改正云
々ではなく、日米の感覚やルールの差異を最小化す
ることが肝要だと私は思います。
そのためには、これを橋渡しできる人材が必要にな
るでしょう。例えば日本人と結婚したなどで日本に
住んでいる元米軍人の方であったり、日本人で米軍
に所属した経験を持つ方などの力を公式に借りられ
ないものでしょうか。
もちろん、現役の人員だけでうまくできればそれに
越したことはありませんが、それだけの余力がない
のなら、ということです。
いずれにしても、軍歴があるかどうかは私たちが思
う以上に影響するようにも思います。どんなに偉い
シビリアンより説得力を持つはずです。
また、昨今は自衛隊と米軍の基地の共同使用も増え
ていますが、普段から連絡を濃密にすることもより
大事になりそうです。
沖縄の基地の自衛隊との共同使用化なども進められ
ることに期待したいところです。岩国とか、海兵隊
と海上自衛隊がいるのに、カウンターパートではな
いので近くて遠い隣人のようになってしまうのはも
ったいないですね。
それと、基地の外つまり市中に住む米軍人が住民登
録をしておらず、自治体が要求しても応じないとい
うことも指摘されていますが、これは米軍側の主張
の通り、本人の安全のためにもテロや様々な工作を
避けるためにも正当な理由だと思います。
そもそも地方自治体の実態を知っていれば危なくて
そんな情報を渡すはずはありません。
基地外在住者の取り扱いについては、パンデミック
は想定されていなかったと思われますので、これを
機に防衛省か外務省で掌握できるようにするなど、
一定の改善は必要になるとは思いますが。今後もし
ばらくはWithコロナの時代が続くと想定すれば
、制度そのものも少し変わってくるのかもしれませ
ん。
ただ、いずれにしても「地位協定を見直すべきだ!
」という話ではなく、運用の仕方で変えられること
ばかりだと思いますので、ここぞとばかり煽る人た
ちに惑わされず冷静にならなくてはなりません。
日米同盟を危うくして笑うのは誰なのか、というこ
とです。
また、よくドイツやイタリアにおける米軍の地位協
定は日本のものと違う、日本のものは不平等だとい
う声もありますが、言うまでもなくこれらの国々は
NATO加盟国間として相互防衛の義務を負ってい
ます。それと日本を同等に置くのは筋違いでしょう
。
そのように考えると軍の思想というのは、やはり究
極は「血の交換」で価値が決まると言えそうです。
日本は地政学的に米国にとって大事な位置づけだか
ら、(地位協定改定などについて)もっと言うべき
ことを言っても大丈夫だ。話し合いでどうにかなる
、という主張もあるようですが、仮に大統領がこれ
に納得しても議会や世論は受け入れないでしょう。
最初に奇しくも「日米の感覚の温度差」と書きまし
たが、これこそが実は「温度差」の本質なのかもし
れません。
憲法改正も、自衛隊の地位を確立するためには欠か
せないものですが、では、その時に私たちはそれ以
上の階段を何階まで上っていくのかについては、私
自身もまだ明確な答えを持っていません。
今回の騒ぎが続く中で、日本人が改めて熟慮すべき
は「日本のあり方」なのではないかと改めて考えて
います。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した!皆様にとって素晴らしい1週間となりますよ
うに!
<おしらせ>
※2月2日(水)の夜、ISIC(国際安全保障産
業協会)のウエビナーにてお話させて頂きます。詳
細はこちらです!
https://isic-japan.org/event/strategic-alignment/
●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
業」連載中です。
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●YouTubeチャンネルくららで毎週末にアップして
いる「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/
(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
↓
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)
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