こんばんは、エンリケです。
「自衛隊とその他のUAV」の5回目です。
グローバルホークのはなしです。
興味津々です。
さっそくどうぞ
エンリケ
「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (352)』
自衛隊とその他のUAV(5)
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こんばんは。渡邉陽子です。
2021年も最後の1か月という時期に、よりによって2日連続で、近
年まれにみる「最悪の取材」を経験してしまいました。取材後にネ
ガティブな気分になる理由は、自分のダメ取材っぷりのせいが圧倒
的に多いのですが、この2日間はいずれも、何度振り返っても、あ
まりに理不尽で……結果的に眠れない日が2夜連続、それがたたっ
たのかまさかの発熱! 久しぶりにお会いできる予定だった方との
約束もドタキャンする羽目に。今の時点では、相手を責めるよりも
それだけ引きずる自分のメンタルの弱さを猛省しています。同時に、
いつもどれほど仕事を楽しくさせていただいているのかもしみじみ
実感しました。
雑誌記事のお知らせです。
「正論」1月号の「われらの女性自衛官」、今回は海上自衛隊P-3C
のフライトエンジニアです。実質的に海自初の女性FEとなったWAVE
はめちゃくちゃかっこよかったです! 固定翼のからむ取材はやっ
ぱりたぎります。カラーグラビアでの連載なので、自衛隊好きの産
経のカメラマンの写真も一緒にお楽しみください。
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「丸」1月号に「北の機動戦闘車(2) MCV初実射訓練密着ルポ」
が掲載されました。2022年3月末に即応機動連隊に新編される予定
の第3普通科連隊のMCV中隊準備隊にやってきたMCVの練成訓練を追
いました。佐々木譲カメラマン撮影の巻頭カラーグラビアページと
合わせてお楽しみください。
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『PANZER』10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」最終回が掲載されました。被災地への6度の視察を終え
てから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
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■自衛隊とその他のUAV(5)
先週に続き、航空自衛隊の無人機RQ-4B、通称グローバルホー
クのご紹介です。
グローバルホークはMQ-1プレデターなどの無人航空機とは異な
り攻撃能力を持たない純粋な偵察機で、全長14.5m、翼幅は40mと、
翼幅は大型輸送機・旅客機と同等サイズで無人機ながら非常に大き
いです。システムは無人機と地上設備で構成されており、無人機に
は各種センサー類と通信装備を搭載、パイロットは地上設備の操縦
装置から遠隔で操縦します。
ペイロード約1400kgを搭載した状態で民間機より高い高度15000m
以上を30時間以上飛行でき、陸上洋上双方の広範多岐なISR(情
報intelligence、監視surveillance、偵察reconnaissance)が可能。
有人航空機では難しかった長時間・広範囲の偵察が行なえるだけで
なく、昼夜を問わず、またすべてのタイプの天候で、ほぼリアルタ
イムで高解像度の土地の画像を収集する能力を有しています。
日本国内で運用されている米空軍のグローバルホークの場合、ほか
の航空機と衝突を避けるため、基本的には通常の航空機が航行しな
い高高度を航行するとともに、有人機の航空機と同様、管制の指示
に従って航行しています。
また、離着陸のための上昇下降時等、ほかの航空機が飛行する高度
と同じ高度を飛行する際は管制の指示に従った運航をしているため
、空自が運用するグローバルホークもこれに準ずることになるでし
ょう。
なお、機体から距離約300m地点での離陸時の騒音は76dBとなって
おり、走行中の地下鉄の電車内やバスの車内よりも小さい音です。
空自が導入するのは3機のRQ-4Bブロック30(電子光学・赤外線・
合成開口レーダー及び信号情報センサーを備えているタイプ)と地
上操縦装置2基で、運用が本格化すれば、弾道ミサイルを相次いで
発射する北朝鮮をはじめ、太平洋への進出を活発化させる中国、あ
るいはロシアなどに対する警戒監視および情報収集能力の強化に寄
与することになります。
実は昨年夏、「政府がグローバルホークの調達中止も視野に再検討
を行なっている」という気になるニュースが報道されました。
見直しのきっかけは米空軍が2021年度予算案でグローバルホークの
派生型「ブロック30」と「ブロック20」を退役させる方針を示した
ことだといいます(ブロック30とブロック40では搭載されている情
報収集用機器が異なります)。
退役するとブロック30を保有するのは日本と韓国だけになるので、
機数の減少が維持管理費の高騰につながることが懸念される、との
ことです。
また、機体自体の価格高騰も見直しの一因だという(政府が2014年
にグローバルホークの導入を決めた当初の見積もりが、2017年に米
側が約23%増を通告してきた経緯があります)。
さらに、当初はグローバルホークで北朝鮮や日本周辺の島しょ部の
警戒監視を強化する構想だったのが、偵察に特化した機体ゆえ攻撃
を受ければ撃墜される可能性は高く、中国との有事の際には使えな
いというのです。実際、2019年には米空軍のグローバルホークがイ
ランを偵察中に撃墜されており、「高額な機体を撃墜の危険にさら
すことはできず、海洋監視には不向きで使い道はあまりない」とい
う声もあるとか。
しかし2021年3月、三沢基地にグローバルホークの運用に向けて、
装備品の受入れおよび維持管理、教育、運用試験などを行なう臨時
偵察航空隊が70人規模で新編されました。準備が整い次第、部隊名
から「臨時」が外れてグローバルホークを運用する航空隊となる予
定で、滞空型無人機を活用した偵察や警戒監視などが主な任務にな
ると見込まれます。
グローバルホークの話、もう少し続きます。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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