--------------------------
荒木さんの最新刊
知られざる重要組織「自衛隊警務隊」にスポットを
当て、警務隊とは何か?の問いに応えるとともに、
警務隊で修練されている「逮捕術」を初めて明らか
にしたこの本は、小平学校の全面協力を受けて作ら
れました。
そのため、最高水準の逮捕術の技の連続写真が実に
多く載っています。それだけでなく、技のすべてを
QRコードを通して実際の動画をスマホで確認できる
のです!
自衛隊関係者、自衛隊ファン、憲兵ファンはもちろん、
武術家、武道家、武術ファンにも目を通してほしい
本です。
『自衛隊警務隊逮捕術』
荒木肇(著)
https://amzn.to/34szs2W
-----------------------------------------
こんにちは。エンリケです。
「防衛省の秘蔵映像」解説 第43回です。
ついこの前という感じもしますが、
こういう形で振り返ると理解が深まりますね。
さっそくどうぞ。
エンリケ
メルマガバックナンバー
https://heitansen.okigunnji.com/
ご意見・ご感想はコチラから
↓
https://okigunnji.com/url/7/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
防衛省の秘蔵映像(43)
米軍再編と北の核実験
2006(平成18)年の映像紹介
荒木 肇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2006(平成18)年の映像紹介
平成18年防衛庁記録 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wahxm3Y55pM
□はじめに
こういっては何ですが、岸田総理の素早い対応に
感心しました。すでに変異株が発生し、香港などに
も患者が出ています。すかさず「外国人の入国停止」
を決められました。第6波は必ず来るといわれ、お
そらくと覚悟していましたが本当にやってくるとは。
しかも、ブレイクスルー(ワクチン接種者もかかる)
もいわれる変異株です。岸田総理も自民党も、さす
がに決断が速かったことに拍手いたします。
さて今回は、防衛庁の秘蔵映像。前部で5つのパ
ートに分かれています。まず、第1部は「国際社会
における自衛隊の活動状況」、続いて第2部は「わ
が国をとりまく安全保障環境」、そうして第3部「
組織改編の背景」、第4部は「新たな時代の幕開け、
防衛庁・自衛隊の新体制スタート」とされ、最終章
は「省への移行」となっています。
ああ、この時期かと思ったのは、「防衛庁の天皇」
といわれ、絶大な権力をふるったといわれた防衛事
務次官のM氏が登場したことです。氏は現東京都知
事の小池百合子氏と対立し、さまざまな話題に事欠
かない人でした。退官してからはたちまち刑事被告
人になり、不名誉な罪名で裁判になり、実刑を科さ
れて、刑務所で服役することになりました。
そういう「遣り手」でもありますから毀誉褒貶が
今もあります。ただ、この広報用の映像にも登場し、
さまざまな説明をされています。統合運用について
も語られていました。
▼米軍の再編
米軍は大きな改編を行ないました。沖縄の海兵機
動展開部隊、約8000名をグァムに移動することにし
ました。普天間の飛行場は全面返還され、その代わ
りキャンプ・シュワブ南方沿岸部に代替の飛行場を
建設することにします。これが現在も、揉め続けて
いる普天間問題の始まりです。
神奈川県の座間市にある駐留陸軍司令部も縮小さ
れて、陸自は中央即応集団(セントラル・レディネ
ス・フォース)の設立を決めました。同時に補給、
兵站の要である相模補給廠についても機能と能力を
高めます。東京都下の米軍が管理していた横田飛行
場も軍民共用化の検討も始めて、管制空域も一部返
還されました。
首都圏である神奈川県厚木飛行場にやってきてい
た米空母艦載機を山口県岩国基地へ動かします。訓
練場所も、沖縄の嘉手納だけから北海道千歳、青森
県三沢、茨城県百里、石川県小松、福岡県築城、宮
崎県新田原の各基地に米軍機が飛ぶことになりまし
た。日米同盟による基地公害などを少しでも軽くし、
本土でも分担をという配慮からでしょう。
また、米軍にとっても、自衛隊にとっても中国が
本格的な脅威にはなっていません。米軍はイラク戦
争が本格化し、極東正面は少しでも負担を減らそう
という考えがあったに違いありません。
▼北朝鮮の核実験
北朝鮮は弾道弾を開発し、7月には日本海に向け
て7発のミサイルが撃たれました。それが7月のこ
と、いよいよ大変だと騒いでいたら、10月にはと
うとう地下核実験が行なわれたと発表。さあ、大変
だとなり国連の安全保障理事会でも制裁決議がされ
ました。これで北朝鮮の船舶は、わが国の港に入れ
なくなったのです。
それでも、ずいぶんのん気なもので、昭和30年代、
40年代には「北朝鮮はこの世の極楽」などとマス
コミの一部では礼賛していました。拉致の問題も、
アメリカと日本政府のでっちあげだという政党もあ
ったくらいです。
現在では、とうとう核弾頭付きのミサイルを保有し
ているというのですが、ほんとうのところどうなの
でしょう。わが国の対応だって、いまだに大変だと
騒いでいるだけではありませんか。
▼自衛隊の改編-統合運用の始まり
陸・海・空自はそれぞれ違います。わたしがお付
き合いした経験でも、「軍種」が違うとほとんど別
世界です。よく、自衛隊はとか、軍隊はとかまとめ
て語る方が多いのですが、それぞれ全く別の文化が
あります。海自はよく言えば「伝統墨守」といい、
陸自は「先例重視」とからかわれます。海自はいい
意味で戦前の帝国海軍がお手本であり、陸自は旧陸
軍とは違うぞと言いながら実際は帝国陸軍とよく似
ているのがほんとうのところです。
映像では守屋氏が語っています。「たとえば災害
派遣でも、海自の輸送艦が陸自のトラックや人員と
物資をいっぺんに運んだ方がいいのです」。そんな
当たり前のことなどと言ってはいけません。それが
スムーズにできないのが武装組織です。輸送に関す
る希望、相互の調整、実際の運用というように手順
は厳重に守られます。計画を立て、すりあわせをし
て実施する、それが非効率的といわれようが、そう
いうものなのです。
これを統合して運用する、そのためには指揮系統
も変えてゆきます。これまで統合幕僚会議議長は長
官や最高指揮官たる総理大臣のスタッフでした。海
上自衛隊の自衛艦隊司令官、航空自衛隊の総隊司令
官と陸自の5個方面隊の総監は横並びで、これに統
合任務部隊指揮官が加わっていました。それが統合
幕僚長の指揮のもとに、これを一元的指揮といいま
すが、3自衛隊のすべてが動くようになったのです。
また、この年、防衛庁は防衛省になりました。
▼護衛艦の5インチ砲
映像の中に艦番号174、「きりしま」が登場しま
す。あ、大砲が違うなと思いました。そういえば、
わたしが海自護衛艦の砲が発射されたのを実見した
のは「はるな」の、ものでした。たしか口径5イン
チ、つまり127ミリであり、陸自の155ミリ、
203ミリの射撃を身近に見てきた経験からすれば
音はたいしたこともありません。
ところが、3インチ(76.2ミリ)の艦砲の射
撃を見た時にはほんとうに驚きました。発射速度で
す。まさにバン、バン、バンという感じでした。ド
ッシャン、ドッシャンという陸自の発射間隔と比べ
ると自動化するというのは凄いことだと思います。
わたしが「はるな」で見た砲は、127ミリ54
口径単装速射砲Mk42といわれ73式という名称
を与えられた自動砲です。発射速度は毎分35発で
すから陸自の砲とはまるで違います。しかも射程は
2万3000メートルというのですからびっくりで
す。
弾薬は弾庫と装薬庫から砲側へ揚弾され、装填ま
で自動方式。弾庫には給弾ドラムが置かれて、揚弾
筒(ようだんとう)を使って砲塔の内部の装?機に
弾体と薬莢(装薬)が自動的に行なわれます。砲塔
の内部には人が3~4人いて、管制盤などを操作し
ています。
1993(平成5)年に竣工した「こんごう」か
らは新しい5インチ砲、54口径単装速射砲です。
これはイタリアのOTOメララ社の製品で、ライセ
ンス生産を行ないました。砲塔内は無人化されてい
て、射撃管制は甲板下の艦内で行なわれます。発射
速度は対空射撃を重視し、毎分40発にもなるそう
です。「こんごう」型4隻に続いて、「たかなみ」
型5隻にも装備されました。最大射程も2万400
0メートル。弾丸重量は32キログラムです。
特徴は砲身の冷却を水によって行なうので、射撃
と同時にかなりの水が砲口近くから下に向かって流
れ落ちることです。
(つづく)
(あらき・はじめ)
☆バックナンバー
⇒
https://heitansen.okigunnji.com/
荒木さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
↓
https://okigunnji.com/url/7/
●著者略歴
荒木 肇(あらき・はじめ)
1951年東京生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、
同大学院修士課程修了。専攻は日本近代教育史。
日露戦後の社会と教育改革、大正期の学校教育と陸
海軍教育、主に陸軍と学校、社会との関係の研究を
行なう。
横浜市の小学校で勤務するかたわら、横浜市情報処
理教育センター研究員、同小学校理科研究会役員、
同研修センター委嘱役員等を歴任。1993年退職。
生涯学習研究センター常任理事、聖ヶ丘教育福祉専
門学校講師(教育原理)などをつとめる。1999年4月
から川崎市立学校に勤務。2000年から横浜市主任児
童委員にも委嘱される。2001年には陸上幕僚長感謝
状を受ける。
年間を通して、自衛隊部隊、機関、学校などで講演、
講話を行なっている。
著書に『教育改革Q&A(共著)』(パテント社)、
『静かに語れ歴史教育』『日本人はどのようにして
軍隊をつくったのか―安全保障と技術の近代史』
(出窓社)、『現代(いま)がわかる-学習版現代
用語の基礎知識(共著)』(自由国民社)、『自衛
隊という学校』『続自衛隊という学校』『子どもに
嫌われる先生』『指揮官は語る』『自衛隊就職ガイ
ド』『学校で教えない自衛隊』『学校で教えない日
本陸軍と自衛隊』『あなたの習った日本史はもう古
い!―昭和と平成の教科書読み比べ』『東日本大震
災と自衛隊―自衛隊は、なぜ頑張れたか?』『脚気
と軍隊─陸海軍医団の対立』『日本軍はこんな兵器
で戦った─国産小火器の開発と用兵思想』『自衛隊
警務隊逮捕術』(並木書房)がある。
『自衛隊の災害派遣、知られざる実態に迫る-訓練
された《兵隊》、お寒い自治体』 荒木肇
「中央公論」2020年3月号
https://amzn.to/31jKcxe
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。
----------------------------------------------
-
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
■メルマガバックナンバーはこちら
http://okigunnji.com/url/105/
メインサイト:
https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら:
https://okigunnji.com/url/7/
メールアドレス:okirakumagmag■■gmail.com
(■■を@に置き換えてください)
----------------------------------------------
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
--------------------
ビタミン、ミネラル、サプリメントなら
↓ ↓ ↓ ↓ ↓、
http://okigunnji.com/url/108/
※↑は5パーセント割引専用URL。利用者多数
---------------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権は
メールマガジン「軍事情報」発行人に帰
属します。
Copyright(c) 2000-2021 Gunjijouhou.All rights reserved