配信日時 2021/11/29 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(151)】作戦名は「防衛力強化加速化パッケージ」!

おはようございます、エンリケです。

今週もどうぞよろしくお願いします!

151回目の美佐日記。

意識的か無意識かしりませんが、

陸海空軍の分断を図ろうとする
部外者による風潮や煽り、たわごと、、、、

目立ちますよね。

苦々しい思いに共感します。


エンリケ


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ではさっそく、
本日の「美佐日記」をお楽しみください。


エンリケ

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桜林美佐の「美佐日記」(151)

作戦名は「防衛力強化加速化パッケージ」!


桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年12月(な
んと!)の今回は151回目となります。

 前回は記念すべき150回目ということで、エン
リケさんはじめ皆様から御祝いのお言葉頂戴し、感
激しました。このような身辺雑記を掲載して頂き、
そして読んで頂き本当にありがとうございます!

 さて、この時期、令和3年度の補正予算案が出て
きましたね。その中で防衛費は過去最大の約770
0億円に上るとのこと。

 内訳の細部は承知していませんが、報じられてい
る限りでは、今回はこれまでにない試みもあるとい
うことで、その意味で画期的な補正予算になるかも
しれません。

 まず目を引いたのは、なんとこの防衛補正予算案
には「作戦名」!?が付いているのです。その名も
「防衛力強化加速化パッケージ」。

 いいじゃないですか。こういうの私は好きです。
これまで補正予算にこのように何らかのネーミング
をしていたのかどうか寡聞にして存じませんが、こ
ういう合言葉は大事だと思います。

 今年4月の日米首脳会談後の共同声明で、菅総理
は「防衛力強化への決意」を表明しています。

 この瞬間から防衛力強化は「約束」になったわけ
ですから、防衛費の増額は既定路線と言っていいで
しょう。なので、今なお「増やせ、減らせ」という
議論が起きていること自体がもはや意味がないよう
に私は思います。

 この「防衛力強化」の実現は、来年に決定される
「防衛大綱」、それに伴う「中期防」に託されるの
ですが、その前に早くも「加速化」することは朗報
です。

 そして掲げたキーワードだけでなく、内容的にも
進化があるようです。

 今年度の補正予算案と来年度当初予算案は、1つ
のパッケージになっていて、年度予算に計上する予
定だった経費を前倒しして組み込んだといいます。

 また、多くの装備品は分割払いで購入しています
が、補正予算での契約も含めた過去の支払いが各年
度予算に計上されているという問題があったことか
ら、その支払い分も今回の補正には計上するようで
す。

 防衛予算を増やすことが今の日本に必要であるこ
とは言うまでもありませんが、硬直化した制度や構
造を柔軟にしていくことも同時にあって然るべきで、
これまではあまりその点は注目されてきませんで
した。

 これからそのあたりにもどんどんメスが入ること
に期待を高めています。

 ところで、予算関係の話とともに、よく出てくる
ものがあります。

オバケ?のように、いつもどこからともなく現れる
のが「人件費の削減が必要」論です。

 海空自衛隊に対して陸自の人員が多い、というよ
く出てくる話ですが、私はこれを発見すると非常に
不愉快です。

 今や統合運用の時代であり、陸だ海だと言ってい
る場合ではない時代になっているのではないでしょ
うか。

 まして、宇宙やサイバーといった新領域に配置す
る人材も必要とあって、全体的な人員増が求められ
ているはずです。

 統合運用をより進化させる検討の中で、陸海空自
衛隊が互いに出した結論としてそれぞれの割合を変
更するとか、人の流動を試みるのならば分かります
が、全く門外漢の部外者が「全ての人員が必要なわ
けではない」とか言うのはちょっと僭越というもの
ではないかと、感じます。

 最も気になるのは、陸自 VS 海空自という構図を
作り出して、せっかく3自衛隊が日本の国防に向け
て力を合わせていこうという流れを分断させてしま
うのではないかということです。

 以前から私はこの分断工作を懸念していました。

 陸海空が協力するのが嫌な勢力がいるのかもしれ
ません。

 最近は、防衛費の増額については賛同する人が増
えていますが、いかにも良さそうなオピニオンの中
にこうした分断に誘うような怪しい?見解が入り込
んでいる場合があるので要注意です。

 繰り返しになりますが、今は陸海空自衛隊の統合
で強靭な防衛力を整備していこうとしています。

それに水を差すようなことを言うのは、日本を弱く
するためなのか?と、疑ってしまうのです。

今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した!皆様にとって素晴らしい1週間となりますよ
うに!


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いる「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂きます。
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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