こんばんは、エンリケです。
きょうから「自衛隊とその他のUAV」です。
無人機技術は重要ですね。
さっそくどうぞ
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (348)』
自衛隊とその他のUAV(1)
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こんばんは。渡邉陽子です。
緊急事態宣言が解除されてから、「ご飯食べよう」「ご飯食べない?」
というやりとりがいきなり増えました。私も家族も友人たちも、人
と一緒に外食することにどれほど飢えていたのかわかります。
同じ食事でも、味が違いますね。
ところで、先週まで連載していた中央輸送隊ですが、つい先日、輸
送科職種に関連する興味深い記事を目にしました。それは今年9月
から陸上自衛隊が実施した陸上自衛隊演習、通称「陸演」において、
海自の輸送艦「しもきた」に陸自輸送科の隊員が乗り込んでいたと
いうものです。輸送されるためにではなく、輸送業務そのものを学
ぶためです。
兵站のプロ集団である輸送科の隊員たちは現在、海上輸送を本格的
に学んでいます。というのも、南西諸島方面での不測の事態に備え、
陸自が輸送艦を所有することはすでに決まっており、艦艇の運用に
ついて海自が協力、教育も担当しているからです。そのため、過去
にはなかったこのような光景が、今回の陸演で見られたというわけ
です。陸海空自衛隊は制服のみならず文化も習慣も思考も異なりま
すが、これからの日本の防衛には、陸海空の線引きや境界が薄くな
っていく気がします。
雑誌記事のお知らせです。
「丸」12月号に「北の機動戦闘車1 第3普通科連隊MCV入魂式ル
ポ」と「世界の軍備」コーナーで「東京オリンピック2020&1964支
援」が掲載されました。
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「正論」12月号「われらの女性自衛官」、今回は陸上自衛隊の1佐
です。見出しが「陸上自衛官史上初、高卒2士から1佐へ」。私か
ら「ぜひ彼女を」とお願いし、登場していただきました。
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『PANZER』10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」最終回が掲載されました。被災地への6度の視察を終え
てから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
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■自衛隊とその他のUAV(1)
今回から無人航空機、通称UAVについての連載です。月刊『丸』で
掲載した複数の記事をまとめ、加筆修正してお送りします。
UAVはその重要性から「勉強しなければ」という背中を突つかれる
思いでこれまで必死に学んでいたのですが、その思いをかきたてる
きっかけとなった出来事がありました。
ひとつは、2021年2月の北海道取材でご一緒したカメラマンのひと
りがドローンによる撮影もする方で、その映像力を現場で目の当た
りにして圧倒されたことです。もともと動画は拝見していましたが、
取材現場での映像は、自分もその現場にいるせいもあって「こんな
映像が撮れるのか」という驚きと感動がありました。
「どこまで戦車が来ているか」「どこまで赤部隊が迫っているか」
といった、これまで隊員がリスクを負って確認しなければならなか
ったことを、ドローンは上空からさらっと教えてくれます。もちろ
ん撃墜されるリスクはありますし(ちなみに、取材者のドローンの
一機は火砲ではなくカラスにバードストライクされました)、天候
によっては飛ばせないというハンデもあります。しかしそれらのネ
ガティブ要素をもっても、ドローンの強み、魅力はものすごいもの
がありました。
もうひとつは、そのときの取材が第2師団第3普通科連隊を基幹と
する戦闘団の訓練検閲だったのですが(近日中にこちらの記事もこ
のメルマガでご紹介したいと思っています)、部隊もUAVを扱って
偵察しているシーンを目の当たりにし、さらに第3普通科連隊隊へ
のインタビューで「UAVが戦闘を変える」という認識を新たにした
ことです。
約四半世紀前の『ニューズウィーク日本版』で近未来の戦争のイラ
スト見たとき、「なんかガンダムの世界だな」と絵空事のように思
っていたのがずっと頭に残っていましたが、「ついに時代が追いつ
いた」と脳内が興奮しました。
さて、まずは自衛隊無人機事情からご紹介します。
南西諸島に代表されるわが国を取り巻く厳しい安全保障環境に加え
、今後ますます深刻化する少子高齢化への対処として、防衛省は中
期防衛力整備計画(令和元年度~令和5年度)において「防衛装備
品の無人化、省人化の取組を積極的に進める」としました。
具体的には、情報処理や部隊運用などにかかる判断をはじめとする
各分野への人工知能(AI)の導入、無人航空機(UAV:Unman
ned Aerial Vehicle)の整備、無人水上航走体(USV:Unmanned
Surface Vehicle)及び無人水中航走体(UUV:Unmanned Under
water Vehicle)の研究開発などです。
無人のアセットによる任務の効率化は、限られた条件の中で厳しさ
を増す安全保障環境に対応するためには必須といえます。乗員の生
命を守るための配慮が不要ゆえ、安価に製造できるメリットも大き
いでしょう。
現在、世界の主要国は有人機と協調行動を行なう高度に自律化され
た無人航空機の開発を進めています。
自律型無人機は危険な状況下での情報収集・偵察・監視や戦闘など
の任務を担当するほか、戦況から各機が採るべき戦術を策定して有
人機のパイロットなどに提案し、人間による処理の負担を軽減する
といった先進的な機能や能力が想定されています。
人命リスクがなく機体も低コストの無人機を活用することで、任務
をより低リスクで行なうことが可能となります。
その一方で、防衛省が研究開発を進めている無人機はいずれも丸腰
であり、万一攻撃を受けた場合の脆弱さは否めません。
そのため、多数の無人機を瞬時に無力化できる高出力マイクロ波や
無人機、迫撃砲弾といった脅威に、低コストかつ低リアクションタ
イムで対処しうる技術の導入に向けた調査や研究開発も並行して進
めていく必要があります。
次週から、自衛隊における無人機事情を具体的にご紹介します。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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