おはようございます、エンリケです。
今週もどうぞよろしくお願いします!
148回目の美佐日記。
甘利さんは実に残念でした・・・
国策である防衛関連の経済安保が着実に
進むよう願うばかりです。
桜林さんの不朽の傑作
『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
潮書房光人新社から
『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
という名で出ました!
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ではさっそく、
本日の「美佐日記」をお楽しみください。
エンリケ
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(148)
お腹がいっぱいにならない!
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年11月の今
回は148回目となります。
東京に来てから、ランチミーティングをすることが
多くなりました。ただ、強く感じていることがあり
ます。それは・・・、
「お腹がいっぱいにならない!」
ということ。
これは、東京は多様性の街であり、その本質は追求
し尽せない、そんなようなことの比喩かと思われる
かもしれませんが、そうした詩的な表現でも何でも
ありません。
足りないんです、食べ物の量が!
なので、外で昼食を頂いた場合、帰りにパンを買っ
たりポテチを一袋たいらげるなどしているのですが、
これは私だけなのでしょうか? そして、これは
一体どういう現象なのでしょうか?
考えられる理由は、
1.食べ盛りの再来
2.運動量が増え、エネルギー不足
3.東京人は少食
などがありますが、一つの仮説に辿り着きました。
「やっぱり東京は量が少ないんじゃないか!」と
(仮説でも何でもないですが)。
もしかしたらコロナの影響を受けた飲食店が、値
上げは避けて食べ物の量をさりげなく減らしている
のかもしれませんし、私自身が車中心の生活からと
にかく嫌でも駅などで歩かなくてはならないように
なったのでお腹が空いているのかもしれません。は
たまた、地方の飲食店の量に慣れたからなのかなど、
色々と可能性はあるものの、やはりそもそも東京
はちょっとしか出さないのだと思います。
考えてみれば、かつて東京にいた頃は、自然に受
け入れていたのでしょうね、ちょっとおしゃれな店
の少量で高額なランチを(といってもほとんど自ら
は行くことはなかったですが)。
そういえば、江戸には昔から独特の文化があって、
蕎麦はつゆにほとんど付けないとか、味噌汁の具は
あれこれ入れず一つだけとか、極めてシンプルにす
るのが「粋」と言われていたことが思い出されます。
足りない中で生きる、そんな「やせ我慢」の美学
が、今でも東京に残っているのかもしれません。
さて、このような日々の中、先日は防衛法学会で
お話させて頂きました。といっても、私自身が他の
先生たちの講話に勉強させてもらったと言った方が
いいようなひと時でした。
同学会にはもう10年以上前でしたか、聴講させ
て頂いたことがありましたが、その時から変わらず、
陸海空の法務関係の自衛官や防衛省内局の方々が休
日の時間を割いて学び、研究を深めている様子があ
り、改めて敬服した次第です。
もっとさかのぼれば、私が幼少のみぎりから多く
の関係者の皆さんが、憲法の制約の中でいかに自衛
隊が国のために活動できるか、またそのためにいか
に法を解釈すればいいか、さらにどのような新たな
法整備が必要なのかと悩んでこられたのです。すご
いことだと思います。
でも、相変らず手持ちの法制度の範囲内で最大限
の運用を追求せざるを得ないことの方が多いのです。
ついつい私は、蕎麦屋における江戸っ子を思い出し
てしまいました。本当はもっとつゆを付けたいのに、
もっと噛んで味わいたいのに、しかも全然満足でき
る量じゃないのに、表情も変えずに頑張っている姿・・・。
奇しくも、その直後に衆議院議員選挙がありました。
「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法
機関である」と憲法で規定されているわけですから、
自衛隊の法務関係の皆さんの悩みを減らすためには、
国会議員の先生たちの働きが重大です。
本来、当選することそのものは目的ではありません。
勝利の美酒もつかの間、早速、大いに奮闘してもら
わなくてはなりません。
今回、自民党は安定多数を獲得しましたが、経済安
全保障政策を主導していた甘利明氏が小選挙区で落
選し幹事長を辞任したことが、経済安保政策に及ぼ
す影響が懸念されています。
甘利前幹事長は、次期通常国会に提出する予定の
「経済安全保障一括推進法案」の中心人物でした。
同法案には、外為法や非公開特許(秘密特許)、ク
リアランス制度など防衛技術に関係の深いものが多
く含まれていて、大きな期待が寄せられていただけ
に、キーパーソンの離脱は少なからぬ衝撃です。
とはいえ、経済安保と新たな一括法は日本の向かう
べき方向ですので、選挙結果で減速させるようなこ
とにならないよう気運を高めていかなくてはなりま
せん。ぜひお願いしたいものです。
なんだか、ランチが物足りないというしょうもない
話から、自分でも思いがけず真面目な結論に至って
しまいました。とにかく、これまでの何か必ず物足
りない腹八分目みたいな法ではなくて「満腹になれ
る法」を切に求めています。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました!
皆様にとって素晴らしい1週間となりますように!
●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
業」連載中です。
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(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)
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