配信日時 2021/11/04 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (346)】陸上自衛隊 中央輸送隊(2)

こんばんは、エンリケです。

「陸上自衛隊 中央輸送隊」の2回目です。

名刺のはなし、面白いですね。

さっそくどうぞ


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (346)』

 陸上自衛隊 中央輸送隊(2)

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こんばんは。渡邉陽子です。
緊急事態宣言が明けてから、外出する機会が増えました。1年10か
月ぶりに戻ってきた仕事もあります(もちろんそうでないものもあ
りますが)。でもまだ、満席のコンサートホールに行く気には、今
ひとつなれません。能楽堂も行きたいのですがものすごい閉塞感が
あって、どれほど感染対策が施されていても、心理的にまだ足を運
べません。道のりはまだ長いなあと感じる日々です。


雑誌記事のお知らせです。

「丸」12月号に「北の機動戦闘車1 第3普通科連隊MCV入魂式ル
ポ」と「世界の軍備」コーナーで「東京オリンピック2020&1964支
援」が掲載されました。
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「正論」12月号「われらの女性自衛官」、今回は陸上自衛隊の1佐
です。見出しが「陸上自衛官史上初、高卒2士から1佐へ」。私か
ら「ぜひ彼女を」とお願いし、登場していただきました。
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『PANZER』10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」最終回が掲載されました。被災地への6度の視察を終え
てから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
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■陸上自衛隊 中央輸送隊(2)

中央輸送隊の業務内容の続きです。
先週は「国内における2方面区にわたる災害派遣、演習、補給など
にかかる輸送」をご紹介しましたが、当然ながら業務はそれだけで
はありません。

ふたつめに、自衛隊の国外における平和協力活動、各種演習などに
かかる輸送があります。フィールドが国内だけでなく国外にもおよ
ぶのは、方面輸送隊との最大の違いです。

海外輸送には、国際貢献等海外派遣に伴う輸送業務と国外訓練輸送
が挙げられます。これら国外輸送の場合、日本の港湾から目的地ま
での移動中に装備品の管理や積載状況の点検を行なうため、宰領者
と呼ばれる中央輸送隊の隊員が輸送品に同行します。このような目
的で海外を往復している自衛官がいることは、自衛隊の中でもあま
り知られていません。ちょっとしたトリビアです。

国際貢献については1992年のカンボジア派遣における支援に始
まり、さまざまな国への輸送支援に関わってきました。近年でいえ
ば、海賊対処行動航空隊の帰国に伴う輸送業務(ジブチから日本へ
航空輸送するため部隊装備品などの検数と業務通関)や海賊対処行
動航空隊の出国に伴う輸送業務(鹿児島空港からジブチや航空輸送
する装備品などの業務通関、隊員の出国審査・保安検査・旅具通関
支援、隊員・見送り家族などの誘導)などを実施しています。この
( )の中に書いた業務がなんと多岐にわたることか……
通関士のごとく煩雑な通関業務を行なう能力があることも、中央輸
送隊ならではの特色といえるでしょう。

さらに、人員や装備品を輸送する船舶や航空機などの手配を行なう
のも中央輸送隊の仕事です。
民間企業との共同作業も多いため、陸曹でも名刺を所有しているの
は、これまた中央輸送隊のちょっとしたトリビアです。所属先によ
っては1佐でも名刺を持たないのが珍しくないのが自衛隊ですから。
ほか、日本が米国から物品を調達するFMSと呼ばれる有償援助調
達品の引き取り・発送を行ない、陸海空の各自衛隊が調達する物品
の輸入・通関業務および部隊等への発送業務などの業務も実施して
います。

それでは、中央輸送隊が行なった国外訓練輸送のひとつを例に、そ
の流れを見てみます。
約3か月間、米国で行なわれた師団クラスの諸職種協同訓練におい
て、中央輸送隊は輸送量約200品目(ヘリ、車両、戦車、コンテナ
など)の輸送業務を担当しました。
訓練に参加する隊員たちは航空機でひとっ飛びですが、これら装備
品は民間の貨物船で仙台港から運ばれ、中央輸送隊からは宰領者4
名が同行しました。
そして現地での訓練を終え、今度は仙台港で装備品の積み下ろし作
業が行なわれます。港では中央輸送隊から派遣された6名が、これ
らの受け取りに関わります。

積み下ろし前日。
まずは仙台塩釜税関支所にて、統括審査官に膨大な通関書類(厚さ
7~8センチはある束)を提出。翌日の午後に車体番号などを確認
する現地検査をすることが決まると、次は輸入手続きが終わってい
ない荷を一時的に日本の土地に置かせてもらう他所蔵置申請を行な
います。
税関での仕事が終わると、続いて荷役調整会議です。



(つづく)



(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


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