配信日時 2021/10/28 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (345)】陸上自衛隊 中央輸送隊(1)

こんばんは、エンリケです。

きょうから
「陸上自衛隊 中央輸送隊」です。

輸送は戦略です。
ふつうは目が行かない地味な部署ですが、
戦略そのものです。

これを機会にぜひ関心を持ってください。

さっそくどうぞ


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (345)』

 陸上自衛隊 中央輸送隊(1)

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こんばんは。渡邉陽子です。
先日北海道に取材に行っていたのですが、宿泊先の宿のご主人は陸
自OB。埃で汚れきった半長靴をなんと磨いてくださいました。し
かも2日連続。「そんなことさせられない」と恐縮しても、「懐か
しくて磨きたくなっちゃうんだよ。磨かせて」と言い、明朝の玄関
にはピッカピカの半長靴が鎮座しているのです。演習場の埃であっ
という間に汚れてしまうのに、「最初にピカピカなことが大事なん
だよ。その後はいくら汚れたっていいんだ」。実は前回宿泊した際
も、こうして磨いてくださいました。間違いなくあの朝、あの演習
場でもっともピカピカな半長靴をはいていたのは私です。

U様
ご無沙汰しています。今回は取材ではなく、記者研修で社屋を訪問
した際の情報等から作稿しました。その節は大変お世話になりまし
た。気にかけてくださってありがとうございます。そういえば「丸」
10月号に掲載されたレンジャー記事、指導教官は26iでしたよ!


雑誌記事のお知らせです。

「丸」12月号に「北の機動戦闘車1 第3普通科連隊MCV入魂式ル
ポ」と「世界の軍備」コーナーで「東京オリンピック2020&1964支
援」が掲載されました。
https://amzn.to/3vFdKVs

「正論」12月号「われらの女性自衛官」、今回は陸上自衛隊の1佐
です。見出しが「陸上自衛官史上初、高卒2士から1佐へ」。私か
ら「ぜひ彼女を」とお願いし、登場していただきました。
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『PANZER』10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」最終回が掲載されました。被災地への6度の視察を終え
てから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
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■陸上自衛隊 中央輸送隊(1)

今週から自衛隊唯一の輸送専門集団である陸上自衛隊中央輸送隊に
ついてご紹介します。
陸上自衛隊の輸送科は、大型車両で部隊、戦車、重火器、各種補給
品を輸送するとともに、輸送の統制、ターミナル業務、道路交通規
制などを行なう職種です。
2018年3月に大規模改編が行なわれ、現在のおもな輸送科部隊
は各方面隊の方面輸送隊、師・旅団の後方支援連隊隷下の輸送隊、
そして防衛大臣直轄の中央輸送隊となっています。
中央輸送隊は輸送科のいわば総本山です。

輸送科の仕事は「A地点からB地点まで大型車両で人や装備品を輸送
する」とシンプルに思われがちですが、輸送科職種の隊員すべてが
自ら大型車両を運転しているわけではありません。
自衛官にもあまり把握されていない、しかし輸送科にしかできない
重要な輸送業務も担っています。そこで中央輸送隊の紹介を通して、
それらの任務に触れたいと思います。

横浜駐屯地に所在する中央輸送隊は陸海空自衛隊で唯一、総合輸送
統制を任務としている部隊です。
1983年に中央輸送業務隊として発足。2018年に名称も含め改編され、
現在の組織は隊本部、輸送処理隊、第1~第5国際輸送支援隊など
からなります。
複数の輸送業務を常に並行して、そして非常に広い範囲にわたって
行なうこと、動く規模が小さく、陸曹でも1~2名で「行ってこい」
と出され、現場では責任者として仕事をすることが求められる点な
どが特色です。責任重大ですね。

中央輸送隊のおもな任務としては、まず国内における2方面区にわ
たる災害派遣、演習、補給などにかかる輸送が挙げられます。
所在地と同じ、あるいは隣接する方面区へ移動する場合は、各方面
隊にある輸送隊が輸送業務を担当します。たとえば東部方面隊から
東北方面隊、あるいは中部方面隊のエリア内への移動ならば、方面
隊の輸送隊の担当です。
しかし、たとえば東部方面隊以西の部隊が北海道の演習場を使って
訓練を行なう場合などは、人も装備品も2方面区以上の長距離を移
動することになるので、輸送支援は中央輸送隊の担当となります。
具体的には船舶や航空機などの手配のほか、移動先では待機位置
(駐車場・待合室など)に誘導したり、部隊が行なう搭乗手続きの
補助を実施したりします。これかだけでも「へえー! そうなんだ!」
という感じがしますよね。

隊員や装備品の輸送には民間の船会社や航空会社も利用するので、
輸送するものに対してどのようなタイプの船舶(あるいは航空機)
を選ぶのが最適かといった情報量の豊富さや的確さも、中央輸送隊
ならでは。
このように、輸送業務といっても隊員たちがトラックを運転して人
や装備品を運ぶわけではなく、輸送に関わる手配や諸手続きなどを
一括して担当するのが仕事なのです。

ところで、先日北海道へ取材に行っていたのですが、取材を終えて
帰る日の朝、タイミングよく陸演で九州の日出生台演習場に行って
いた第2戦車連隊の戦車が苫小牧に到着、民間フェリー「はくおう」
から下船するシーンを見ることができました。こういう場面にもか
ならず中央輸送隊が関わっています。



(つづく)

(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


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