配信日時 2021/10/25 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(146)】昔は家にあったものはみな小さかった……。昭和は遠くなりにけり

おはようございます、エンリケです。

今週もどうぞよろしくお願いします!

146回目の美佐日記。

拝読して、私には日常品に対し
「小さいほうが高級」
「小さいほうがいい」
「大きいものってバカみたい」
「大きいものは質が低い」
「同じものなら小さいほうがいい」
という見方(偏見?w)があることに気づきました。

ラジオも小さいのが好きだし、
PCもノートがいいです。
車も軽が好きですねw


桜林さんの不朽の傑作
『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
潮書房光人新社から
『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
という名で出ました!

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ではさっそく、
本日の「美佐日記」をお楽しみください。


エンリケ

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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(146)

昔は家にあったものはみな小さかった……。昭和は
遠くなりにけり


桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年10月の今
回は146回目となります。

 新しい住まいへの引っ越しの日、最も衝撃を受け
たのは、家電を持って来た電気屋さんのひと言でし
た。

 「えっと・・・洗濯機が入らないんですが・・・」

 「ええっ!そんなこと言わないでなんとかして下
さいっ!」

 「でも、洗濯機を入れたら人が洗面所に入れませ
んが・・」

 「・・・(絶句)・・・」

 といったやりとりを見て引っ越し屋さんが聞いて
「お手伝いできることがあれば言って下さい」と同
情してくれましたが、洗濯機をむりやり入れても人
が入れないんじゃどうしょうもない、ということで、
泣く泣く返品。

 前の住宅では家電類を借りて使っていたので、引
っ越し前に買いに行ったのですが、あれにしようか
これにしようかと悩んだ時間は全く意味がなかった
のでした。

ところで、こうした洗濯機などの家電が今、全般的
に品薄になっているのをご存じでしょうか。

 そう、コロナによる半導体不足の影響で製造が滞
っているのだそうです。そのため、欠品が目立ちま
す。

 うちの場合は半導体が入らないんじゃなくて、洗
濯機が入らなかったのですが・・。

 因みに、冷蔵庫も台所には入りませんでしたが、
発想を転換し、居間に鎮座ましましております。

 そんなこんなで思い出したのは、そういえば、昔
は家にあったものってみんな小さかったのではない
かという記憶です。
 
最近は、よそのお宅に行くとビッグサイズのテレビ
があったりして「映画館か!」と驚かされたりしま
すが、昔はあんな大きいの持っている人いませんで
したよね?

 ブラウン管のテレビだった頃は、映りが悪かった
りするとバンバン叩いたりしてたものでした。そん
な時代が懐かしい。

とにかく小さい物を使うことが前提だったので、古
いアパートやマンションには当然、その頃のサイズ
しか入らないということなのです。

 ブラウン管テレビといえば、実はちょうど、私た
ちが埼玉を去るのと同じタイミングで、大きなニュ
ース(私にとっては)が飛び込んできました。

 それは、東芝深谷工場の閉鎖です。

 埼玉県・深谷市にある東芝深谷工場は、1965
年に日本初のカラーテレビ専門工場として操業を開
始し、テレビ生産で東洋一の規模と言われた拠点で
した。

テレビは日本の高度経済成長期における「新三種の
神器」の一つ。まさに日本の戦後復興と経済成長の
立役者だったわけです。

 この敷地は東京ドーム6個分もあり、ブラウン管
そして液晶テレビという、まさに日本のテレビの(
ハードとしての)歴史を作ってきました。

 ブラウン管時代は、テレビの中を覗き込んで職人
さんが不具合を修理したりしましたが、今やそのよ
うなスキルを必要としません。人の役割も変わって
きました。

 同時に、液晶テレビの時代に入ると、韓国メーカ
ーなどの台頭で、国内テレビ生産は低迷。製造拠点
の多くが縮小されたのです。

 東芝深谷工場も9年前にテレビ事業から撤退。近
年は航空機用のブラウン管生産のみの操業だったよ
うです。

 この航空機用ブラウン管製造も今年2021年3
月に終了し、事業所の閉鎖が決まりました。

 実は、私はこの東芝深谷工場にはちょっとした思
い出があります。埼玉県内でテレビリポーターをし
ていた頃、ここを訪問していたのです。

 と言うと、いかにも製造業の取材か、と思われそ
うですが全く違います。

 なんと、深谷工場名物「そうなん音頭」を踊りに
行ったのです!

 「そうなん」というのは、埼玉(北部)では「そ
うなの?」という意味で馴染み深い言葉です(改め
て説明いらない?)。

 私自身、埼玉で仕事をしていた時は、周囲の人に
県北の人が多く、とにかく「そうなん?」を頻繁に
聞いていました。

 英語ですと「really?」みたいなかんじで
す(だから説明しなくていいって)。

 その「そうなん」が音頭になって、深谷工場の夏
祭りで毎年、繰り広げられていたのです。往時には
7000人もの従業員がいた深谷工場のお祭りは地
域の大きなイベントでした。

 そんな賑わいも今は昔。9月30日の工場閉鎖の
日は、その作業にあたるための数人だけで終礼を行
い、午後4時半に正門の表札を下したそうです。

 東洋一を誇り、「そうなん」音頭と共に歩んだテ
レビ生産拠点、その半世紀余りの歴史が静かに幕を
閉じたのです。あゝ、昭和は遠くなりにけり。それ
にしても日本の製造業はどうなっていくのでしょう
か。

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました!
皆様にとって素晴らしい1週間となりますように!


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業」連載中です。
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いる「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂きます。
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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