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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
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こんにちは。エンリケです。
加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。
今回は、
分隊支援火器といえばこれ!
ミニミ/M249です。
『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
2020/7/10 発行
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※大好評発売中
武器オンチの日本人には
特におススメです。
今日の冒頭文はとくに必読です。
アクセルとブレーキを同時に踏むバイデン政権。
とのお言葉は正鵠を射ていると思います。
今のままだとわが国は危険です。
名実ともの外国頼みは亡国を招きます。
盟邦としてなすべきことはきちんとやりながら、
日本を取り戻す取り組みを、隙を見せずにやり抜く
ことが不可欠です。
甘い考え、楽な感覚で生きられる時代は終わってい
ます。
本文の原潜も実に興味深いです。
さっそくどうぞ
エンリケ
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加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編 Takashi Kato
オーカス(AUKUS)-1
加藤喬(元米陸軍大尉)
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□この男で本当に大丈夫か?──国境警備隊に関す
る誤ったイメージを拡散
1980年代末、テキサス州国境の町デル・リオに住
んでいました。勤務していた日米合弁会社の工場が
リオ・グランデ川を渡ったメキシコのアクーニャ市
にあり、見習い連絡員として両地を行き来する研修
生活を送っていたのです。
当時デル・リオの人口約3万人。いまもさほど増
えていないでしょう。繁華街はうち捨てられたよう
な体裁で活気が失せていました。近隣で都会と呼べ
るのは「アラモの戦い」で有名なサンアントニオ市
でしたが、250キロの彼方。米社会の路傍に忘れ
去られたかつての開拓地・・・それがわたしの記憶
にあるデル・リオだったのです。
9月17日、そのデル・リオが全米に知れ渡りました。
1万5千人ものハイチ難民がメキシコからリオグラ
ンデ川を渡って不法越境してきたからです。遠い昔
に数か月住んだだけの町とは言え、やはり気遣う気
持ちになりました。
以前の中南米移民キャラバン同様、今回の難民も
バイデン大統領が宣言した「開かれた国境政策」に
一縷の望みを託してやってきた人々です。公正を期
するために言うと、政情不安と極貧生活から逃れて
やってきたハイチ人らに咎(とが)はありません。
「アメリカに密入国しさえすれば、無償医療をはじ
めとする様々な厚生サービスを受けることができる」
と信じる難民にしてみれば、アメリカは安全な避難
場所、いや、聖域だからです。立場が入れ替われば、
私だって来たくなります。
しかしデル・リオに住む人々から見れば、ハイチ
難民は白昼堂々法を犯し自分たちのコミュニティー
になだれ込む犯罪者。しかもその数、同町人口の半
分近くにあたるのですから「難民に町が占拠される」
と危機感を抱いても不思議はありません。
この悪夢のシナリオを食い止めたのが国境警備隊
(USBP)。国土安全保障省の法執行機関です。車
両では機敏に移動できないリオグランデ河畔を馬に
乗ってパトロールし、不法越境を試みる難民らを押
しとどめたのです。
ニュースでデル・リオ市民らの声を聴きましたが、
ボーダーパトロール隊員への真摯な感謝が溢れてい
ました。ちなみに、今わたしが住んでいるアリゾナ
州の田舎町も国境沿いにあります。テキサスほどで
はないにせよ不法越境者は絶えず、追跡する国境警
備隊のヘリや車両を頻繁に目にします。近隣住人や
知人にはボーダーパトロール隊員がおり、わたしも
会うたびに、デル・リオ市民と同じように謝意を伝
えています。
ところが、「馬に乗った国境警備隊がムチを使っ
て難民を追い回している」とリベラル・メディアが
一報するや、バイデン大統領は自らの失策で国境危
機を招いた事実はきれいに忘れ、
「国境警備隊員の行為は残虐だ。彼らには償いを受
けさせる」
と身勝手な批判を展開。ホワイトハウスのサキ報道
官は、
「国境警備隊の行為を適切だと考える人はいないと
思う」
と同調してみせました。また、BLM(黒人の命も
大切だ)に近い与党民主党議員の中には、
「国境警備隊は黒人にムチをふるうカウボーイを思
わせる。奴隷制度の再現だ」
と発言する者らが出る始末。
後日、ボーダーパトロール隊員が難民コントロー
ルに使ったのは「ムチ」ではなく、馬を操(あやつ)
るための「手綱」だったことが明らかになりました。
担当記者が乗馬に無知だったか「警察憎し」の勇み
足だったかは分かりませんが、いずれにせよ、国境
警備隊に関する誤ったイメージを拡散させたことへ
の弁明は、ホワイトハウスからもバイデン氏の身内
であるこれら民主党議員からも出ていないようです。
それにしても「警官が法を執行すること」を「奴
隷制度」や「白人優越主義」に直結させる暴論には
呆れます。キャンセルカルチャーやCRT(批判的人種
論)に扇動された「支離滅裂の世相」と言ってしま
えばそれまでですが、大統領の「職務を果たす警察
官を悪玉にしたて処罰する」態度は、国境危機の責
任を警官らに転嫁するものです。「警察対少数派」
という分断を深めるものでもあり極めて有害です。
バイデン氏が豪英米新軍事同盟オーカス締結を電
撃発表したのはつい先日。対中包囲網貫徹の決意が
本物であると分かり安堵していました。が、対中強
硬路線とは裏腹に、バイデン大統領は「白人対少数
派」という対立軸に沿った米国と米軍の分断に腐心
しています。
米市民をワクチン接種者と非接種者に分け、後者
を「懲らしめる」政策も同様です。国境という国家
の箍(たが)を無視した移民受け入れも、アメリカ
を内側から蝕む謀計(ぼうけい)だと言えます。
「外敵に備えつつ米弱体化に心血を注ぐ」矛盾と分
裂に、「この男で本当に大丈夫か?」との憂いがい
や増します。
ブレーキを踏みながらアクセル全開を続けるバイデ
ン大統領を相手に、岸田新総理には国防と外交分野
で日本の国益を守り抜く抜け目ない政治センスが求
められています。
▼オーカス(AUKUS)-1
兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。「加藤大尉の軍隊式英会
話:兵器編」では、それぞれの武器が持つ抑止力に
着目。兵器と平和の関係を考えていくことにします。
豪英米新軍事同盟オーカス(AUKUS)の締結
以来、米英がオーストラリアと共同開発する原子力
潜水艦に日本でも注目が集まっています。通常型潜
水艦と原潜の違いは何なのでしょうか?
通常型は別名ディーゼル電気推進潜水艦とも呼ばれ
ます。水上航行時にはディーゼル・エンジンで発電
機を回し、その電力でモーターとモーターに直結し
たスクリューを回転させます。潜航時はディーゼル・
エンジン稼働に必要な空気が得られないので、蓄電
池の電力でモーターとスクリューを動かす形式です。
海自のそうりゅう型潜水艦は1番艦から10番艦まで
スターリング・エンジンと呼ばれる非大気依存推進
方式を採用しており、それまでの通常型艦より連続
潜航能力が優れています。それでも、3週間に1度
は海面近くまで浮上し、シュノーケル吸気でディー
ゼル・エンジンを稼働し電池に充電する必要がある
といわれています。
対する原潜は核分裂反応の熱で水を沸騰させ、発生
した水蒸気で発電タービンを回します。核分裂に空
気は必要ありませんから浮上する必要が一切なく、
また、豊富な電力で常時海水を電気分解して酸素を
得たり、脱塩システムで真水を得たりすることがで
きます。食料などの補給を除けば、原潜の航続距離
が事実上無限だとされる所以です。
オーストラリア海軍は広大なインド洋やアジア太平
洋地域を守備範囲としています。したがって、長大
な航続距離を持つ原潜は長期パトロール任務に適し
ています。また吸気のために浮上する必要がない原
潜は、いったん出港して潜ってしまえば、まず発見
されることはありません。この高いステルス性によ
って、原潜は敵に捕捉・攻撃されることを避けるの
です。言い換えれば、本国が先制攻撃を受けた場合
でも、海中に潜む原潜が敵に致命的な報復攻撃をか
けることができるということです。
教材ビデオ:
(13) Australia to get #NuclearSubmarine techn
ology from US & UK ! -YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xWFGfmqIl1A&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=202
(本エピソードは8:40から始まります)
基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
AIP(エア・インディペンデント・プロパルジョ
ン:エイ・アイ・ピー)非大気依存推進
Submerge(サブマージ)沈む
Indefinitely(インデフェネットリー)無制限に
シナリオ(カウンターを4:01に合わせてくださ
い)
Typically,an AIP enabled vessel can only remai
n submerged continuously for 2 to 3 weeks.
(通常、AIPを使用する艦が連続して潜航できる
のは2,3週間に過ぎない)
Nuclear-powered boats are generally faster and
capable of staying submerged indefinitely onl
y limited by food and other supply requirement
s.
(一般的に言って、原子力潜水艦の方が速力が高く
、食料などの補給を除けば無制限に潜航していられ
る)
(今回のエピソードは4:30まで続きます)
英語一言アドバイス:
indefinitelyは「無制限に」「無期限に」「永久
に」という意味の副詞です。形容詞型はindefinite
で「数量や時間が限定されていない」ことを指しま
す。ちなみに「裁判関係のニュースでよく「無期懲
役」という法律用語を耳にします。日本には「終身
刑」という刑罰がなく、有期刑の上限は30年だそう
です。したがって日本の司法制度における無期懲役
を英語にする場合、life sentenceでは誤りです。
indefinite prison termが日本語に近いと思われま
す。
発音サイト:
indefinitelyの発音 indefinitely - Google Search
http://okigunnji.com/url/129/
参考サイト:
非大気依存推進 非大気依存推進 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%A4%A7%E6%B0%97%E4%BE%9D%E5%AD%98%E6%8E%A8%E9%80%B2
そうりゅう型潜水艦 そうりゅう型潜水艦 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9D%E3%81%86%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86%E5%9E%8B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6
(かとう・たかし)
●著者略歴
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン(近刊)』(いずれも並木書房)
がある。
追記
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『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
きょうの記事への感想はこちらから
⇒
https://okigunnji.com/url/7/
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"
と表現します。
『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
加藤 喬
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PS
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最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
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