こんばんは、エンリケです。
「個人用防護装備防護マスク」の二回目です。
火山の危険性を科学的に把握している人は
すごく少ない気がします。
今日の記事を読んで、目が啓かれる人も多いでしょう。
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は終わりました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読み、大会全般の支援に当たった
わが自衛隊に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (343)』
個人用防護装備防護マスク(2)
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こんばんは。渡邉陽子です。
現在発売中の『正論』11月号に掲載されている「われらの女性自
衛官」、今回は横田基地の准曹士先任の小倉准尉です。1任期で辞
めようと思っていたはずが、気がつけば陸曹陸士のトップに。その
前向きな考え方に感銘を受けました。それにしても取材した日は暑
かった……
雑誌記事のお知らせです。
『正論』11月号に掲載されている「われらの女性自衛官」、今回は
横田基地の准曹士先任の小倉准尉です。1任期で辞めようと思って
いたはずが、気がつけば陸曹陸士のトップに。その前向きな考え方
に感銘を受けました。それにしても取材した日は暑かった……
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『丸』10月号に「第2師団集合教育 レンジャー 密着ルポ」が掲載
されます。レンジャー教育の卒業試験ともいえる3夜4日の最終想
定から帰還式までを追いました。これまで夏の北海道には何度も訪
れていますが、ぶっちぎりで最高に暑かったです……
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『PANZER』10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」最終回が掲載されます。被災地への6度の視察を終え
てから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
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■個人用防護装備防護マスク(2)
18式個人用防護装備防護マスク、通称18式は自衛隊にとって6代目
の防護マスクです。
隊員のさらなる防護性・安全性の向上ならびに生理的負担の低減を
実現するため、初めて呼吸追随システムが搭載されました。これは
着用者の呼吸を感知してブロワが回り、息を吸い込むときに吸気の
アシスト機能が付いた画期的な機能です。
また、一眼式のアイピースとなり視界がより広くなりました。
さらに吸収缶を左右に分けて装着する仕様にしたことで長時間の行
動が可能になるなど、最新技術が搭載されています。
中央特殊武器防護隊のSNSによると、昨年4月と9月に大宮駐屯地
にて18式個人用防護装備の戦力化訓練を実施。4月は新型防護装備
を装着して催涙剤環境下での有効性や、小銃、防弾チョッキ等を装
着して武装走を行ない激動時での状態を確認。9月は埼玉の平均気
温が38度を超える酷暑のなか、8月転入者に対する新型防護マスク
の教育ならびに中特防隊員全員で武装走を行なったそうです。これ
らは昨年の情報ですが、今年度ももちろん同じ訓練が行なわれてい
るでしょう。
さて、吸収缶ですが、これは毒性のある気体を吸収する物質を詰め
た缶のことで、防毒マスクは面体とこの吸収缶から構成されていま
す。
吸収缶は有毒性に合わせた缶を選択する必要がありますが、興研だ
と専用タイプがハロゲンガス用、酸性ガス用、有機ガス用、アンモ
ニア用、亜硫酸ガス用、シアン化水素用、硫化水素用、さらに複数
のガスに対応するマルチタイプの吸収缶があります。
なお、国家検定規格ではハロゲンガス用、有機ガス用、一酸化炭素
用、アンモニア用、亜硫酸ガス用の5種類とそれぞれのろ過材を含
めた10種類が、日本工業規格では酸性ガス用、硫化水素用などが規
定されています。
また、粉塵、ヒューム、ミストなどが混在している環境では、その
有毒性に合わせたフィルターが必要となります。
さらに防毒マスクを選択する条件としては、有毒ガスが発生してい
ること、環境中の酸素濃度が常に18%以上であること、ガス濃度と
種類が判明し、かつ低濃度で存在していることが挙げられます。
マスクをかぶる人の命を守るのですから、これほど何種類もの吸収
缶があったりフィルターが用意されたりしているのですね。
御嶽山噴火の際、山頂付近に発生した高濃度のガスのため、救助活
動はたびたび中断を余儀なくされました。
火山ガス事故の要因である亜硫酸ガス、硫化水素、塩化水素は、人
体への許容濃度・致死濃度が低く、きわめて毒性が強い危険なガス
です。しかも噴火によって広範囲に火山灰が降り注ぐという悪条件
も重なります。火山灰は粒子が細かいため、多量に吸い込むと呼吸
器系に影響を及ぼす可能性があります。
このように火山の噴火における救助活動は危険と隣り合わせであり、
だからこそ現場の状況に応じた最適な呼吸器用保護具、つまりマス
クを選択し、正しく使用することが重要となります。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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