配信日時 2021/10/04 08:00

【イラク派遣】周りの大切な人に配ってほしい本

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こんにちは、エンリケです。

伊藤学さん(藤井岳さん)の新刊
『陸曹が見たイラク派遣最前線─熱砂の中の90日』
 伊藤学著(元2等陸曹)
 四六判216ページ+口絵8ページ・定価1500円+税を

3日間限定で著者サインが
手に入るのはきょうまでです
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あとがきに、著者の人柄が見事に顕れています。

著者がどういう人物か。
これほどつかめるあとがきを読んだことありません。

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 あとがき(一部)

 イラク復興支援任務での私の体験をできるだけ正
確に綴った。
  こうして「あとがき」を書いている瞬間も、2
004年夏のサマーワでの出来事が次々に頭に浮か
んでくる。同時にその時、抱いた感情も思い出され、
口元をゆるめたり目を潤ませながら、キーボード
を打ち込んでいる。多くの資料を読み、当時の日記
や記憶を頼りに執筆したが、15年以上も時が経つ
と、記憶の欠落も少なくなく、さらに記憶が薄れて
いく前に執筆の機会を与えていただいたことに感謝
したい。
  こうしたことができるのも、自衛隊をはじめと
する軍事関係の取材、執筆を行なうカメラマン兼ラ
イターになれたからだ。はじめて雑誌記事の執筆を
依頼されたのは、自衛隊を退職してから7年後のこ
とだった。もちろん、その7年間、無為に過ごして
いたわけではない。退職した2008年には海外取
材に出かけたし、自衛隊の訓練や演習の取材もいく
つかこなしていた。
  だが、取材には金がかかる。わずかな退職金も
底をつき、これでは活動していけないと思い、アル
バイトを始めた。しかし、このアルバイトがうまく
いかなかった。仕事の要領がまったく飲み込めなか
ったり、人間関係でトラブルを起こしてすぐ辞めて
別のアルバイトを探すということを繰り返した。1
6歳で自衛隊に入った後は、一般社会での生活に必
要なことはすべて自衛隊がやってくれ、私はひたす
ら職務に邁進するだけでよかった。
  一般社会で生きる知識が何もない状態で「シャ
バ」に出るのは、泳ぎ方も知らずに海に飛び込むよ
うなものだった。退職してから一般社会に馴染めず
、再び自衛隊に戻ってくる仲間の気持ちもよくわか
る。
 
  退職して「仕事」を依頼されるまで7年。さら
に本を出せるまでに6年が経過した。
  遠回りも遠回りである。同業者の中にはもっと
要領よく仕事をしている人もたくさんいる。先を越
されても気にしないといえば嘘になる。でも、私は
こういう道をたどる運命なのだと思っている。これ
からもこのスタイルは変わらないだろうし、変える
つもりもない。東北岩手の人間らしく、地道に自分
のやるべきことを貫いていくつもりだ。

 イラクでの任務を終えてどのくらい経った頃だろ
うか、イラク復興支援任務を終えて帰国した隊員が
自ら命を絶つという出来事が何件か起きているとい
う話を耳にした。正直、ショックというより戸惑い
のほうが大きかった。その後も派遣隊員の自殺は増
えているようだった。
  せっかく無事に帰国できたというのに……なぜ?
  自殺する者の心情は私に知る由もない。派遣任務
以外の要因があるのかもしれない。
  ただ悲しかった。
  私は彼らの名前も顔も知らない。派遣時期も違
う。だが、あのサマーワ宿営地で同じ体験をした
「戦友」だと思っている。今は彼らの冥福を祈るば
かりだ。

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いかがでしょうか?

こんかいご紹介している

伊藤学さん(元2等陸曹)の新刊

『陸曹が見たイラク派遣最前線─熱砂の中の90日』

は、イラク派遣隊員だった著者が描く
「陸自イラク派遣」の実際の姿です。

今にいたるも、わが陸自イラク派遣理解の障害にな
っている「陸自イラク派遣への誤解、偏見、無知」
を解き、いまに至る「わが自衛隊の活動に対する不
当なレッテル、無理解、誤解」をはがしてくれる本
です。


正直言って、活動への理解に資する、というのと
私の思いは少し違います。

そもそも、国家レベルで大事な活動の核心にかかわ
る内容が、一般人の目に触れることなどありえませ
んし、あるようではその国は終わりです。


おうおうにして傍観者は、

「イラク派遣活動」

というあいまいな抽象的な概念、言葉でこの具体的
現実を「理解」しようとします。

それがそもそもの間違いです。

傍観者や部外者が考えなきゃいけないのは、

外地に出向いて何らかの活動をする派遣隊員の不安
な気持ちです。
そして、より不安な思いに包まれる家族の気持ちです。

訓練を積んでいようがいまいが、
未知の事象に取り組む、特に軍事分野でのそれは
戦後日本では、想像もできないほど重く高く深い壁
です。

専門分野で手伝うことなどできるはずもない。
せめて、彼らの気持ちに妥当な形で寄り添える国民
で私はありたい。

と思っています。
だからこの本を何度も読みます。

あなたにもそういう国民になってほしいです。




この本最大の価値は、実際現地に派遣された隊員が書いて
いるところです。

特にわが国では、マスメディア報道を通じて必要な
国民啓蒙が行われないまま派遣され終了しました。




でもこの本を読めば、陸自イラク派遣に対するこれまでとは全く違う視座を得られます。
そして、派遣隊員とその家族への視線が生まれます。その視線は国民として持たなきゃいけない
当たり前の感覚です。

思えばそれに気づかせてくれるだけでも、
この本を読む価値と甲斐があると思います。


著者のご経歴も、価値の一つでしょう。


伊藤 学(いとう・まなぶ)
1979(昭和54)年生まれ。岩手県一関市出身、在住。
岩手県立一関第一高等学校1年次修了後、退学し、
陸上自衛隊生徒として陸上自衛隊少年工科学校
(現、高等工科学校)に入校。卒業後は機甲科職種
へ進み、戦車に関する各種教育を受け、第9戦車大
隊(岩手県・岩手駐屯地)に配属、戦車乗員として
勤務。2004年、第3次イラク復興支援群に参加。イ
ラク・サマーワ宿営地で整備小隊火器車輌整備班員
として勤務。2005年、富士学校機甲科部に転属、砲
術助教として勤務。2008年、陸上自衛隊退職。最終
階級は2等陸曹。現在、航空・軍事分野のカメラマ
ン兼ライターとして活動中。

いかがでしょうか?



自衛隊関係者、軍事・国防に関心ある日本国民はも
ちろん、政治家、研究者、学生たちにも目を通して
ほしい一冊です。

では中身を見てみましょう。

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目 次

まえがき 1

1 極限の先にあるもの 11

勇ましくありたいと思っていた/戦争が始まる……/
イラク派遣を「熱望」

2 いつ「イラク行き」を打ち明けるか 17

火器車輌整備班に配属/各部隊、復興支援業務の訓
練を開始/アイキュー(IQ)/ミニ・サマーワで
総仕上げ/まっすぐ見られなかった父の顔

3 灼熱のイラクへ 27

隊旗授与/出発、それぞれの別れ/「さあ、次はク
ウェートだ」

4 クウェートに到着! 35

タイを経て灼熱の地、中東へ/キャンプ・バージニア

5 戦士たちの宴会 46

人気の5円玉──物々交換で交流/緑系迷彩服着用
は自衛隊だけではなかった/カフェ「グリーン・ビ
ーンズ・コーヒー」/広場に流れるバグパイプの音


6 サマーワにようこそ! 55

炎天下での実弾射撃訓練/C‐130輸送機でイラ
クへ/「サマーワ宿営地にようこそ!」

7 タフな自衛隊装備 64

起床から就寝まで/砂や熱が原因の故障はほとんど
なかった/頼りになる「整備小隊」

8 市民との交流で垣間見えた現実 71

近隣の小学校を訪問/招待された子供しか参加でき
ない

9 イラク人委託業者にびっくり 78

これがトイレ清掃?/ゴミ回収業者の「噂」/日本
語を話せる若者

10 サマーワ宿営地の食事事情 83

毎朝、白米と味噌汁を食べられる/いつでも冷水が
飲めるありがたさ/イラク人の「差し入れ」/厨房
内は室温70度以上─過酷な糧食班勤務/宿営地の嫌
われ者

11 課業後の楽しみ 90

衛星携帯電話で家族に近況報告/入浴後はノンアル
コールビールで乾杯!

12 サマーワの休日 96

全周を土嚢で囲んだ「コンテナハウス」/体力練成
は欠かせない/足繁く通った「メール天幕」/私物
のバリカンで散髪/サマーワ流洗濯法/完全な闇の
中で就寝

13 工具を銃に持ち替え、物資輸送任務 105

緊張感が絶えないQRF要員/時速80キロで疾走す
るコンボイ/無事に「水輸送」を終えて

14 これは訓練ではない 111

コンボイが突然の停車/兵士失格だろうか?/「こ
れは訓練じゃないでしょ」/何も起きなくてよかっ
た……

15 警戒勤務の長い夜 119

昼夜を問わず警戒/宿営地に近づく者

16 闇夜に響いた銃声 124

「戦場へようこそ」/ショックは後からやってくる

17 イラク戦争いまだ終わらず 128

破壊された友好モニュメント/ファルージャの大規
模な掃討作戦

18 宿営地攻撃される 133

これはまぎれもない実戦だ/着弾に気づかなかった/
「2303、弾着」/宿営地攻撃に訓練通りに対処
できた

19 眠れない夜 140

視察官によるサマーワ視察/恐怖は後からやってき
た/「新潟県中越地震」で原隊は災害派遣へ/コン
テナを貫通したロケット弾/11月、撤収始まる

20 気のゆるみから断線事故 146

慈雨か涙雨か/「クレーンが上がったままだぞ!」/
私を慰めてくれたヘリパイロット

21 部隊交代始まる 151

古代メソポタミアの遺跡を見学/4000年以上の
歴史に思いを馳せる/3か月ぶりのキャンプ・バー
ジニア/さよならパーティ、そして母国より援軍来
たる

22 さらば、サマーワ 159

支援群長から記念メダル授与/クウェートで待って
いたのは……/装備を返納し、休養/米精鋭部隊員
とつかの間の交流/バスケットの「国際試合」に熱
狂/クウェート大使公邸レセプション

23 クールダウン始まる 172

クウェート市内で観光、そしてホテルへ/滞在先は
高級ホテル/これは休養?それとも収監?/現金盗
難に遭う/祖国を侵略されるということ

24 短くも長い旅、終わりに近づく 181

帰国の途へ/母国の空/無事に降りられるのだろう
か?

25「ただいま」189

帰還。皆が待つ青森駐屯地へ/「ただいま帰りまし
た!」/3か月ぶりのわが家/アルコール恐るべし

26 派遣前の自分に戻っていく感覚 196

さらば第3次イラク復興支援群/幹部候補生試験の
受験命令に困惑/戦車乗りはつぶしが効かない/迫
られる決断──戦車教導隊か富士学校か

27 新たな道 204

厳しい職務。それでもやるしかなかった/12年の自
衛隊生活にピリオド

あとがき 210
参考文献 214
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いかがでしょうか?

自衛官の実戦体験記には魔力があります。

本著にもあります。

自衛隊関係者、自衛隊ファン、軍事・国防に関心あ
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『陸曹が見たイラク派遣最前線─熱砂の中の90日』

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