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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
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どうぞ
 
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WEB http://wos.cool.coocan.jp

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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
分隊支援火器といえばこれ！
ミニミ/M249です。

『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
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武器オンチの日本人には
特におススメです。

ニュークリアシェアリング。
いよいよ具体的現実味を帯びてきました。

さっそくどうぞ


エンリケ

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加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編　Takashi Kato　　

英国海軍空母打撃群（６）



加藤喬（元米陸軍大尉）

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□ニュークリア・シェアリング──新たな国防体制
への転換

「ここまでやるか」。９月１５日、アメリカ、英国、
オーストラリアが電撃発表した新軍事同盟オーカス
のニュースを聞いてそう思いました。
 
　原子力潜水艦は文字通り核機密の塊。したがって、
その建造技術や運用ノウハウを米英が第三国に供与
したことはありません。核に関わる軍事技術の提供
は、たとえ相手が同盟国であっても、長らく安全保
障上の「禁じ手」だったからです。今回、米英が敢
えてその禁制を取り払い、オーストラリアに原潜艦
隊保有の道を開いたことは何を意味するのか？
 
　日本では、巨額の潜水艦建造契約を反故にされ怒
り心頭に発したフランスや、オーカス是非で割れる
各国の反応、そして中国人民解放軍海軍に対する「
豪海軍原潜」の抑止効果が報じられています。とこ
ろが、肝心かなめであるべき「オーカスが示す日本
安全保障の将来像」に関する論評や記事は見当たり
ません。「対中包囲網を作るつもりはない」、「敵
基地攻撃能力保有は昭和の概念」と発言する菅総理
と河野大臣に忖度した結果なら、それこそ亡国のジ
ャーナリズムでしょう。
 
　閑話休題。米英豪が協力して新型原潜を開発する
にしても、8隻全艦の実戦配備までには時間がかか
ります。就役完了は2040年ごろになるとの見方もあ
り、豪海軍の通常型潜水艦隊が2030年代中ごろ退役
することを考え合わせると、この間インド洋に力の
空白が生まれます。中継ぎの抑止政策として、オー
ストラリア政府は米英から原潜を長期リースする意
向だと言います。現在行なわれているリース交渉が
まとまれば、米英豪は「中国封じ込め」に本気で動
き出すことになります。
 
　オーカスはまたオーストラリアにトマホーク巡航
ミサイルを提供することも約しています。トマホー
クは潜水艦の魚雷発射管から撃ちだせ核弾頭も装備
可能です。現在モリソン豪首相は新型原潜の核武装
を否定していますが、技術的には通常弾頭を核弾頭
にすげ替えるのは造作もないことです。
　
　では、オーカスは日本にとって何を示唆するのか？　
 
　海自潜水艦隊の主力であるそうりゅう型やたいげ
い型は、従来艦より長い連続潜航性能を誇る通常型
攻撃潜水艦です。事実2014年当時、当のオーストラ
リア政府はそうりゅう型の卓越した性能に着目し、
新型潜水艦の共同開発を正式要請していたほどです。
日本を出し抜いて潜水艦建造契約を結んだフランス
が、今回オーカス結成で辛酸をなめたのは皮肉な成
り行きです。
 
　海自の潜水艦は生存性に直結する静粛性では原潜
を凌駕しています。また、日本近海の防衛に徹する
のであれば原子力推進の長大な航続距離は必須では
ありません。とすれば、このタイミングで日本が米
英から求めるべきは潜水艦から発射する核ミサイル
の供与でしょう。日本は核拡散防止条約（NPT）の
締結国ですが、これを迂回する方法は1950年代から
存在し、事実、各国が実践してきました。ニューク
リア・シェアリング、すなわち「核兵器共有」です。
 
　ニュークリア・シェアリングは旧ソ連に対する核
抑止を高めるため北大西洋条約機構（NATO）がとっ
てきた政策です。NATOに加盟する非核保有国にアメ
リカが核兵器と運搬手段および運用上の訓練を提供
するもので、冷戦中はベルギー、ドイツ、イタリア、
オランダ、ギリシャ（2001年脱退）が参加していま
した。カナダはNATO加盟国ではありませんが、1984
年まで北米航空宇宙防衛司令部の管理下で米国の核
兵器を運用していたことが知られています。現在、
トルコを含む５か国が核共有政策を維持し、ロシア
への抑止力としています。ちなみに各国に配備され
た核兵器は米軍の警護下にあり、また、核弾頭を起
爆可能にする認可コードはアメリカが管理している
ため同国の承認なしに核を使用する事は不可能です。
 
　以前にも触れましたが、中共は現在急ピッチで核
軍備増強を行なっています。玉門市付近の大陸間弾
道ミサイル（ICBM）サイロ120基に加え、新疆ウイ
グル地区の砂漠にも110基のサイロを建設中で、中
国軍の核戦力が倍増するのは時間の問題でしょう。
すでに実戦配備されている弾道ミサイルだけでも
300発を超え、その大半が日本全土を射程に捉えて
います。
 
　この強大な核戦力を前に、自衛隊は通常兵器しか
所有せず、しかも専守防衛の自縛で持てる兵器も思
うように使えない有様。当然、日本には独力で「中
共が許容できない壊滅的一撃」を加える能力がなく
抑止力もゼロなのです。このグロテスクな力の不均
衡を正すには核しかありません。この「日本存立の
ための苦渋の決断」に際し、NTP脱退という外交
上の一大リスクを避けつつ核武装への道を開くのが
ニュークリア・シェアリングなのです。
　
　オーカスとは「同盟国が中共の脅威を真剣に受け
取り集団安全保障を欲するなら、米英は既成概念に
とらわれない大胆な手段で盟邦の軍事力強化に寄与
する」との明確な意思表示です。米英が「実効力あ
る対中現実路線」へ舵を切った今こそ、日本が新次
元の国防体制に跳躍するチャンスだと思います。

 
▼英国海軍空母打撃群（６）

　兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。

　「中国が責任ある大国としてアジア太平洋地域の
平和と安定、繁栄のために貢献していることは誰も
が認めるところだ」

　先日耳にした中国外務省の発表です。これを読み
上げた報道官も本音では「いささか厚顔無恥に過ぎ
る」と感じているのかも知れません。しかし額面通
りに受け取れば、自己愛性パーソナリティ障害と見
分けがつきません。民意という制動装置も、野党と
いうけん制組織も持たない強権国家が陥る危険な自
信過剰状態と言えましょう。「盛者必衰」……平家
物語の言葉が思い出されます。

　昨今、クイーン・エリザベス空母打撃群や仏攻撃
原潜エムロードが南シナ海を相次いでパトロール航
行したのは、拡大する中共の領土権主張を牽制する
ためです。日米豪印戦略対話（クワッド）や先日起
ち上げられた米英豪軍事同盟（オーカス）も同様の
目的を持っています。自由圏諸国のこういった動き
は、「経済大国となれば中国は民主化する」という
希望的観測に代わり「中共と渡り合うには実効性あ
る対中包囲網が不可欠」という現実主義が定着した
ことを示しています。

　こういった潮目の変化に習近平氏ら中共首脳部が
気づけば良し。気づかず、あるいは気づいたうえで
強硬姿勢を貫けば、待ち受けているのは「猛き者も
ついには滅びぬ。ひとえに風の前の塵に同じ」に他
なりません。


教材ビデオ:
 (20) #HMSQueenElizabeth moves into #SouthChin
aSea | Dares China ! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yt4cogIqSRU&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=190&t=71s

（本エピソードは８：４０から始まります）

基本語彙（カタカナ表記は大雑把なものです）
Shift（シフト）変換　推移
Take place（テイク　プレイス）行なわ
れる　起こる

シナリオ（カウンターを９：４６に合わせてくださ
い）

All these indicate that a major shift is takin
g place as more and more nations join hands to
 challenge China.

（これらの事例は、より多くの国々が挑戦的な対中
政策に舵を切っている事実を示唆している）

（今回のエピソードは最後まで続きます）

英語一言アドバイス：
take place　は「行なわれる」「起きる」という意
味です。Happen や occur も同義語ですが、
take placeの場合は「意図的に」「組織的に」とい
う含みがあります。
例えば、「同時多発テロは2001年9月１１日に起き
ました」を英語にすると “The September 11 
attacks took place on the 11th of Septermber, 2001”
となり、「アルカイダによって行われた」という意
味合いがあります。

発音サイト: 
take placeの発音　take place - Google Search
http://okigunnji.com/url/127/

参考サイト：
仏海軍攻撃原潜エムロード　エムロード (原子力
潜水艦) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89_(%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6)

米海軍ニミッツ級空母　ニミッツ級航空母艦 - 
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%84%E7%B4%9A%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E8%89%A6

核共有政策　ニュークリア・シェアリング - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

オーカス　AUKUS - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/AUKUS

トマホーク巡航ミサイル　トマホーク (ミサイル) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%AF_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)


（かとう・たかし）



●著者略歴
 
加藤喬（かとう・たかし）
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授（2014年7月退官）。
著訳書に第３回開高健賞奨励賞受賞作の『ＬＴ―あ
る“日本製”米軍将校の青春』（TBSブリタニカ）、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『Ｍ16ライフル』『ＡＫ―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『ＭＰ３８／４０
サブマシンガン（近刊）』（いずれも並木書房）
がある。
 
 
追記

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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事（桜林美佐氏）：
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス　戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X　
 
『レックス　戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
　⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代　(passage of
lines)　を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
　同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は　"Repeat"　ではなく　"Say again"　です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
　兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。　
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"　
と表現します。
 
　『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤　喬
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最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
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