配信日時 2021/09/25 09:51

【加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編】 英国海軍空母打撃群(5)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
分隊支援火器といえばこれ!
ミニミ/M249です。

『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
2020/7/10 発行
https://amzn.to/3gGpNcq
※大好評発売中

武器オンチの日本人には
特におススメです。

きょうも面白いです。

さっそくどうぞ


エンリケ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編 Takashi Kato  

英国海軍空母打撃群(5)



加藤喬(元米陸軍大尉)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□矛盾するバイデン流「高圧的リーダーシップ」

「名誉の戦死を遂げた者たちの犠牲を無駄にしない
ためにも、生き残った我々は戦没者の志を受け継い
でアメリカに自由を再興し、人民の、人民による、
人民のための政治をこの地から消滅させないよう献
身すべきである」

  南北戦争がまだ続いていた1863年、激戦地ゲッ
ティスバーグでリンカーン大統領が行なった演説の
要約です。内戦で深く分断され傷ついたアメリカを
前に、建国の父らが謳った「自由と万人平等」が失
われてはならないという悲痛な決意が伝わってきま
す。

 歴史を通じ、アメリカ人は「自由と平等は血で贖
(あがな)うもの」と信じ、また実践してきました。
米国において自由と平等は不可譲の権利、すなわち、
ヒトが生まれながらに授けられた自然権であり、政
府が取り上げたり制限したりできるものではないの
です。「人民の、人民による、人民のための政治」
とは個人の自由を守り抜くことに他なりません。

 ところがバイデン大統領は9日、ワクチン接種を
義務化すると宣言。リンカーンの理念をあっさり否
定して見せました。曰く「我々の多くはまだ接種を
していない8000万人の同胞に対し苛立ちを覚えてい
る。これは今や接種を拒む者たちのパンデミックだ。
自由や個人の判断とは関係ない。自分と身の回りの
者を守るということなのだ。我々は忍耐強く待って
きたが、じき堪忍袋の緒が切れるだろう」

 アフガン撤退作戦の失態や感染拡大で支持率が落
ち込むなか、未接種の米市民8000万人を槍玉にあげ
た格好です。怒れる大統領の姿に、思い通りになら
ない臣民に業を煮やした「君主」を重ねたのは自分
だけではなかったでしょう。

 私は早目に2回の接種を済ませました。また家族
と同胞を守るために、できるだけ多くの人々が接種
するべきだとも思います。しかし健康や医療措置に
関する判断は、医師による詳細な説明を聞いたうえ
で各個人が下すもの。大統領令による接種強要は民
主主義と相容れません。

 連邦政府の接種命令や類似の州法、社則、校則に
従わない人々に対する罰金、免職、解雇、退学など
の処遇はそれこそキャンセルカルチャーが言う「制
度的差別」。政府が非接種者を狙い撃ちにする「村
八分」であり、アメリカ分断を一層深める自傷行為
です。しかも、連邦議会議員とスタッフ、連邦判事
および裁判所職員、郵政公社職員などは強制接種の
対象外なのですから万人平等の原則にも反していま
す。

「国民を守るためなのだから仕方ない」という意見
もあるでしょう。しかし、いったん政府が「大多数
を守る」との名目で個人の自由を否定し始めれば、
その後、なし崩し的にあらゆる人権が損なわれる危
険があります。中共に牛耳られた中国本土や香港の
人権状況がそれを如実に物語っています。

 ちなみに全米50州中27の州知事がバイデン氏
の接種命令に異を唱えています。もちろん知事らは
ワクチンそのものを否定しているのではなく、バイ
デン流「高圧的リーダーシップ」から「個人が判断
する権利」を擁護しようとしているのです。自治性
の高い州政府が連邦政府の権力拡大に歯止めをかけ
ている訳で、「人民の、人民による、人民のための
政治」に貢献していると言えましょう。

 日本やスウェーデンは幸運かつ希少な例外ですが、
2019年年末に武漢肺炎が確認されて以来、各国政府
は強権を発動し、国民の外出や移動の自由に法的制
限を課してきました。主流メディアはこれを「ニュ
ーノーマル」と呼んで正当化し、人々に恭順を強い
たのです。バイデン政権が自由の浸食をさらに一歩
進めようとしている今、私は故ロナルド・レーガン
大統領の言葉を噛みしめています。

「自由というものは、何もしなければものの1世代
で失われてしまう。自由は血流で子供たちに伝える
ことはできない。自由とは戦って得るものであり、
死守されるべきものである。自由を受け継いだ子供
らもまた、同様の努力を繰り返さなければならない。
そうしなければ、晩年、我々は子供や孫たちを前
に、人々が自由だった頃のアメリカについて思い出
を語ることになろう」

 
▼英国海軍空母打撃群(5)

 兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。「加藤大尉の軍隊式英会
話:兵器編」では、それぞれの武器が持つ抑止力に
着目。兵器と平和の関係を考えていくことにします。

先日、米海軍横須賀基地に入校した空母クイーン・
エリザベスには通常約40機の航空機が搭載されて
います。この中で対空戦闘と対地攻撃を担うのがF
-35Bステルス戦闘機です。
空母クイーン・エリザベスは米空母とは異なり、高
価なカタパルトと制動ケーブル装置がありません。
しかし、短距離離陸垂直着陸型のF-35Bならスキー
ジャンプ甲板から発進でき、またほぼ垂直に着艦す
るので運用に支障はありません。現在空自で配備が
進んでいる通常離着陸型のF-35Aに比べると、航続
距離と兵器搭載量で若干劣りますが、それでも最大
7トン弱のミサイルや爆弾を積むことができます。

同空母に搭載されている英空軍第617飛行隊所属
のF-35Bは、ヨーロッパ製の長距離空対空ミサイル
「ミーティア」を装備できます。電子妨害環境下で
も複数の敵に対し視界外射程から攻撃をかけられま
す。レーダーに捉えられにくいF-35Bがドッグファ
イトに持ち込まれる可能性は低いですが、万が一の
場合は、赤外線誘導式のアスラーム・ミサイルや固
定装備の25mm多銃身機関砲が有効です。

F-35Aより爆弾倉がやや短めで、2000ポンド爆弾
(907kg)や空対艦ミサイルなどを機体内に収容す
ることはできません。しかし、航空優勢が確保され
ステルス性より攻撃能力を優先する場合、翼下のパ
イロンに装着することは可能でしょう。

 艦載回転翼機には、対潜哨戒や救難用のワイルド
キャットと汎用のマーリン大型ヘリがあります。


教材ビデオ:
 (20) #HMSQueenElizabeth moves into #SouthChin
aSea | Dares China ! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yt4cogIqSRU&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=190&t=71s

(本エピソードは6:21から始まります)

基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
Short takeoff and vertical landing(ショート・
テイクオフ・
アンド・バーティカル・ランディング)短距離離陸
垂直着陸
Combine(コンバイン)兼ね備える
Radar-evading(レーダー・イベイディング)レー
ダー回避の

シナリオ(カウンターを7:40に合わせてくださ
い)
 
The F-35B which is a short takeoff and vertica
l landing (STOVL) variant, is the first to com
bine radar-evading stealth technology with sup
ersonic speeds and the ability to work with ca
rriers.

(短距離離陸垂直着陸機<ストーボル>であるF-
35Bは、レーダーを回避するステルス・テクノロジ
ーと超音速性能、そして艦載機としての能力を兼
ね備えた初めての航空機だ)

(今回のエピソードは8:38まで続きます)
英語一言アドバイス:
 supersonicは「超える」を意味する superと「音
の」を指すsonicを連結させた言葉で「超音速」で
す。Sonicに「轟く」のboomを結合すると sonic 
boomになり、超音速機が発生させる「衝撃音」にな
ります。昨今耳にするようになった極超音速は
superの格上であるhyperを付けたhypersonicです。


発音サイト:
 supersonicの発音 supersonic pronounce - Google S
earch
https://www.google.co.jp/search?q=supersonic+pronounce&sxsrf=AOaemvL-7tjDGeRbjEuXtDby_OUHib5t0w%3A1631755745607&ei=4Z1CYaDBJKKS0PEP9864mAQ&oq=supersonic+pronounce&gs_lcp=Cgdnd3Mtd2l6EAMyBggAEBYQHjoHCAAQRxCwAzoHCAAQsAMQQzoNCC4QyAMQsAMQQxCTAjoKCC4QyAMQsAMQQzoECAAQQzoKCAAQsQMQgwEQQzoECC4QQzoHCAAQsQMQQzoICAAQgAQQsQM6BQgAEJECOgUIABCABDoFCC4QgARKBQg4EgExSgQIQRgAUIsqWK9NYLpRaAFwAngAgAGgAYgBkQqSAQQwLjEwmAEAoAEByAENwAEB&sclient=gws-wiz&ved=0ahUKEwjgtc7sq4LzAhUiCTQIHXcnDkMQ4dUDCA8&uact=5

参考サイト:
 英海軍空母打撃群 空母打撃群
  - Wikipedia(イギリス海軍の項を参照してください)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E6%89%93%E6%92%83%E7%BE%A4

F35Bステルス戦闘機 F-35 (戦闘機) 
- Wikipedia(F35B 英海軍の項を参照してください)
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-35_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F)#F-35B

空母クイーン・エリザベス クイーン・エリザベス
 (空母) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%99%E3%82%B9_(%E7%A9%BA%E6%AF%8D)

マーリンHM2汎用ヘリ アグスタウェストランド AW159 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89_AW159


ワイルドキャットHMA.2対潜哨戒ヘリ アグスタウ
ェストランド AW159 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89_AW159

ミ―ティア視界外距離空対空ミサイル ミーティア
 (ミサイル) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)




(かとう・たかし)



●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン(近刊)』(いずれも並木書房)
がある。
 
 
追記

『ミニミ軽機関銃』
https://amzn.to/3gGpNcq
※大好評発売中

「MP5サブマシンガン」
http://okigunnji.com/url/14/
※大人気継続中

『AK-47ライフル』
http://amzn.to/2FVniAr
※根強い人気

『M16ライフル』発売中♪
http://amzn.to/2yrzEfW

『ガントリビア99』発売中!
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633456/
 
『アメリカンポリス400の真実!』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
 
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
 
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 
 
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
 ⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
 
---------------------------------------
 
日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤 喬
----------------------------------------
 
 
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。

-----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)

メインサイト:
https://okigunnji.com/

問い合わせはこちら:
https://okigunnji.com/url/7/

メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置
き換えてください)
------------------------------------------
 

配信停止はコチラから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
 
----------------------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメー
ルマガジン「軍事情報」発行人に帰属し
ます。

Copyright (C) 2000-2021 GUNJIJOHO All rights reserved.