おはようございます、エンリケです。
今週もどうぞよろしくお願いします!
140回目の美佐日記。
桜林さんの書かれていることは実に説得力ありますね。
わが国は、世界に向けて価値観等の発信をして世界を
率いなきゃいけない立場にすでになっているのですが、
そのことを朝野ともまだ自覚できてないようです。
負け犬根性が骨の髄まで染みついたのでしょうか?
記事を読みながら、昨今の内政政治ショーに欣喜雀
躍している、昭和30年代からなにも進化していな
い日本の朝野を見ながら、暗澹たる思いにひたされ
ています。
桜林さんの不朽の傑作
『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
潮書房光人新社から
『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
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ではさっそく、
本日の「美佐日記」をお楽しみください。
エンリケ
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
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桜林美佐の「美佐日記」(140)
内政ばかりに気を取られている日本の危うさ
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年9月の今回
は140回目となります。
アフガニスタンから米軍も自衛隊も撤退しましたが、
まだ何も解決に至っていません。
「米国の最も長い戦争」の幕が下りる寸前に多くの
死者が出てしまったことに悲しみは尽きません。
亡くなった米軍兵士には20代の若い人も多く、
9.11同時多発テロの時はまだ赤ちゃんだったな
ど詳細情報が報じられ、無念な思いが高まります。
無言の帰還をした彼らを大統領夫妻はじめ政府の要
人が並び迎える姿を見て、さすが米国だと私は率直
に感心しましたが、実はこの時のバイデン大統領の
態度に不満の声があがっているのだそうです。
棺が通った後におもむろに腕時計を見て時間を気に
している写真が報じられ、また、遺族たちも面会し
た際に自身の息子が亡くなった時の話ばかりする大
統領に我慢ならなかったという話が出てきています。
最も緊張感を以て臨まなくてはならない場面で、な
ぜこのようなことになったのか、と思いますが、紛
れもない事実なのでしょう。
日本の総理大臣も米国大統領も、軍の最高指揮官で
すので、それに相応しい態度をしなければ士気は下
がります。
こうした一挙手一投足を取り上げるのは「あげ足取
り」のようにも見えますが、民間の人は感じたこと
を口にするけど軍人は言わないだけ。その軍人たち
はもっと指揮官の背中を見ているのであり、改めて
トップの自覚は重いと感じています。
前回、アフガンを逃れてきた人々のための支援が各
国で始まっていることを書きましたが、実は米国の
知人からは同時に「日本はどうなの?」と聞かれて
いました。
日本ではこれまでもアフガンの人々のために多額の
支援をしていますし、現在もイランなどに入国する
難民に対する人道支援を検討し始めていますが、今
のところ難民の受け入れに手を挙げてはいません。
これは「ミラクル」作戦を成功させて、アフガン人
協力者を脱出させた韓国も実態上は同じです。
ただ韓国政府は彼らを「難民」ではなく「特別功労
者」として韓国に移送していますので、そこは日本
をリードしていると言えます。しかし、実際には国
民の賛否が分かれているそうです。
大統領府の国民請願掲示板というのがあり、そこに
「難民を受け入れないで欲しい」という意見が投稿
されると、1日に2万人以上の同意があったといい
ます。
難民の行く先は、最も多いのがイラン、次にパキス
タン、そしてドイツと続きます。
すでに多くの難民を抱えている国もあり、それぞれ
の事情によって規模の大小はありますが、多くの国
が受け入れなどの表明をしているところです。
日本政府としては、国連難民高等弁務官事務所(U
NHCR)や世界食糧計画(WFP)などを通じて
「イランにいるアフガン難民」に対し、食料や難民
キャンプの整備、コロナ対策として衛生や医療面で
の協力をするとしていますが、残念ながらこうした
取り組みは極めて目立たず、誰も気が付かないもの
になる可能性が高いでしょう。
「わが国も受け入れます」と、今の日本が名乗り出
ることは難しいと思います。しかし、好むと好まざ
るとに関わらず1つだけ言えることは、難民受け入
れの姿勢については韓国と結果的には同じであり、
協力者の救出や国内への移送などの面では韓国より
後ろにいるという現実です。
中東や欧米諸国とは地政学的な違いがあるとはいえ、
人道的な取り組みという面において、日韓はほぼ同
じなのです。
因みに、両国とも移民は認めないものの「技能実習
制度」を活用して外国人労働者を受け入れるという
手法でも共通しているようです。
しつこいようですが、日本は「アジアのリーダー」
で、日米豪印の「クアッド」を牽引することを目指
そうとしています。
「価値観外交」を謳う当事国の価値観が違いすぎて、
そんなことはおこがましいと言われてしまうでしょ
う。
でも本当は、日本は、白人社会が世界を支配し、弱
肉強食の侵略や独裁を繰り広げていた昔から、理想
の国際秩序の実現に向け奮闘していたことはご存じ
のとおりです。
判断を誤った指導者や外交当局者もいたものの、そ
んな中でも日本が現在の地位を築けたのは、先人た
ちの尊い犠牲と凄まじい努力によるものでした。
世界が今、中国に警戒心を強め、注視しているとい
うことは、日本もこれまで以上に見られているとい
うことでもあります。
これまでは日本の行動などはそれほど注意を向けら
れていなかったでしょうけど、今は「どう見られる
か」に気配りする必要が出てきているのだと思いま
す。機を見るに敏の外交力が今ほど求められる時は
ないのではないでしょうか。
その意味で、いつ何時でも気を抜けないのです。バ
イデン大統領がどんなにいい政策をしても、一瞬で
も時計に目をやり、時間を気にする動作をしたがた
めに足元をすくわれるように、内政に気を取られて
いる日本の様子はとても危険なものに感じます。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
皆さんにとって素晴らしい1週間となりますように。
<おしらせ>
●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
業」連載中です。コツコツ書いてまいります!
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いる「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂きます!
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(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)
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