こんばんは、エンリケです。
一昨年と去年にお届けしたシリーズ
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」
のつづきをお届けしています。
過去配信した内容はこちら
http://okigunnji.com/watanabe/category1/category45/
月刊「PANZER」での渡邉さんの連載「神は賽子を振らない」
が最終回を迎えました。
毎号楽しみにしてましたので、これから少し寂しくなります。
きょうの記事には、
渡邉さんの筆致でないと伝わらないかもしれない。
そんな、現場の空気感がヒシヒシ伝わる箇所がありました。
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は終わりました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読み、大会全般の支援に当たった
わが自衛隊に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/
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『ライター・渡邉陽子のコラム (338)』
神は賽子を振らない(17)
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こんばんは。渡邉陽子です。
『PANZER』で連載し、現在このメルマガでも一部をご紹介している
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」が今週
発売の10月号で完結しました。全30回、人の半生を書かせていただ
くことは、回を追うほど重みを増しました。最後まで忍耐強くお付
き合いくださった火箱氏に感謝するばかりです。
『丸』10月号に「第2師団集合教育 レンジャー 密着ルポ」が掲載
されます。レンジャー教育の卒業試験ともいえる3夜4日の最終想
定から帰還式までを追いました。これまで夏の北海道には何度も訪
れていますが、ぶっちぎりで最高に暑かったです……
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『PANZER』10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」最終回が掲載されます。被災地への6度の視察を終え
てから退官までの約2カ月間も、怒涛の日々でした。
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雑誌記事のお知らせです。
『丸』10月号に「第2師団集合教育 レンジャー 密着ルポ」が掲載
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『PANZER』10月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」最終回が掲載されます。被災地への6度の視察を終え
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■神は賽子を振らない(17)
3月17日
8時58分、通常業務の搭乗ローテーション通りに乗り込んだ隊員た
ちを乗せたチヌークが霞目駐屯地を離陸した。
放水のためのメンバーを志願制にしなかったのは、隊員の練度が変
わらず、誰が任務に当たっても結果は同じという第1ヘリ団の任務
意識の高さと矜恃ゆえだ。
2機のチヌークによって計30トンの海水が原子炉に放水されたシー
ンは、国民の多くがテレビで目にしたことだろう。
作戦を立てるのが困難な中での放水は、どこまで効果があったのか
わからない。しかし、無人機ではなく有人のヘリがここまで近づけ
るということを初めて示せた意義は大きかった。そしてこの放水が
「日本政府は原発に対してなにをしているのか」と不信を募らせて
いた米国の態度を変えるきっかけにもなった。また、東電の原発再
興意欲の振作(しんさく:勢いをふるい起こすこと。)となったと
火箱は自負している。
ただし、その日の陸幕長定例記者会見では、火箱は記者たちに「隊
員の被ばくはどれくらいか、健康への影響はないのか」から「陸幕
長が無理に行かせた無謀・無意味な作戦ではないか」「陸幕長は隊
員の命を平気で危険にさらさせたのではないか」まで、随分と責め
立てられた。非難の矢面に立つのも陸幕長の役目かもしれなかった
。
ヘリからの放水後は、地上から3号機へ放水することになった。
陸海空各自衛隊は、それぞれ航空基地に航空機の事故に備えた高機
能な化学消防車を所有している。
前日の16日に統幕長から指示があったので準備を進めていると、今
度は防衛大臣が「陸幕長、警察が放水をやりたいと言っている。自
衛隊が警察の放水を指揮できるか?」と聞いてきた。機動隊がデモ
隊鎮圧のために用いている高圧放水車を使うという。
省庁の枠を超えた指揮は難しい。現場の人間に、そんな重いものを
背負わせるわけにはいかない。
「うちが指揮して警察官が死んだりしたら『誰の命令でやったんだ』
と問題になります。われわれが警察部隊に対してやれることは援助
までです。たとえば化学防護隊がそばにいて、放射線量が高いから
撤退しろというような側面援助は可能です。それでよろしければや
ります」
大臣もそれで了承した。どうも警察は、自分たちが最初に放水した
いらしい。要求通り、自衛隊の地上からの放水は警察の直後に実施
することにした。
そして17日、ヘリからの放水後はすぐさま警察が地上から放水を実
施するという話だったのに、当日朝、自衛隊との待ち合わせ場所に
なかなか警察が集まらない(自衛隊は正午前には予行も済ませ待機
していた)。
結局、警察が放水を始めたのは19時過ぎで、しかも一部放水した
ところで水の勢いが弱まり届かなくなってしまった。それでも最初
に放水できたからいいということなのか、これ以降は二度と放水は
しなかった。警察の後は自衛隊が放水を実施した。翌日も自衛隊は
放水を行い、次いで東電も放水した。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
過去記事はこちら
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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