配信日時 2021/07/12 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(132)】大谷選手のさりげないゴミ拾い──母校野球部の教え

おはようございます、エンリケです。

今週もどうぞよろしくお願いします!

132回目の美佐日記。

今日も面白いですね、

さっそくどうぞ。


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ではさっそく、
本日の「美佐日記」をお楽しみください。


エンリケ

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桜林美佐の「美佐日記」(132)

大谷選手のさりげないゴミ拾い──母校野球部の教


桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年7月の今回
は132回目となります。

 以前、今の子供たちは路上に落ちているゴミが風
で飛ばされて川や海に流出する仕組みについて大人
よりも知識を持っていると書きましたが、警察関係
の方から、ゴミについての知識を持っていても、こ
の子供たちが大人になった時に目の前に捨てられて
いるゴミを拾わないのが現実であるとの指摘を頂き、
やはりそこに倫理観がなければ意味がないという
ことを改めて思いました。

 ゴミ拾いといえば、最近最も明るい話題と言って
いい大谷翔平選手です。

大谷選手の活躍ぶりは改めて説明するまでもありま
せんが、球場のさりげないゴミ拾いも注目を集めて
います。

 出塁する時にささっと落ちているゴミを拾ってポ
ケットに入れる(野球場ってそんなにゴミがるもの
なのでしょうか!)、べースを手で掃除する、チー
ムのロゴやラインは踏まないように避けて歩く、ベ
ンチでナッツなどを食べてもカスを床に捨てずに紙
コップに出す、
打席に入る時に審判や相手の捕手に会釈をする、な
どの行動が米国内で感動をもって伝えられているの
だそうです。

 プレイだけではなく、こうした行動をしてくれて、
それが日本人の価値を高めてくれているとすれば
一層嬉しいですね!

 米メディアでは「ショウヘイが一塁へ行く時に、
ゴミが落ちていた。もちろん、彼はそれを拾い上げ
た。この男にできないことは何?」と紹介したとい
います。

 実際のシーンが動画付きで投稿されると全米の大
谷くんファンから
「私たちが必要としていたヒーローだ」
「すべての子供に見てもらいたい偉大な模範」
「投げて打って、地球のことまで考えているのか?」
「日本的美徳をわれわれも見習うべきだ」
などなどの声があがっているといいます。

 そもそも、大谷選手を輩出した岩手県の花巻東高
校野球部の方針に「試合会場に着くと,まずゴミ拾
いから始める」とあるようです。

 大谷選手はそうした環境で成長してきたのです。
そして粋だなあと思うのは、どこかのインタビュー
で「なぜゴミを拾うのか」と聞かれた際の答えです。

「人が捨てた幸運を拾っているんです」

 おおっ!こんな気取らない姿勢も多くの人を魅了
するのでしょうね。

 かくいう私、幸運を拾おうというわけではありま
せんが、先日、散歩をしていたら目の前に袋が風に
飛ばされてきて足元に落ち、いきがかり上、その袋
に他のゴミも拾い入れる流れとなりました。すると
こんどは実にタイミング良くゴミ収集車がやってき
て、感謝の言葉とともにそのゴミを回収して行って
くれたのでした。

 やっぱり捨てる神あれば拾う神ありとはこのこと
かなあなどと思い、顛末を友人女子に話したところ、
彼女は驚くべき経験談を聞かせてくれました。

 ある時、公園に一人で散歩に行き、彼女のライフ
ワークであるゴミ拾いをいつものようにし始めたと
ころ、見覚えのあるものが落ちている。何だろうと
よく見ると、なんと、前日に旦那さんに持たせたお
弁当だったのです。

 なぜこんなところに!と、帰宅した旦那に問い質
すと、職場でランチに誘われたが、作ってもらった
弁当を食べずに持って帰るのは申し訳ないと思い、
公園のゴミ箱に捨てたのだそうです。きっとカラス
などによってばらまかれたのでしょう(それにして
も、まさか妻が公園でゴミを拾っているとは夢にも
思わなかったようで・・・)。

 この事件が原因ではないものの、ふたりはその後、
離婚し、彼女にとってゴミ拾いは「鬼門」となっ
てしまいました。

 しかし、結果的にゴミ拾いによって知られざる夫
の行動を知ることができたのだから、やはりゴミ拾
いは幸運をもたらすに違いない、と私は思っており
ます。まだ独り身のままの友人の幸福を切に祈りな
がら・・・・。

 なんだか、せっかく大谷君のいい話だったのに、
またもやすっかり締まりが悪くなりましたが、今日
も最後まで読んで頂きありがとうございました。皆
さんにとって素敵な1週間となりますように!


<おしらせ>
●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)



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