こんばんは、エンリケです。
防衛装備庁の2回目です。
こんかいは組織の概説です。
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで思いを馳せます。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (324)』
防衛装備庁(2)
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こんばんは。渡邉陽子です。
新型コロナウイルスのワクチン接種、なかなか進んでいませんね。
実家のある自治体では、高齢者でも85歳以上から案内を始めている
そうで(接種自体はまだらしいです)、母はその次の案内になると
のことでした。最初は「この年でワクチン打ってまで長生きしたい
と思わない」と言っていたので、その短絡的な意見を懇々と諭した
ところ、「ワクチン打つことで家族が安心して会えるなら」「自分
が誰かを感染させてしまうリスクを防げるのなら」と、接種するこ
とに決めたそうです。とりあえずほっとしました。
雑誌記事のお知らせです。
「丸」6月号に「自衛隊の営業部隊 地方協力本部」が掲載されま
した。自衛隊の真の敵はあの国でもかの国でもなく、少子高齢化と
いうのは過言ではありません。募集を担う地本は、国防の未来を託
されているのです。また、50代のまだまだ働き盛りの年齢で定年
退職を迎える自衛官の、第2の人生をサポートするのも地本の役目。
すごいです地本。
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「PANZER」6月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第26回が掲載されました。2011年3月11日、東北地方で
M9.0の巨大地震が発生。19日までに救助された被災者総数約2万
7000名のうち約2万名を自衛隊が救助(約1万5000名は陸自によ
る)。発災後72時間以内に自衛隊が救出した人は1万2351名でした。
阪神淡路大震災での救助実績が警察3495名、消防1387名、自衛隊165
名だったことを考えれば、初動が「命」に直結していることを改め
て思い知らされます。その背景には火箱氏の処分覚悟の決断があり
ました。
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「正論」6月号に「われらの女性自衛官」第3回が掲載されました
。今回は即応予備自衛官1期生。現役の自衛官時代よりはるかに長
い時間、即応予備自として「いざ」に備えてきました。そして東日
本大震災では自宅が半壊状態でありながら、招集に迷うことなく応
じました。
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■防衛装備庁(2)
防衛装備庁は事務官・技官等約1400名、陸海空自衛官約400名とい
う3職種、約1800名で構成され、防衛予算約5兆円の4割近くに当た
る約2兆円の予算を扱います。初代長官は、技術研究本部長を務め
ていた工学博士でもある渡辺秀明氏でした。
組織は長官官房、装備政策部、プロジェクト管理部、技術戦略部、
調達管理部、調達事業務、各研究所・試験場等からなります。
長官官房は国会対応、人事、会計、人事育成といった防衛施設庁内
の内部管理を所掌します。隷下には総務官、人事官、会計官、監察
監査・評価官(庁内における監察・ 監査の実施)、装備品等の研
究開発を担当する装備開発官(システム装備、陸上装備、艦船搭載
装備、航空機)、艦船設計官が置かれています。
装備政策部は防衛生産・技術基盤の維持・強化、諸外国との防衛装備
・技術協力、防衛産業等の情報保全等、装備政策の企画・立案を行な
う部署で、装備政策課、国際装備課、装備制度管理班からなります。
プロジェクト管理部は主要装備品の構想から研究開発、量産取得、
維持・整備・廃棄にいたる一貫した管理を行なう、防衛装備庁の目
玉となる部署です。プロジェクト管理総括官、事業計画官、統合装
備計画官、事業監理官、装備技術官で構成されています。
技術戦略部は技術調査研究、大学独法等への研究委託、機微技術管
理、技術交流、知的資産管理・運営等、先進的技術分野を含む研究
の企画立案を行なう部署で、技術革新戦略官、技術戦略課、技術計
画官、技術振興官からなります。技術研究本部が担当していた研究
開発は、主にこの部署に移管されました。
調達計画の策定、調整を担当する調達管理部は、調達企画課、原価
管理官、企業調査官で構成されます。
調達事業部は装備品の契約実務や調達を実施する部署で、隷下に調
達総括官、需品調達官、武器調達官、電子音響調達官、艦船調達官、
通信電気調達官、航空機調達官、輸入調達官を置いています。
装備品の技術研究や試験評価を実施する機関としては航空装備研究
所、陸上装備研究所、艦艇装備研究所、電子装備研究所、先進技術
推進センター、札幌試験場、下北試験場、岐阜試験場があります。
これらはいずれも技術研究本部の機関でした。
このほか、長官を補佐し、技術と研究開発の事務全体を所掌する防
衛技監、各装備品等の開発実務を所掌すると共に陸海空自衛隊の観
点からプロジェクト管理及び装備協力に関する業務の総合調整を行
なう装備官、長官官房審議官、部外有識者による防衛調達審議会が
あります。
多額の予算や権限が集中する組織とあって、汚職や腐敗といった不
祥事を懸念する声もあります。実際、防衛装備庁発足時、中谷元防
衛大臣は訓示で「コンプライアンス意識を強く持ち、くれぐれも不
祥事を起こさないよう」「監視体制の強化や教育の充実で、不祥事
の防止に努める」「たったひとりの気のたるみが組織全体の信頼を
失墜させる」など、かなり念入りに言葉を重ねました。
実際、1998年に防衛庁調達実施本部の幹部が起こした代金水増し請
求事件、2007年に防衛事務次官が防衛商社から過剰接待を受けてい
た収賄事件(裁判では実刑判決を受けた)など、調達を巡る汚職で
世間を騒がせていた苦い過去があるのです。そのため防衛省は、装
備庁内部に監察監査・評価官を新設して20人規模の監察担当者を設
置するほか、装備庁の業務・会計に関する監察を司る防衛監察本部
を強化、部外からも防衛装備庁を監察しています。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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