おはようございます、エンリケです。
今週もどうぞよろしくお願いします!
119回目の美佐日記。
さっそくご覧ください。
エンリケ
追伸
今月号の「丸」の桜林さんの連載記事。
『誰も知らないニッポンの防衛産業 第4回』
は、「消える「国産化」とライセンス生産」と題し、
出藍の誉れを生み出す「ライセンス国産」、
マーケ的な選別思想は防衛基盤維持になじまな
い、など防衛装備品国産の意味を徹底的に伝え
ています。必読です。
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(119)
アナログ大国日本にチャンスあり…
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年4月の今回
は119回目となります。
黄砂がかなり飛んでいるようです。前回は、口に
入れる物の危険性について書きましたが、こうした
空気中の飛来物も本当に困ったものです。
といいつつ、私は埼玉に来てからアレルギー的な
症状があまり出ず、黄砂も西日本にいた時ほど多く
ないためか影響が出ていません。
福岡にいた時に気管支炎をくり返し発症したのは、
やはり、関東よりかなり量が多い花粉か、黄砂か、
あるいはPM2.5に起因するものだったのでしょ
うか・・。将来は九州に住みたいと思っている私で
すが、いずれ何か画期的な防御策が考案されるか、
私自身に免疫ができるかなどの解決策が見出され
ることを願うばかりです。
ちなみに、黄砂には硫黄酸化物などの大気汚染物
質や土壌にいたバクテリアやカビなども混ざってい
るのだそうです。呼吸器官に悪影響を及ぼしたり、
花粉症などのアレルギーを悪化させるということで、
非常に厄介です。
何はともあれ、繰り返しになりますが、そういう
物質の数々が体内に入っても「解毒」「排毒」でき
るようなカラダになることが重要になりそうです。
有害な物質というと、私たち人間が発している「
気」も、ある時には有害になるので気を付けなくて
はいけません。
よく「あの人といると元気になる!」なんて人が
いますが、きっと良い「気」を出しているのでしょ
う。目指したいものです。
しかし、かくいう私、良い「気」を出すどころか、
著しく「不機嫌」になることがしばしばあります。
例えば、福岡では毎日、行き会う人と挨拶を交わ
していたのですが、関東に来ると、こちらが「おは
ようございます!」なんて言っても無視されたり、
変な目で見られたりすることが多いため、段々と外
では何も言葉を発しなくなりました。
同じ集合住宅の敷地内ではまだマシですが、子供
たちにはけっこう無視されます。そんな時、私はつ
いつい襟首をつかんで「おのれー、挨拶せいっ」と
しばきたくなる衝動にかられ、そんなことはできな
いので、不機嫌になります。
やはり、いくら無添加や無農薬にこだわったり身
体を鍛えていても、自分自身が悪い「気」を出さな
いことが最も大事であることは言うまでもありませ
ん。神様は課題を出してくれているんだなと思って
います。はい。
「人は五感だけで物を感じているわけではない」
ところで、最近、非常に印象に残ったのはこの言
葉でした。しかもそのお話は、元財務官僚で衆議院
議員だった松田学さんから伺いました。
実は、本題は「デジタル人民元革命」のお話だっ
たのですが「デジタル」とか「人民元」とかいう言
葉を見聞きしただけで、つまらなそう~なんて、つ
い思いがちな私が内容に引き込まれたのは「五感だ
けではない」と言われる感性に惹かれたのだと思い
ます。
五感(視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」)
以外の何か、「気」もその一つでしょう。
松田さんはチェロを演奏されるということで、リ
モートのコンサートには限界があるという事例をあ
げていたのですが、「響き」とか「どよめき」みた
いなものも、そこにリアルな人間がいないと生まれ
得ません。
そういえば、クラシック好きな知人も、コンサー
トの何が一番好きかって「演奏が始まる一瞬前の静
寂」だと言っていて、驚かされました。
音楽を聴きに行くのに、微塵も音が聞こえない瞬
間に感動するとは、逆説的ながらも真理です。奏者
と聴衆の心が一つになる時の「気」を感じるのだと
思います。
で、この話と「デジタル人民元」がどう関係する
のか? つまり、デジタルが進んでも限界があるの
で、アナログ大国日本にチャンスがあるということ
です。
簡単に「デジタル人民元」について触れておきたい
と思います。
中国はドルの貿易決済から人民元の決済に移行す
ることを狙っており「デジタル人民元の世界戦略」
を進めようとしているといいます。
「人民元なんて信用できなさそうだし、そんなのま
っぴらゴメンだ!」と、思われそうですが、実際、
中国が取り組んでいる「統一的な財布」的な機能は、
かなり便利なもののようです。
このシステムは中国人でなくても使えるため、多く
の国で使われれば国際標準を得られるのです。つま
り、中国共産党が主導する国際秩序が形成されるこ
とになります。
当然、日本が取り入れれば日本人の情報は全て管
理されます。
ちなみに、中国の人たちは管理されることにはあ
まり抵抗がないようです。むしろ、便利な方がいい
じゃないかと。日本人は違う?そう言い切れるでし
ょうか。
電子マネーを使っている方は感じていると思いま
すが、店によって○○ペイは使えるけど、××ペイ
は使えないとか、乱立していて不便ですし、使い始
めると「もっと便利になって欲しい」と思うもので
すよね。
私たち日本人も利便性のほうが優先する価値観に
なれば、これを受け入れてしまう可能性はあるので
しょう。ここでも「Silent Invasion」は進んでいると
いうことです。
松田さんは、だからこそ日本は「デジタル円」を
誕生させるべきだと説きます。マイナンバーをスマ
ホのアプリに接続し、政府暗号通貨と結びつける構
想です。
たとえば、新型コロナ関連の補助金を、自分がもら
えるのかどうか知らず申請しない人も多いというな
か、スマホに通知が届き手続きを済ませることがで
きる、そんなことが可能になれば、どんなに助かる
ことでしょうか。
この点では韓国も進んでいます。韓国マイナンバ
ーカードは、指紋、パスポート、クレジットカード、
医療保険、診察券、お薬手帳、健康診断、国民年
金、住民票や戸籍、運転免許証、所得、納税などな
どの情報が入っているというだけでもすごいですが、
さらに、高校や大学の出欠確認や成績証明などに
もなるというのです。
コロナによって、これまで国による「管理」や
「監視」というものは悪いことという価値観を漠然
と持っていた人も、社会主義的な政治形態のほうが
いいのではないか感じるようになるという指摘もあ
ります。
ハタと気づくと、諸外国ではけっこう進められて
いたことだったりするので、コロナで最も価値観変
動が大きく加速する国は日本なのかもしれません。
しかし、そういう時代だからこそ私たち自身が、
いわば「アナログ」の「日本の良さ」を見直し、中
国ではなく日本が世界を先導するのだと松田さんは
言います。日本人が持っている「平等」「利他の精
神」「協調」や「調和」といった、日本的なものを
いずれ自然に、世界が求める時代になると。
まるで対極にありそうなデジタル化と日本人精神、
これらを改めて見直し、それぞれ磨く、そのこと
が自然に多くの外国を惹きつけるパワーになる。
実現できるのかどうかは分かりませんが、とにか
く、日本の保守思想は新たな時代に入っているのか
もしれません。
<おしらせ>
月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
業」連載中です。コツコツ書いてまいります!
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会員制月刊誌『テーミス』でも自衛隊ルポを連載中
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プしている「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊
幸・元海将に解説をして頂きます!
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(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。
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