こんばんは、エンリケです。
「海上自衛隊幹部候補生学校」の15回目です。
候補生インタビューの三回目です。
湯元進1等陸尉のちょっといい話も、
ぜひお読みください。
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/
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『ライター・渡邉陽子のコラム (319)』
海上自衛隊幹部候補生学校(15)
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こんばんは。渡邉陽子です。
雑誌記事のお知らせです。
「パンツァー」5月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚
長火箱芳文の半生」第25回が掲載されています。陸上自衛官約1
5万人のトップとなった火箱氏。2010年、中国訪問時のエピソ
ードは読み物としてもお楽しみいただけると思います。
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「丸」5月号に「第3普通科連隊アルバム」と「最北の最強部隊陸
自第3普通科連隊密着ルポ」が掲載されました。3連隊と名寄駐屯
地、2師団広報の協力あっての記事です。ドローンで撮影された超
かっこいい巻頭カラーグラビアと合わせてどうぞ。こちらは本職の
カメラマンの撮影です。
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「正論」5月号に「われらの女性自衛官」第2回が掲載されていま
す。4月号は緊急事態宣言のため取材ができず休載となってしまい
ましたが、今月号から毎月の連載です。今回は護衛艦「まや」の乗
員の3曹をご紹介します。
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雑誌記事のお知らせです。
「パンツァー」5月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚
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5万人のトップとなった火箱氏。2010年、中国訪問時のエピソ
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陸自第3普通科連隊密着ルポ」が掲載されました。3連隊と名寄駐
屯地、2師団広報の協力あっての記事です。ドローンで撮影された
超かっこいい巻頭カラーグラビアと合わせてどうぞ。こちらは本職
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ましたが、今月号から毎月の連載です。今回は護衛艦「まや」の乗
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■海上自衛隊幹部候補生学校(15)
候補生たちへの質問、今週が最終回です。
<回答者のプロフィール>
Kさん(男性) 防大卒 潜水艦・艦艇希望 23歳
Oさん(女性) 防大卒 航空装備・研究科希望 23歳
Fさん(女性) 一般大学大学院卒 航空(戦術航空士)希望 25歳
Hさん(男性) 一般大学卒 航空装備希望 28歳
Iさん(男性) 一般大学卒 潜水艦希望 25歳
Q やりがいを感じるのはどんなとき?
Hさん 競技会は訓練がきつい分、終わった後に達成感があります
ね。
Fさん カッターの艇長をさせてもらっていることです。自分の舵
の動きによって12人の漕ぐ速さも変わるという“要”を握ってい
る役割だそうで、責任も感じます。
Kさん 競技会でのやりがいやテスト終了後などは個人的な達成感
はありますが、現在は教育期間なので、自衛官としてのやりがいを
感じるというのはないですね。ただ、講話などで自衛隊自体が貢献
している話などを聞くと、将来のやりがいを先取りしているような
感覚はあります(笑)。
Iさん 自分に与えられた仕事を精一杯こなし、「今日も1日終わ
ってこれでまた少し卒業に近づいたな」と思うときですかね。
Oさん ふとしたときに自分の成長を感じることがあって、そうい
う気づける瞬間にやりがいを感じます。たとえば今日は3000m
走ったんですけど、2分くらいタイムが縮まって自己ベストだった
んです。練習の成果が出ているのかなと。
Q 目指す理想の幹部像とは?
Oさん 若くして幹部になるわけですし、ベテラン海曹のようなス
ペシャリストにはなれませんが、誠実に、そしてモラリストであり
たいと思います。
Kさん 私が防大1年のときに最初に会った部屋長は、今でも私の
理想の上司です。真面目で公明正大で、付いて行こうと思える人で
した。その人のようなリーダーシップを発揮できる幹部でありたい
です。
Fさん やはり、部下からの信頼を得たいですね。この幹部候補生
学校を出た後も、常に甘えずに人に見えない部分での努力を続ける
ことで、周囲から認められるような幹部になれればいいと思ってい
ます。
Hさん 自分より年上の部下やベテラン隊員には、知識的にはかな
いません。ただ、そういった人たちは、Aという作業をこなす場合
にもともと定められた手順を追わず、自分の経験と知識に基づいた
手順で進めかねません。でもそれは本来NGなわけですから、ベテ
ラン海曹に対しても、だめなものはだめとはっきり言える幹部にな
りたいですね。
Iさん こちらが命令したり指示を出したりしても、海曹たちが動
かなければなにも始まりません。手足となって動いてくれる人たち
を大切にしないといけないわけですが、部下の機嫌を取ったりへつ
らったりすることで信用を得るのではなく、自分の人間性を見て「
この人には付いていけるな」と思ってもらえるような幹部になりた
いです。
候補生たちのQ&Aはここまでですが、ちょっと余談を。
ロンドンオリンピックレスリング銅メダリストの湯元進1等陸尉は、
現役引退後に福岡県久留米市にある陸上自衛隊幹部候補生学校に入
校、9カ月を過ごしました。彼は大学卒業後に入隊して以来、ずっ
と朝霞駐屯地内にある自衛隊体育学校でレスリングに打ち込んでき
ました。また、階級も試合の成績が直結するので、幹部候補生学校
を経ずとも幹部になっていました(そんなわけで、体育学校の指導
者たちの多くは、幹部でありながら陸海空幹部候補生学校に入校し
ていません)。
湯元1尉もすでに「1尉」なのですから本来入校の義務はありませ
んが、あえて険しい道を選びました。その感想は「とにかく勉強が
大変だった」そうで、相当苦労したようです。そして「せめて運動
面では負けまい、体力面では同期を引っ張っていこうと、そこはぶ
っちぎりでした(笑)。幹部候補生学校ではレスリングの練習では
味わったことのない悔しい思いもしましたが、これまでの人生にな
かったことを学んだ、貴重な日々でした」と言っていました。また、
これまで体育学校の自衛官としか付き合いがなかったけれど、とも
に学んだ大切な同期の仲間ができたことが「すごくうれしかった」
と。ちょっといい話ですよね。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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