こんばんは、エンリケです。
「海上自衛隊幹部候補生学校」の12回目です。
組織の強さ、優秀さを育むのは歴史だ、
という話を聞き、はたと膝を打った記憶があります。
毎年メンバーが入れかわり、能力に大きな差が生まれる
はずの、いわゆるスポーツ強豪校や進学校、一流企
業、わが軍がなぜずっと強くありつづけているのか?
への答えもこれで導き出せます。
国も同じ事だと思います。
文中の候補生学校長の言葉が、
遠い過去の記憶を紡ぎだしてくれました。
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東北大震災で犠牲になった御霊の安寧と、
一日も早い復興を祈念して止みません。
これからも変わらず、福島の桃とお米を買い続けま
すよ!
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで思いを馳せます。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (316)』
海上自衛隊幹部候補生学校(12)
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こんばんは。渡邉陽子です。
東日本大震災から10年が経ちました。きりのいい数字ということ
もあって、テレビなどメディアでの特集が目立ちますが、被災した
地域や人々にとっては「きりがいい数字」など関係ありませんよね
。「10年が一区切り」なども、当事者の心情や実情をないがしろ
にしていると感じます。
阪神淡路大震災での苦い教訓を生かし、東日本大震災で自衛隊が救
助した人の数は消防や警察をはるかに上回りました。今では自治体
や警察、消防と連携した統合防災訓練も珍しくないですし、すべて
の都道府県に自衛隊OBの防災監がいます。
でも、まずは個人で備えられることをしっかりやっておきたいです
ね。首都直下型地震や南海トラフ地震が遠くない将来、確実に起き
ると言われているのですから。
記事掲載のお知らせです。
『PANZER』4月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第24回が掲載されました。ついに陸幕長時代に突入で
す。削減を続ける防衛予算、人員になんとか歯止めをかけようと奔
走し希望が見えてきたとき、政権交代でどんでん返し。陸幕長とし
ての力の限界を痛感し……詳しくは本誌をご覧いただければ幸いで
す。
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『丸』3月号の特集で「自衛隊無人機事情」、「世界の軍備」で第
12ヘリコプター隊の記事が掲載されました。
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『正論』で始まったばかりの連載「われらの女性自衛官」は、緊急
事態宣言のため取材ができず4月号は休載です。ただ巻末の編集後
記に当たる「羅針盤」で、編集長に連載の紹介をしていただいてい
ます。
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■海上自衛隊幹部候補生学校(12)
取材時の海上自衛隊幹部候補生学校長へのインタビュー、前回の続
きです。インタビューは今週が最終回です。
「帝国海軍は多くの名将を出しました。また、教育参考館に行けば、
たくさんの有名無名の先人の遺跡、偉業に接することができます。
その血と汗と涙すべてがこの江田島に凝縮されていると言っても過
言ではありません。また、ここ江田島には、建物や木々、そして風
土に支えられた、一種独特の精神が息づいているように思います。
それは長い年月をかけて、かつての海軍士官、現在の幹部海上自衛
官といった、いわば海上武人を養成するという大きな目標に向かっ
て育まれ、培われたものです。それを“江田島精神”と呼ぶのかも
しれません」
さらに学校長は「“昨日があって今日があり、今日があって明日が
ある”のであって、今日だけがあるのではないということを決して
忘れてはならない」とも言いました。
「伝統がわれわれに与えてくれるものは、長い間に蓄積された知恵・
知識などに基づく判断力、先人との連帯感とそれに基づく勇気、安
心感など、いわば心の支えとも言えるでしょう。そして、ここ江田
島で学んだという一体感、愛情ともいえるものを感じるのだと思い
ます」
「伝統とは、単に長く継承されたことをもって価値ありとするので
はありません。そこで多くの先人の経験と英知が集約されているか
らこそ尊いのであり、ただ“墨守”すればいいというものでもなく、
常に新しい息吹を吹き込み、受け継がれるべき価値を確認し続けな
ければならないものだと考えています」
あえて学校長としての不満を尋ねたところ、「候補生ひとりひとり
と直接触れ合う機会が少ないこと」。
「毎朝、校内で候補生たちとすれ違うとき、『頑張れよ!』という
思いを込めて『おはよう』と言ってやりたいんですが、私の姿を遠
くに見つけると、候補生たちはすすっと曲がってしまう。迷惑なん
ですかねえ(笑)」
「私だって実は毎朝緊張しているんですよ。朝の旗揚げの際には候
補生たちの敬礼を受け、総員に見られながら答礼するわけです。そ
のとき、帽子は曲がってないか、服にしわは寄ってないか、しっか
り心のこもった敬礼ができているかと気になります。私には誰も言
ってくれませんから、もしもうっかり不備があっても『今朝の学校
長は帽子が曲がってたよな』と陰で言われるのがオチでしょう(笑)。
人には言うくせに自分はできてないじゃないかと。私に限らず教官
たちもみな緊張するシーンはあるんです。人間ですからパーフェク
トにはできないけれど、指導する立場として最大限の努力は怠りま
せん」
最後に、学校長として候補生たちに望むことを聞きました。
「最近の若い人は非常に真面目でおとなしいと感じますし、自分の
興味のあることには一生懸命取り組むものの、そうでないものには
あまり興味を示さないし、なにごとも表面上うまく取りつくろおう
とする傾向があるように感じられます。個人的にはもう少し、言葉
は悪いですが“跳ねっかえりもの”がいてもよいと思います。いず
れにしても、なにごとも最初からうまくいくはずがないのですから、
苦労や失敗を恐れないガッツを持って欲しいですね。若いうちから
苦労を経験することなく安易な道ばかり選んでいると成長しません
し、いざというときの対応力や判断力を磨くこともできません。
目先の損得にとらわれることなく、大きく将来を見すえ、どんなこ
とにも積極的にチャレンジ精神を持って取り組んでもらいたいもの
です。私は彼らの若い力を信じています」
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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