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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
 
E-ｍａｉｌ hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp

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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
分隊支援火器といえばこれ！
ミニミ/M249です。

『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
2020/7/10 発行
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※大好評発売中

武器オンチの日本人には
特におススメです。

理論と現実が違っておれば、
理論が間違っていると認めるのが
人間らしい普通の人間の常識ではないでしょうか？

そうでない人が多数を占めつつある
いまの趨勢に、なすすべなく流される、
人間らしい普通の人間たちの焦燥感は、
今後高まる一方でしょう。

さっそくどうぞ


エンリケ

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加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編　　　　　

軍用ロボット犬（３）

Takashi Kato

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□キャンセルカルチャーの自縛

　子供時代を通じ、わたしは国に尽くす心も日本人
としてのアイデンティティも持ち合わせていません
でした。「日本は先の大戦を始めた悪い国」・・・
この連合国軍総司令部の洗脳プログラムを受け継い
だ教育界、左傾化したメディア、そして日本兵の残
虐さを言いふらす反戦漫画のプロパガンダを鵜呑み
にした結果、祖国の負の遺産のみ指弾する「自虐史
観」に染まっていたのです。

　日本にも日本人であることにも誇りが持てない
「精神的無国籍者」・・・それが２０歳で渡米する
前の自分でした。後年、日本を誇りこよなく愛する
ようになれたのは、皮肉にも、米陸軍で国を守る義
務と名誉、そして愛国心に目覚めたからです。

　ところが昨今のアメリカ社会には、かつての日本
を彷彿とさせるアイデンティティの喪失感が淀んで
います。野火の如く蔓延（はびこ）りだしているキ
ャンセルカルチャーがその理由です。文字通り歴史
や伝統を「削除」するキャンセルカルチャーは、左
派・社会主義運動の新たな形態。自由と機会均等に
象徴されるアメリカの国体を否定し、奴隷制度と組
織的差別の国として蔑（さげす）む「アメリカ版自
虐史観」だと言えます。

　すでに与党民主党左派と主流メディア、小学校か
ら大学までの教育機関、社会主義を理想化しがちな
ミレニアム世代の７割、そして知的エリート階級に
浸透しています。自らの主張に従わない者に「反社
会的レッテル」を貼りつけて発言を封じ、場合によ
っては「村八分」にするのが常套手段です。
 
　思いつくままに例を挙げます。
 
　まず、国境の壁。仮に国と国を区別する境界線が
存在せず人々の出入りが自由になれば、固有の伝統
や風俗習慣、精神風土、そして共通語が織り上げる
「国柄」は失われます。国境という防壁は、人心を
まとめ国民のアイデンティティを産み出す「国の箍
（たが）」としても不可欠なのです。しかし建設を
容認すると、移民を敵視する「外国人差別」の濡れ
衣を着せられてしまいます。
 
　国政選挙における投票時の身分証明提示は常識。
ところがキャンセルカルチャー勢力は「身分証提示
の義務化は少数派の投票意欲を削ぐ」として身分証
容認派に「人種差別主義者」のレッテルを貼りつけ
ます。今のご時世、「差別主義者」と見なされれば
一巻の終わり。キャンセルカルチャーは何人も抗え
ない「差別反対」を錦の御旗に、巧妙な言論封鎖を
行なっている訳です。
 
　LGBTなど性的少数派の権利擁護は、多様性を尊重
するうえで真っ当なことだと思います。しかしなが
ら、キャンセルカルチャーの「男性から女性に性転
換したアスリートには、女性として競技に参加する
権利がある」との主張は無理筋。冷静に考えれば、
男女間に厳然として存在する体力差を無視したもの
だと分かります。
 
　性的多様性を偏重するあまり、女性アスリートか
ら公平な競争のチャンスを奪っているのです。なら
ばこれは立派な「女性差別」。ところがキャンセル
カルチャーの論客らは意に介しません。自らの正義
を信じて疑わない人々は、都合の悪い事実からは目
を背けるものだからです。早い話、自分たちの意向
に沿わないものはすべてこれ「悪」なのです。
 
　キャンセルカルチャーの信奉者らは「アメリカの
歴史や伝統的価値はことごとく邪悪であり破壊され
るべきもの」だと確信しています。この事実を強烈
に印象付けたのが、昨年全米で吹き荒れたワシント
ンやリンカーンなど建国の父らの銅像破壊です。こ
れらの蛮行に対し「過去を抹消すれば、歴史から学
ぶ機会を奪う」と批判すれば「奴隷制度擁護者」の
汚名を着せられ、ネット炎上どころか社会的に抹殺
されかねません。
 
　事程左様に、キャンセルカルチャー勢力がトラン
プ前大統領と支持者に向ける敵意も常軌を逸してい
ます。大統領職を去った「市民トランプ」に対する
弾劾裁判は憲法無視の暴挙でした。また、ピューリ
ッツアー賞受賞者らを含む知識人らが、氏に投票し
た７５００万人の有権者を「トランプカルトの狂信
者」と断じ「洗脳解除」すべきとの極論を公言して
います。ここでもキャンセルカルチャーは、伝統的
米国の復活を目指すトランプ支持者らに「極右反乱
者」のレッテルを貼りつけ「社会からの排除」を進
めているのです。
 
　ちなみに、バイデン大統領自らが「米国は万人平
等の理想に遠く及ばない偽善の国」との発言を繰り
返し、キャンセルカルチャーの旗振り役になってい
ます。自国糾弾を「社会正義」と勘違いしているか
の振る舞いです。しかし、母国の欠点とあやまちの
みに注目する態度からは、今この国に必要な希望と
夢、そして未来を切り開く活力は産まれません。そ
れは、自虐史観に囚われた精神的無国籍者だった自
分が身をもって知っています。
 
　アメリカがキャンセルカルチャーの自縛から逃れ
られない限り、人心の分断と政治の機能不全は続き
ます。国のトップが自虐史観に囚われている現状は、
米国を盟邦と頼む日本にとっても、誠に憂慮すべ
きことです。


▼軍用ロボット犬（３）

　兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。

　今回は米空軍が制式採用した軍用ロボット犬の最
終回です。

　現在までのところ、ロボット犬は遠隔操作で動い
ています。頭部にあるカメラの画像を見ながら人間
のオペレーターがコントロールしているのです。近
い将来、攻撃型ロボット犬に進化するにしても、搭
載された武器を使うか使わないかの判断はヒトが下
すわけです。

　ビデオでは触れられていませんが、ここで考慮す
べきは人工知能（AI）の発達でしょう。実際「人
間オペレーターの介入を必要とせず、独自に攻撃判
断を下せるロボットは今後数年で実現する」との見
方があります。

技術的には可能でも、道徳的かつ法的見地から「殺
人ロボット」に反対するAI研究者らの間では、2
013年から自立型兵器システムを禁止する動きが
広がっています。しかしながら、火薬と核兵器に続
く「第３の戦争革命」と呼ばれ、大国が開発にしの
ぎを削る自律型戦闘ロボットは、兵器の「来るべき
未来」なのかも知れません。

参考セクションにヒト型ロボット「アトラス」の新
動画を添付してあります。このロボットにAIと武
器が付加された場合、第１世代ターミネーターにな
りやしないか・・・。読者の方々はどう感じるでし
ょうか。

教材ビデオ：
 THE U.S. AIR FORCE HAS FOR THE FIRST TIME DEP
LOYED ROBOTIC ‘DOGS’ TO GUARD ITS MILITARY FAC
ILITIES ! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rV4fuePAc5Y

（本エピソードは７：０３から始まります）

基本語彙（カタカナ表記は大雑把なものです）
Mature（マチュア―）成熟する
Employ（エンプロイ）用いる
Mine（マイン）地雷
Grenade launcher（グレネードランチャー）擲弾発射機
Neutralize（ニュートラライズ）無力化
する　制圧する

シナリオ（カウンターを７：４３に合わせてくださ
い）

As the technology matures, the robot dogs coul
d be employed for passive as well as active co
mbat roles.
 (テクノロジーが成熟するにしたがって、ロボッ
ト犬が戦闘で受動的・積極的役割を果たすことも有
り得る)

In passive roles, theycould be used to lay la
nd mines while in active roles they may be fit
ted with a gun system or grenade launcher to n
eutralize enemies.
（受動的役割としては地雷敷設があり、積極的役割
では敵制圧のため銃や擲弾発射機を搭載するかも知
れない）

 
英語一言アドバイス：
mineは「わたしの」を意味する所有代名詞がよ
く知られています。軍事用語ではこれが「地雷」「
機雷」になるので覚えておいてください。(厳密に
は land mineが地雷。Sea mineが機雷です)。地雷
原なら mine fieldです。

発音サイト：
land mineの発音 How to pronounce land mine | HowT
oPronounce.com
https://www.howtopronounce.com/land-mine

参考サイト：
米空軍のロボット犬（動画）　(1) ‘Unstoppable’
 Robot Dogs Join US Air Force - YouTube　　
https://www.youtube.com/watch?v=AzDZQmpipLE

米空軍のロボット犬（動画―２）
Ghost Robotics Partners with Zero Point to
Develop Highly-Agile EOD and BombTech
Robotics - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0iOmcubN51A

ヒト型ロボットアトラス　
Atlas, TheNext Generation - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rVlhMGQgDkY



（かとう・たかし）



●著者略歴
 
加藤喬（かとう・たかし）
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授（2014年7月退官）。
著訳書に第３回開高健賞奨励賞受賞作の『ＬＴ―あ
る“日本製”米軍将校の青春』（TBSブリタニカ）、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『Ｍ16ライフル』『ＡＫ―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『ＭＰ３８／４０
サブマシンガン（近刊）』（いずれも並木書房）
がある。
 
 
追記

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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事（桜林美佐氏）：
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス　戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X　
 
『レックス　戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
　⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代　(passage of
lines)　を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
　同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は　"Repeat"　ではなく　"Say again"　です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
　兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。　
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"　
と表現します。
 
　『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤　喬
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