配信日時 2021/02/15 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(113)】居場所がなくなる人たち

こんにちは、エンリケです。

113回目の美佐日記。

あなたはどうですか?

さっそくご覧ください。

エンリケ


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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(113)

居場所がなくなる人たち

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年2月の今回
は113回目となります。

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」

 という言葉を、どうして1日に何回も繰り返し聞
かなくてはならないのか。テレビをあまり観てない
私でも最低限チェックする定時ニュースだけで「耳
にタコ」ができつつあります。

 いっそのこと、どうでしょう、女性が多い会合が
どれくらいの時間を要しているか日本全国で調査を
し、女性の人数と時間の関係をデータ化して「科学
的に」結論を出してみては。

テレビ番組はコメンテーターに喋らせるだけでなく、
その調査をしたらいいと思います。

 それにしても、社会生活をしていると少なからず
「触れてはいけない」話題というものがあると思い
ますが、公人でありながらその地雷を思い切り踏ん
でいるところがお粗末というところでしょう。

 もうずいぶん前ですが、知り合いの小学校の先生
が、PTAから追い詰められて辞めさせられてしま
ったのですが、その発端になった理由を聞いて驚い
たことがありました。

 問題になったのは「月の砂漠」なのだそうです。

 そう、あの曲です。

「月の砂漠を はるばると 旅のらくだが ゆきま
した」

 そのどこが問題なのかというと、3番の歌詞です。

「さきのくらには王子さま あとのくらにはお姫さ
ま・・・」

 ・・・え?ごめんなさい、どこが悪いんですか?
と、思わず聞き返してしまったのですが、PTAの
人たちは、王子さまが先頭のらくだに乗っていて、
お姫さまが2番目というところが差別的と怒ったの
だそうです。

 その方はシベリアからの引き上げ組で、非常に苦
労された立派な方でした。おそらく、日頃からの言
動から問題視されていて「月の砂漠」が決定打とな
ったのではないかと推察しています。

 戦争によってご自身が大変な目に遭っても、戦前・
戦中を否定するような考え方ではありませんでし
たので、そういう姿勢は許容されなかったのでしょ
う。

 結局、学校で教鞭をとることはできなくなり、い
くつか家庭教師をするなどで生計を立てていたよう
でした。

このような、戦前は立派な先生と言われた人が、戦
後は教育現場から追い出されるようなことが他にも
数多くあったのではないでしょうか。とても切ない
歴史です。

放送業界でも、以前にも書いたと思いますが、やは
り戦前の価値観を認めたり女性を低くみるかのよう
な表現に対してはひじょうーに神経を使っています。

私が昔、アシスタントを務めた地方局の番組(私の
社会人として最初の仕事はフリーアナウンサーでし
た)で、ほとんど黙って相槌を打っていたら、番組
審議やらなにやらの審議会で、あれじゃお飾りで女
性軽視だと、もっと喋らせるべきだと叩かれて、そ
の後、しっかりと台本に私のセリフが書き込まれる
ようになったことを思い出します。

とにかく、言葉使いから何からぴりぴり神経を尖ら
せている世界があることを考えると、塗りたてのペ
ンキの上を「注意」と貼っているのにずかずか歩く
かのような、洗い立ての洗濯物の中に汚れた服を投
げ込むような、まるで無神経な人がいることそのも
のに話の内容よりもむしろ驚きます。

特にいつも「これって差別とか言われない?」と常
にビクビクしているメディア業界からは、普段から
死ぬほど神経を使っているんだよ俺たちは!みたい
な感覚で猛攻撃を受けているようにも・・・見えま
す・・。

で、そんな中、ちょっと驚くべきことがありました。
こんな留守電が入っていたのです。

「あー、〇〇(名前)だが、電話をくれ。番号は名
刺渡したから分かるだろう!」と。

コロナ以降、名刺交換などほとんどしていないので
すが、数か月前に一度、機会があり、その時に名刺
を渡した人でした。あまりにも失礼な物言いですし、
怖いので、放置していたところ、留守電にまた入
っていました。

「電話こないじゃねえか!番号は分かるだろう!」

そんなこと言われると、ますます電話などしたくあ
りません。それに、直接に話したら私のことですか
ら「その言い方は何ですか!」「日本語が使えない
んですか!」などと相当な攻めをしてしまいそうで
したので、知人に代わりに出てもらうことにしまし
た。

そして、分かったのは、その人はそういう無礼な話
し方が「標準語」であるということ。どうも、そう
いう言い方しかできない人なんじゃないかと。

森元総理がこれだけ騒がれている一方で、絶滅危惧
種のような男尊女卑的なおじさんがまだ日本の各地
に生息している、これは紛れもない事実のようです。

この人たちにも現在の世情に対し、何かしら言い分
があるのかもしれません。しかし、残念ながら10
0%受け入れられることはないでしょう。

電話しても出てもらえず(私だけか!?)、社会か
ら疎外されてそのまま消えていってしまうのか・・・。
想像すると、なんだか哀れでもあります。

女の人を、やたらと持ち上げたりヨイショしまくり
で、本心かどうか分からない男性より、もしかした
らお付き合いし甲斐がある(仲良くなったら達成感
を得られる?)タイプ??なのかもしれませんが、
やはり今の世の中だと居場所がますますなくなるこ
とは確実。生き残りのためには、考え方喋り方を変
えてもらうしかなさそうです・・。


<おしらせ>
月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。


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