━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
E-mail
hirafuji@mbr.nifty.com
WEB
http://wos.cool.coocan.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。エンリケです。
加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。
今回は、
分隊支援火器といえばこれ!
ミニミ/M249です。
『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
2020/7/10 発行
https://amzn.to/3gGpNcq
※大好評発売中
武器オンチの日本人には
特におススメです。
「強きに媚びて、弱きをいたぶる」
古来から今に至る支那の民族性を端的に
示す言葉です。朝鮮半島もこれに準じます。
他の物差しが適用されないという意味で、
世界でこのエリアにしかない特殊なものです。
世界標準、人類標準でこのエリアと
向き合うと常に間違うのはそのためです。
さっそくどうぞ
エンリケ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編
軍用ロボット犬(1)
Takashi Kato
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□バイデン新政権の「言行不一致」
1月20日に米新政権が始動してから2週間以上経
ちました。バイデン氏はこの間、1945年以降最
多となる28本の大統領令に署名。議会の承認を得
る必要がない行政命令なら、サインひとつでトラン
プ前大統領の政策や業績を打ち消したり変更したり
できるからです。
なかでも就任式直後の1776諮問委員会廃止、
キイストーン・パイプライン建設許可取り消し、国
境の壁建設中止と違法移民の国外退去一時停止が目
を引きました。命令の根底に「言行不一致」という
共通項を感じたからです。
以前にも触れましたが、1776委員会の提言と
は「米独立宣言が書かれた18世紀当時、奴隷制度
が世界で広く行なわれていた史実に照らせば、建国
の父の中に奴隷所有者がいたことは仰天動地の出来
事ではない。奇跡とも言える驚きは、正にその奴隷
所有者たちが、奴隷制度破棄の原則に基づき自由と
平等の国アメリカを建国したことである」というも
のです。
万人平等、生命、自由、幸福の追求を「自明の理」
「不可譲の権利」とするアメリカの国体を擁護し、
米建国史を次世代に伝える上で史実と史実に裏打ち
された愛国心を重視した内容です。
この提言を就任当日、押っ取り刀で否定したとな
ると「アメリカを奴隷制度と人種差別の国として蔑
(さげす)む急進左派の主張」を進んで認めたのも
同然。案の定、先月末にはバイデン氏の自虐史観に
呼応するかのように、リベラルなカリフォルニア州
サンフランシスコ市教育委員会が「奴隷を所有し、
人種差別に加担した」との理由でワシントンやリン
カーンの名を冠した学区内の公立学校44校を改名
する決定を下しています。
若年層に「祖国を憎む倒錯の心」を植え付け、建
国の父や偉人らを歴史から抹消する左派キャンセル
カルチャー運動は、バイデン氏が就任式で繰り返し
た「国を1つに」との愛国発言と相容れるものでは
ありません。
キイストーン・パイプラインは2010年から進
められてきた国際プロジェクトで、カナダのアルバ
ータ州産出原油を米国のノースダコタ州、ネブラス
カ州、カンザス州などを経てテキサス州の製油施設
にパイプラインで送るものです。全長3500キロ
に及ぶ建設事業は米国内で1万1千もの仕事を作り
出すといわれ、また、トランプ政権が達成したエネ
ルギー自給体制強化に今後も寄与するはずでした。
ちなみに、トランプ氏がイスラエルとアラブ諸国
の和平を取り持つことができたのは、エネルギー供
給を産油国に依存しなくなったアメリカが外交上の
影響力を強めたからでもあります。対照的にバイデ
ン氏は、グリーン・ニューディールなど過激な環境
保護政策を掲げる党内左派をなだめるための方便に
キイストーン・プロジェクトを惜しげもなくキャン
セル。「アメリカの労働者を一刻も早く職場に戻す」
との選挙公約を反故にし、石油・エネルギー関連
雇用を削減したのです。
また、連邦政府所有地での新規石油採掘一時停止
も命じており、こういった大統領令の相乗作用でエ
ネルギーの自給自足が損なわれれば、ベネズエラ、
イラン、ロシアなど反米色の強い産油国を利する事
態にもつながりかねません。
トランプ氏が実行した国境の壁延長工事は、不法
移民流入や麻薬密輸、人身売買を抑制する実利目的
のほかに、主権国家の矜持を示す実効的かつ象徴的
な意味合いがありました。島国日本では四面を囲む
海が天然の防壁になっていますが、陸続きで外国に
接する国々の場合、紛うかたない障壁を築いて境界
線を明示することは極めて重要です。
国境が判然とせず人々の出入りが自由になれば、
固有の文化や歴史、伝統、風俗習慣、国民性、そし
て言語といった「国と人心をまとめる箍(たが)」
が早晩失われてしまうからです。
もちろん米国は移民国家。かくいう私も移民です。
米社会の公平さと寛大さは、軍人・軍属として国に
尽くす機会を与えられた自分が一番よく知っていま
す。したがって、秩序ある合法移民受け入れと市民
権獲得への道は閉ざされるべきではありません。同
時に、バイデン氏が壁建設中止を宣したうえ不法入
国者の国外退去を停止したことで、今後、何万人も
の人々が米墨国境に押し寄せて来ましょう。
事実、バイデン発言で難民申請への希望を抱いたキ
ャラバンが中南米諸国からアメリカを目指していま
す。その数1万人弱。この大群にどう対処するのか
・・・ここでもバイデン大統領は「国境警備を盤石
にし、同時に移民国家アメリカの価値を維持してい
く」との公約を自ら危機にさらしています。
中国に関しても同様です。バイデン氏は「新しい
対中政策を行なう」と公約していました。ところが
蓋を開けてみれば、ホワイトハウスのサキ報道官が
「大統領は中国に戦略的忍耐を持って接する」と発
言する始末。「戦略的忍耐」はオバマ・バイデン政
権の朝鮮半島非核化政策でしたが、北に核武装拡充
の時間を与える大失態に終わったのは記憶に新しい
ところです。
はるかに手強い中国共産党を相手に「賞味期限
切れの戦略的忍耐」が通じる道理はありません。中
共が一目置くのは、国家指導部の生命安全を脅かす
強大な軍事力と中国経済をひっ迫させる容赦ない経
済制裁のみなのです。
2月4日に行なわれた初の外交演説では「米覇権
に挑戦する全体主義国家中国の野心を直視する」と
修正したものの、行動が伴うかどうかは未知数。対
中政策上の言行不一致は、日本が最も警戒すべきも
のです。
わたしは前に「就任演説で『国を1つに』と懇願
する大統領の言葉に偽りはないようだ」と書きまし
た。いま聞き直してみてもその印象は変わりません。
とすればバイデン大統領は、これら一連の行政命
令も祖国のために「良かれと思って」下したのでし
ょう。
もっともこの世の中、心底から、真正直に、誠実
に「自らの正義」を信じて疑わない者ほど厄介な存
在はありません。理路整然と「言行不一致」を指摘
しても馬耳東風だからです。日本の施政者がバイデ
ン大統領と接する際、氏の「誠実に間違う」奇癖を
忘れないことが肝心かと思います。
▼軍用ロボット犬
兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があ
ります。刀を抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ
「鞘の内の勝ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまら
せる圧倒的な破壊力のことです。「平和を望むがゆ
えに兵器を手放せない」。人類が陥って久しいこの
ジレンマの裏面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。
今回から数回にわたり、米空軍が制式に採用した
軍用ロボット犬に焦点を当てます。
ロボット(robot)の語源はチェコ語のrobota。
農奴に課された強制労働だといいます。
チェコ人作家カレル・チャペックがSF小説に初め
て登場させたロボットとは、「人間のために働き、
奉仕しなければならないモノ」を指したのです。
日本アニメの黎明期を代表する鉄腕アトムや鉄人
28号から、米SF映画の名作『禁断の惑星』に登場す
るロビー、そして『スターウォーズ』のR2D2とC3PO
に至るまで、これらのロボットたちは文字通り「ヒ
トへの奉仕」が使命であり存在理由でした。
これらは人型ロボットでしたが、最初に実用化さ
れた軍用ロボットは犬型のQ-UGV(無人4足歩行器)。
敏捷な4足歩行ロボットなら、装輪車や無限軌道車
が立ち入れない地形でも切り抜けることができるか
らでしょう(Q-UGVの動画は参考サイトにあります)。
しかし移動上の利点のほかにも、初の軍用ロボット
が犬のカタチを取った理由がありそうです。
数万年前から家畜化し、以来「人間の最良の友」と
して共存してきた犬には、たとえば「猟犬」「番犬」
「警備犬」そして近年の「爆弾探知犬」などがあ
りました。こういった犬たちの役割は、獲物の位置
を探ったり、防御線を監視したり、周囲の情報を集
めたり、隠された爆発物を探し出したりすることで
す。つまり軍用ロボット犬は、本物の犬がこなして
きた任務をそのまま踏襲したともいえます。
生身の兵士に代わって情報収集や監視、偵察、爆弾
探知などを行なうQ-UGVは、ヒトに奉仕する「
ロボット」であると同時に「兵士の最良の友」にな
るかも知れません。
教材ビデオ:
THE U.S. AIR FORCE HAS FOR THE FIRST TIME DEP
LOYED ROBOTIC ‘DOGS’ TO GUARD ITS MILITARY
FACILITIES ! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rV4fuePAc5Y
(ロボット犬のビデオは0:00から始まります)
基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
Quadrupedal(クワドラペダル)四足歩行の
Carry out(キャリー アウト)任務を遂行する
Task(タスク)仕事 役割
Intelligence(インテリジェンス)諜報
Surveillance(サーベイランス)監視
Reconnaissance(リコネサンス)偵察
Distributed communication(ディストリビューテ
ッド コミュニケーション)分散通信
シナリオ(カウンターを1:00に合わせてくださ
い)
Named the Q-UGV(Quadrupedal Unmanned Vehicle),
‘the dogs’ are assigned to carry out tasks
that include remote inspection, Intelligence,
Surveillance, Reconnaissance(ISR), mapping and
distributed communications.
(Q-UGV無人四足歩行器、と名付けられた「ロボッ
ト犬」は、遠隔検査、諜報、監視、偵察、地図作
成、分散通信などの任務を遂行する)
(今回のエピソードは1:36まで続きます)
英語一言アドバイス:
quadrupedal は quad(4個の)と pedal(足の)
を組み合わせた言葉で「四足歩行の」を意味します。
発音サイト:
quadrupedal の発音
quadrupedal - Google Search
https://www.google.co.jp/search?sxsrf=ALeKk02qUh1nveWXHoMpy7EkQrsCuwRtFw%3A1612022728941&ei=yIMVYNaCObTH0PEP2t2bGA&q=quadrupedal&oq=quadrupedal&gs_lcp=CgZwc3ktYWIQDDIMCAAQsQMQQxBGEPkBMgIIADIECAAQQzIECAAQQzICCAAyAggAMgIIADICCAAyAggAMgIIADoECAAQRzoECCMQJzoFCAAQkQI6BQgAELEDOgcIABAUEIcCOgcIIxDqAhAnOgUILhCxAzoICAAQsQMQgwE6CQgAEEMQRhD5AToHCAAQsQMQQ1CvgQZYv6kGYIq-BmgBcAJ4AoABnAKIAfYSkgEGMC4xNi4xmAEAoAEBqgEHZ3dzLXdperABCsgBCMABAQ&sclient=psy-ab&ved=0ahUKEwjWhoPRhMTuAhW0IzQIHdruBgMQ4dUDCA0
参考サイト:
米空軍のロボット犬(動画)
(1) ‘Unstoppable’ Robot Dogs Join US Air Force - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=AzDZQmpipLE
米空軍のロボット犬(動画―2)
Ghost Robotics Partners with Zero Point to
Develop Highly-Agile EOD and Bomb Tech
Robotics - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0iOmcubN51A
ビッグドッグ(輸送用四足歩行ロボット)
ビッグドッグ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%B0
軍事用ロボット
軍事用ロボット - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E7%94%A8%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88
人型ロボットアトラス(動画)
AtlasR | Boston Dynamics
https://www.bostondynamics.com/atlas
(かとう・たかし)
●著者略歴
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン(近刊)』(いずれも並木書房)
がある。
追記
『ミニミ軽機関銃』
https://amzn.to/3gGpNcq
※大好評発売中
「MP5サブマシンガン」
http://okigunnji.com/url/14/
※大人気継続中
『AK-47ライフル』
http://amzn.to/2FVniAr
※根強い人気
『M16ライフル』発売中♪
http://amzn.to/2yrzEfW
『ガントリビア99』発売中!
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633456/
『アメリカンポリス400の真実!』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
きょうの記事への感想はこちらから
⇒
https://okigunnji.com/url/7/
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
---------------------------------------
日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"
と表現します。
『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
加藤 喬
----------------------------------------
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。
-----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト:
https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら:
https://okigunnji.com/url/7/
メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置
き換えてください)
------------------------------------------
配信停止はコチラから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
----------------------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメー
ルマガジン「軍事情報」発行人に帰属し
ます。
Copyright (C) 2000-2021 GUNJIJOHO All rights reserved.