配信日時 2021/02/04 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (312)】  海上自衛隊幹部候補生学校(8)

こんばんは、エンリケです。

「海上自衛隊幹部候補生学校」の8回目です。

きょうは、幹部候補生の一日 前編です。
想像を超える内容、意外な内容がてんこ盛りでした。

さて、
月刊正論ではじまった渡邊さんの連載
「われらの女性自衛官」
第一回は吉田有子二等陸佐です。

4人の子育てと仕事の両立、
家族、組織の支え などなど、
スペースの割に読み応えある内容です。

巻頭グラビア3篇の一つで、
「皇室歳時記」の次、「不肖宮嶋の現場」の前。
あなたも楽しめる内容ですから、
ぜひご一読ください。
https://amzn.to/39f5ulp


さっそくどうぞ


エンリケ

追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで思いを馳せます。
https://amzn.to/33WBBlB



「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/



ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『ライター・渡邉陽子のコラム (312)』

 海上自衛隊幹部候補生学校(8)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんばんは。渡邉陽子です。
緊急事態宣言が延長されそうですね。これでまた取材が延期になっ
たり、見送りになったりします。考えると気が重くなる一方ですが、
今月は待ちに待った取材もあるので(こちらは予定通り行けそう
です)、それを楽しみに乗り切ります。みなさまもどうぞご自愛く
ださい。



記事掲載のお知らせです。

『PANZER』3月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第23回が掲載されました。中部方面総監が自衛官人生
の集大成と考えていたところ、折木陸幕長からかかってきた1本の
電話。第32代陸幕長の内々示を受けてからの火箱氏の心の揺れは、
とりわけ丁寧に書き進めました。https://amzn.to/2NCeQ2g

『丸』3月号の特集で「自衛隊無人機事情」、「世界の軍備」で第
12ヘリコプター隊の記事が掲載されました。https://amzn.to/3oky4pL

新連載のお知らせです。
2月1日発売の『正論』3月号より、巻頭グラビアページにて「わ
れらの女性自衛官」がスタートします。あいにく年始早々発令され
た緊急事態宣言のため取材がストップ、4月号は休載ですが、今の
ところ5月号からは毎月の連載となります。お楽しみいただければ
幸いです。https://amzn.to/39f5ulp


月刊『正論』2020/6月号に「自衛隊あってのオリンピック」最終回
が掲載されました。https://amzn.to/3cOzOSQ



■海上自衛隊幹部候補生学校(8)

6時、もしくは6時半に起床して22時に就寝。日中は勉強と運動、
夜は自習……そう書くと、単に「規則正しい健全な生活」という印
象しか受けないかもしれませんね。
けれど実際は、起床と同時にMAXのテンションまで自分を持ってい
く必要があったり、食事はすべて5分で完食しなければいけなかっ
たり……
幹部候補生(一般)の1日に密着して、その超ハードな24時間を追
いました。2週にわけてお届けします。
そういえば、1日を追う密着取材は防大でも経験しましたが、肉体
的にはこちら、海自の幹候のほうがきつかった気がします。

0630(夏季は0600) 総員起床、体操
「5分前の精神」により、実際には6時25分に「総員起こし5分前」
の笛が鳴って廊下の電気が点きます。ただしこの時点で起き上がる
のはNG(しかし目は覚めます。条件反射というよりもはや脊髄反射)。
6時30分の笛で一斉に飛び起き、上半身裸で外へ飛び出します(女
子はTシャツ着用)。数十秒前までいびきをかいていたとは思えな
い迅速な動き。もちろん教官たちもこの時点ですでに廊下に立ち、
候補生たちにがっつりにらみをきかせています。
校庭では各々が号令調整(大声でいろいろな号令をかける)を行な
いながら乾布摩擦の後、分隊ごとに海上自衛隊体操(準備運動が必
要と言われるほどハード)。朝からいきなり密度の濃い15分間。

0645(夏季は0615) 甲板掃除
掃除する場所に関係なく、海上自衛隊では掃除全般を「甲板掃除」
といいます。赤れんがの廊下はポリッシャーで磨きをかけ、光るも
のは金属磨き剤でピカピカにし、屋外の掃除が終わった部分は、両
手に熊手を持って後ろ向きに歩き目立てをします。春には爪楊枝を
使って桜の花びらを拾った時代もあったとか! この甲板掃除が終
わるまで、候補生たちは起床時から顔も洗わずトイレも行かずの状
態。
ちなみに、よだれの跡をつけたまま(人によってはですが!)あれ
やこれやこなさなければならないのは、陸海空男女問わずほぼすべ
ての学校や教育隊でも共通です。

0700 朝食
食事の際は制服着用のため、ジャージから制服に着替えて朝食。た
だし候補生の4分の1~3分の1ほどは姿を現しません。これは意
図的に朝食を抜いているわけではなく、食べたくても食べる時間的
余裕がないため。せつない! 甲板掃除終了後、45分間で朝食、洗
顔、制服のアイロンがけ(前夜にアイロンをかけるのは邪道とされ
ます)、ベッドメイキング、当直交代などを行わなければならない
のですから。朝食を取っている候補生も5分程度で食べ終わります。
ちなみに7時30分にはスピーカーから「海の幹候」が流れます。

<おまけ:この日の朝食>
棒天味付
山菜湯葉の煮物
きゅうりしょうゆ漬
厚揚げ白菜味噌汁
こんぶ和え
ご飯
牛乳
計704kcal   190円

0800
国旗掲揚、課業整列、定時点検
7時50分には候補生全員が赤れんが前に整列。週番学生による連絡
事項の伝達などを行ない、8時に国旗掲揚(ここでは「旗揚げ」と
呼ばれます)。その後は分隊ごとにまとまり、服装容儀の点検や候
補生による「5分間講話」。この日は、講話を担当する候補生も講
評を述べる候補生もすべて英語でした。
8時15分には隊列を組み、教務が行なわれる講堂へ向かいます。
この際には道の左右に教官その他「行進チェック係」が立ち、「姿
勢が悪い!」とか「腕を振れ!胸を張れ!」など、かなり細かくダ
メ出しされます。

0820~1140
教務
教務(授業に当たります)は1コマ50分。午前中に4コマ、午後に
3コマが基本。赤れんがの講堂は天井が高く窓が大きく、実に重厚
な趣き。どの講堂にもかならず「五省」が掲げられています。
教官に指名されて答える際は特に起立の必要なく、この教務の時間
が、もっとも候補生たちがリラックスしているように見えます。教
務以外の時間がいかに高い緊張を強いられているかが想像できます。
この日にのぞいた教務は「管理技法の体系」と「戦略論セミナー」
でした。

昼食からは次週に続きます。



(つづく)



(わたなべ・ようこ)


「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe
/

ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
http://okigunnji.com/url/7/



□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
 
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏せ
たうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が主催
運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)で紹
介させて頂くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

 
----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト:https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら:
http://okigunnji.com/url/7/
メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に
置き換えてください)
----------------------------------------
 
 
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com


<丸谷 元人の講演録&電子書籍>
謀略・洗脳・支配 世界的企業のテロ対策のプロが明かす…
知ってはいけない「世界の裏側」を見る
 http://okigunnji.com/url/13/
---------------------

投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権は
メールマガジン「軍事情報」発行人に帰
属します。
 
Copyright(c) 2000-2021 Gunjijouhou.All rights reserved.