こんばんは、エンリケです。
「海上自衛隊幹部候補生学校」の6回目です。
きょうから年間スケジュールの紹介です。
日々の課業と行事でぎっしりの日々。
候補生は大変ですね!
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (310)』
海上自衛隊幹部候補生学校(6)
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こんばんは。渡邉陽子です。
先週ご紹介したミニトリビアに誤りがありました。お詫びして以下
の通り訂正します。
●右側通行
誤) 「右大回り、左小回り」と、常に右側通行。
↓
正) 「右小回り、左大回り」と、常に右側通行。
ご指摘くださったのは、教官をされている現役海上自衛官の方です。
ありがとうございます!
今月はせっかく決まっていた海自取材も延期になってしまいへこん
でいましたが、緊急事態宣言解除後にできるだけ早い日程でリスケ
していただけることになり、気持ちも大いに上向きになりました。
やはり対面にまさる取材はないですね。
記事掲載のお知らせです。
『丸』12月号の「世界の軍備」に「個人用防護装備防護マスク」が
掲載されました。今回は自衛隊の装備品である防護マスクだけでな
く、新型コロナで人々の生活に不可欠なアイテムとなったマスクに
ついてもご紹介しています。医療従事者が使うサージカルマスクと
自衛隊の防護マスクの製造メーカーは同じなのです。
マスクの正しい装着方法についても触れました。
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『PANZER』12月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第20回が掲載されました。
今回は防衛大学校幹事時代のお話前編です。幹事とは、一般の学校
でいう副校長。自身が学んだ防大に、今度は将官として戻ってきま
した。凱旋ともいえますが「演習場で状況中」が三度の飯より好物
の火箱氏、最初はあまり乗り気な人事ではありませんでした。しか
も当時の防大生は……
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月刊『正論』6月号に「自衛隊あってのオリンピック」
最終回が掲載されました。
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■海上自衛隊幹部候補生学校(6)
今週は一般幹部候補生(防大・一般大卒)の1年のうち、前半4~
8月をご紹介します。
競技会に実習、点検にまた競技会……候補生たちが過ごす1年間に
は、さまざまな行事がぎっしり詰まっています。
恐怖心や苦手意識を克服するようなものからシーマンシップを培う
ものまで、その内容は多岐にわたります。
●4月
分隊点検
幹部候補生学校に入校してから2~3週間後に行なわれます。服装
容儀の点検をはじめ、候補生としての心構えなどをランダムに質問
するなどによって、教官は候補生たちの心身の状態を把握します。
ちなみに教官は、制服の着こなしを見ればその候補生の人となりが
おおよそ把握できるそうです。
●5月
短艇競技
短艇(カッター)の操舵については、入校時から継続的にトレーニ
ングを重ねています。この日は分隊対抗で、直線2000mの速さ
を競います。手の平のマメが潰れたりお尻が擦りむけたりと苦しみ
つつ、候補生たちはチームワークの大切さを学んでいきます。
防火実習
艦内での火災発生を想定した実習で、模擬機関室に火を放ち、そこ
へ入り込んで消火します。火を恐れる人間ほどホースから顔を上げ
てしまったりして火傷しやすいそう。マンツーマンに近い指導なの
で、そんなときは教官も一緒に火傷することになります。
消火器射撃
64式小銃と拳銃の射撃訓練。確認できていませんが、もしかした
ら今は89式小銃にグレードアップしているかもしれません。防大
卒と一般大卒で成績に差が出るということはなく、射撃については
センスの問題だとか。
●6月
短艇点検
ここでは短艇の操舵ではなく、短艇とそこに付随する部品などの整
備がなされているかどうかの点検や、漕艇するための知識に関する
確認が行なわれます。
防水実習
艦に穴が開いた状態を想定した模擬装置を用いて、その穴をいかに
効率よく迅速に埋めていくかを学びます。模擬装置は同じ敷地内の
第一術科学校にあります。ものすごい勢いで穴から水が噴き出して
くるので、当然ながら全身ずぶ濡れに。
●7月
水泳訓練
どんなカナヅチでもかならず泳げるようになる奇跡の訓練。教官い
わく「科学的に教えれば誰でも泳げる」。なんと心強い……! 6
~7月の2か月間プールで訓練を積み、年間行事の中でも最大イベ
ントのひとつ、遠泳に備えます。
遠泳
8マイルを約8時間かけて泳ぐ、候補生にとって最大にきつい行事
のひとつ。分隊ごとに隊列を組み、励まし支え合いながら完泳を目
指します。
昼食は伝馬船の両脇に流した竹竿につかまって取ります。焼きおに
ぎり、漬物、ちくわにデザートがバナナと、メニューはほぼ毎年固
定。このほか栄養補給として、氷砂糖の入った洗面器が流れてくる
ほか、天馬船から乾パンがばらまかれるサービス(?)も。すぐに
食べない氷砂糖や乾パンについては、濡れないように水泳帽の中に
保管するのがコツ。なお、候補生たちが取り損ねた乾パンを目当て
に、候補生たちの隊列の後ろには水鳥の隊列が続きます。かわいい!
●8月
帆走巡航(※9月の場合もあり)
短艇に帆を張って江田島の周辺を回ります。夜はロッジなどに宿泊。
風があるときは漕ぐ必要もないので、爽快なクルージングとなり
ます(もちろん風がないときは人力で進まなければなりません)。
幕営
いわゆるキャンプのこと。幕営は後方支援が大変なのでしばらく中
止されていましたが、2007年から復活しました。帆走巡航と同
時に行なった年は3泊4日の日程で、宿営場所は厳島神社で有名な
宮島。行先は毎年異なります。帆走巡航と幕営は、候補生たちにと
って数少ないイベント色の強い楽しめる行事。ただし過去3年間は
開催されていません。コロナ禍ということもあり、今年も開催は難
しいかもしれませんね。
9月以降は次週に続きます。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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