※昨日08時に配信したメルマガですが、
「届いていない」との連絡がありましたので
念のため再送いたします。(エンリケ)
こんにちは、エンリケです。
108回目の美佐日記。
ことし最初の配信です。
うなづきっぱなしでした。
さっそくご覧ください。
エンリケ
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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(108)
「空気」に支配されている現実
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和3年最初の今回
は108回目となります。
皆さま、どのような年末年始を過ごされたでしょ
うか。自衛隊は鳥インフルエンザや豚熱(豚コレラ)
の災害派遣に出動していました。本当にありがと
うございます。
千葉県いすみ市では100万羽を超えるニワトリ
の殺処分を支援するため第一空挺団をはじめとする
千葉県内の部隊が大晦日まで活動、三重県の第33
普通科連隊(久居)は年越しで豚の殺処分にあたり、
元日に撤収となりました。強い寒気が到来し小雪
舞う中での作業だったそうです。
また、旭川や大阪でのコロナ対応で派遣されてい
た看護官の皆さんは、12月中に撤収はしましたが、
その後、2週間の経過観察が必要と考えられ、自
主隔離の中で年越しをすることになったとみられま
す。
さらに、海外での任務に就くために年越しが隔離
期間と重なっていた方もいるかもしれませんし、単
身赴任で唯一の家族と過ごせる時間のはずだったの
に今回はひとりで過ごしたという方も多かったので
はないかと想像します。
「コロナをそんなに恐れることはないんじゃない?」
と感じる人もいるでしょうけど、自衛隊など危機
管理組織にとっては及ぼす影響が絶大ですので、世
論や一般論とは異なる世界があります。
飲みに行くのが大好きな警察官や海上保安官の知
人も、じっと我慢の日々だと言っていました。部下
を持つ立場ならばなおさらで、行動自粛を命じてい
るわけですから、上に立つ人が自ら手本にならなけ
れば皆がついて来なくなるという意識も強いと思い
ます。人員を統(す)べるということは自らを一層
強く律しなければならないわけで、この点が民間企
業の上下関係とは決定的に違うところです。
自衛隊におけるコロナ陽性者も増加してはいます
が、一方で、黙って我慢の時を過ごしている隊員の
皆さんやご家族に、この場を借りて御礼申し上げま
す。
首都圏では緊急事態宣言が再び発令されました。
日本の憲法には緊急事態条項がないため、法的拘束
力がない宣言では効果がないのかと思いきや、少な
くともこれまでは全くそんなことはなく、行動を大
きく変えることができています。
ただし、強制力がなく、あくまで「要請」で全て
の人に従う義務がない分、それに伴う補償も限定的
ということになれば、むしろ問題は大きいと言えま
す。
大多数の日本人が法的根拠のない「空気」に支配
されて行動するという現実、また政府も「もっと補
償が必要だ」という世の中の空気を受けて初めて施
策をするようでは、とても健全とは言えない構図で
す。
振り返れば実はわが国では、これまでずっと法的
拘束力のないものに支配されてきた現実にも気づか
されます。
例えば「武器輸出3原則」とか、長年にわたり議
論の的になっていましたが、そもそも国会答弁であ
り法律でも何でもないものです。そういえば「災害
派遣の3要件」も、法的根拠はないものだったりし
ます。
元をたどれば憲法論議になる類の話ならば、まだ
分かりますが、そうでないものも含め、原則やら談
話やらで強く自らを縛ってきた経緯を考えると、日
本人にはあまり法律の制定って大きな意味を為さな
いのか!?などと思ってしまいます。
憲法改正論議が常に低調なのも、この日本人の気
質に依るところが大きいのではないだろうか、とも
・・・。
いずれにしましても、自殺者が増加しているとい
う中、生活困窮者を増やすようなことは何としても
防いでもらわなくては日本はどん底に落ちます。い
つも繰り返しますが、お店が休業すれば、雇用者は
もちろん、仕入れ業者など関係する人たちに想像以
上に影響は広がっているのです。
コロナ感染者や死者数が毎日、数えられていて、
とてつもなく増えている印象がありますが、実際に
は全体の死者数は少なくなっているというデータも
あるようです。全世界でも、今後、同じようなデー
タ分析が出るかもしれません。そのあたりも注視し
たいところ。
コロナはやっとワクチンが登場したばかりの未知
のウイルスであるために、引き続き注意深く付き合
っていかねばなりませんが、報道される数字に狼狽
して踊らされるような、まさに「空気による支配」
になっていないかどうか、常に自ら確認する。そん
な冷静さも持ち合わせたいものです。
<おしらせ>
月刊誌『丸』2月号から連載が始まりました。「誰
も知らないニッポンの防衛産業」です。コツコツ書
いてまいります!
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2,YouTubeチャンネルくららで毎週土曜に
アップしている「国防ニュース最前線」、今週も伊
藤俊幸・元海将に解説をして頂きます。
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(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。
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