こんにちは、エンリケです。
藤井岳さんの、
「自衛隊・熱砂のイラク派遣90日」
の二十二回目です。
さっそくどうぞ
ご意見・ご感想お待ちしてます。
コチラからどうぞ
↓ ↓ ↓ ↓
https://okigunnji.com/url/7/
エンリケ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
自衛隊・熱砂のイラク派遣90日(22)
ロケット攻撃は続く
藤井岳(ふじい・がく)(元陸自2曹)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□はじめに
本年も残りわずかとなりました。
令和は平穏で素晴らしい時代になって欲しいと願
ったものの、本年、令和2年は1年のほとんどを新
型コロナウイルス感染症に悩まされた年でした。
そのような困難の中、7月から「自衛隊・熱砂の
イラク派遣90日」を連載させていただき、また、
その他雑誌などの執筆や取材でも新しいことをやら
せていただく機会にも恵まれ、仕事に限って言わせ
てもらえば、とても喜ばしい年でした。
新しい年も、まだ当分はコロナに悩まされること
になると思いますが、自分にできる対策を行ない、
注意しつつやっていくしかないでしょう。困難の中
で、仕事をどう進めていくか。常に前を向いて、で
きることをコツコツとやっていく所存です。
連載は後半に入りましたが、まだ続きます。読者
の皆様におかれましては、拙い私の文章ですが、最
後までお付き合いしていただけたら幸いです。
新しい年が読者の皆様にとって良い年になります
よう、心よりお祈り申し上げます。
本年は誠にありがとうございました。皆様よいお
年をお迎えください。
藤井 岳
▼「新潟県中越地震」で原隊は災害派遣へ
宿営地内にロケット弾攻撃を受けたものの、被害
もなくホッとしていたところに、ショッキングなニ
ュースが飛び込んできた。
2004年10月23日に発生した「新潟県中越
地震」である。一般隊員のリアルタイムな情報源と
いえば食堂内のテレビしかなく、食事のたびにテレ
ビの画面を観ながら状況の推移を見守った。
地震の規模や被害の出ている地域を考えると、東
北の部隊が災害派遣で出動するのは間違いなさそう
だった。時間が経つにつれて明らかになる被害の大
きさに、すぐにでも帰国して災害派遣部隊に合流し
たい思いが強くなったが、我々もまた重大な任務を
帯びて中東の地まで来ているのだ。最後まで復興支
援任務を遂行しなければならない。
原隊の後輩に部隊の状況をメールで訊ねると、す
でに派遣準備を整え、出発の命令を待っている状態
だと返事が来た。
「気をつけてな、よろしく頼む」と返信する。
このやり取りの直後、部隊は新潟へ出発した。
▼コンテナを貫通したロケット弾
10月22日の攻撃から、それほど日も経ってい
ない10月31日、再びサマーワ宿営地は攻撃にさ
らされた。前回同様、ロケット弾による攻撃で、宿
営地内に着弾、資材を集積したコンテナを貫通した
。幸いにも隊員に被害はなかった。
私の日記の31日の部分に着弾の記載はなく、翌
日11月1日の部分に「昨夜の22時30分頃、再
度着弾」と書かれている。
11月1日、食堂で喫食していると、昨夜の着弾
のニュースが流れ、食堂内の隊員たちは一斉に大型
テレビの画面を見つめた。
「もうニュースになっているのか」
「早いですね」
同僚と画面を見ながら言葉を交わす。
ロケット弾が貫通したコンテナは宿営地内の道路
脇にあり、私のランニングのコース沿いだった。ど
こだろうと周囲を見回しながら走っていると、周囲
にスズランテープ(合成繊維製の幅広で薄手のテー
プ)が張られたコンテナを見つけた。足を止め、近
づいてみる。大きな穴が空き、コンテナの内部が見
えた。内部には資材が積まれていたが、その用途は
わからない。見た感じでは重要な資材ではなさそう
だった。
それまでの攻撃は宿営地の外に着弾していたのが
、10月22日から2回続けて宿営地内へ着弾した
。攻撃の精度が高まっているのか、それとも偶然か
……。
再び走り出し、考えるのをやめた。考えたところ
で次の攻撃を阻止できるわけでもないし、着弾地点
を予測できるわけでもない。我々は備えるしかない
のだ。
▼11月、撤収始まる
11月に入ると、日中の暑さが少々やわらいだ気
がした。そして夜に寒さを感じる日も出てきた。出
国前に衣類を準備する際、セーターを畳みながら「
11月までいるけど、セーターなんか必要だろうか
」と訝しく思ったが、11月以降は着る機会も多く
、重宝した。
この頃、我々と交代でサマーワ宿営地に展開する
第4次復興支援群に参加する少年工科学校時代の同
期とは頻繁にメールで情報交換していたが、彼らが
来る12月、1月はさらに寒くなると予想し、防寒
着は多めに準備した方がいいとアドバイスした。
整備小隊では通常業務の規模が縮小され、同時に
資機材の手入れ、片付けなど、第4次群整備小隊へ
の引き継ぎ準備が始まった。
こういった引き継ぎ準備は他部隊、他部署でも同
様に始めたようだった。また、本来の業務が減った
代わりに、整備業務以外の仕事が増え、耐弾化工事
や新しいプレハブの組み立てといった作業にも従事
するようになった。
活発だった宿営地内の各部隊の動きも少々静かに
なった感があり、ここを去る日も近いと思うと、何
となく寂しさを感じた。
(つづく)
(ふじい・がく)
藤井さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
↓
https://okigunnji.com/url/7/
【著者紹介】
藤井岳(ふじい・がく)ペンネーム
1979年岩手県一関市生まれ。1996年自衛隊生徒とし
て陸上自衛隊入隊。少年工科学校へ入校。卒業後機
甲生徒課程を経て第9戦車大隊(岩手)で戦車乗員
として勤務。2004年第3次イラク復興支援群に参加、
イラク・サマワにて任務に就く。2005年富士学校
(富士)に転属。機甲科部で助教として戦車教育に
従事。2008年退職。フリーランスフォトグラファー
として活動を開始。自衛隊航空部隊の撮影、取材に
取り組む。2015年から「PANZER」誌で執筆開始。そ
の後「丸」「JGROUNDEX」「JWings」などで写真
や戦車に関する記事を発表。現在に至る。
▼きょうの記事への、あなたの感想や疑問・質問、
ご意見は、ここからお知らせください。
⇒
https://okigunnji.com/url/7/
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。
PPS
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメールマガジ
ン「軍事情報」発行人に帰属します。
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
----------------------------------------------
発行:
おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト
https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら
https://okigunnji.com/url/7/
---------------------------------------------
Copyright(c) 2000-2020 Gunjijouhou.All rights reserved