配信日時 2020/12/24 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (307)】  海上自衛隊幹部候補生学校(3)

こんばんは、エンリケです。

「海上自衛隊幹部候補生学校」の三回目です。

施設の案内。
あなたも懐かしく当時を思い起こしたのではないでしょうか?

さてことしの配信は今日が最後です。
来年初めの配信は七日の予定です。


さっそくどうぞ


エンリケ

追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (307)』

 海上自衛隊幹部候補生学校(3)

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こんばんは。渡邉陽子です。
今年のメルマガは今週が最後となります。今年はおそらく自分の人
生で最初で最後になるであろう東京開催のオリンピックを満喫する
はずの年でしたが、生きているとなにが起こるかわからないもので
すね。不可抗力により引き起こされた事態に茫然とするという経験
は、東日本大震災以来でした。唐突に訪れた非日常にまいっている
ときも、毎週1回メルマガを配信していただくという定期的な「T
o Do」があったおかげで、平常心を保てていたところがありました。
改めて管理人様に感謝するとともに、読者のみなさまにも心から御
礼申し上げます。ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください!


記事掲載のお知らせです。

『丸』12月号の「世界の軍備」に「個人用防護装備防護マスク」が
掲載されました。今回は自衛隊の装備品である防護マスクだけでな
く、新型コロナで人々の生活に不可欠なアイテムとなったマスクに
ついてもご紹介しています。医療従事者が使うサージカルマスクと
自衛隊の防護マスクの製造メーカーは同じなのです。
マスクの正しい装着方法についても触れました。
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『PANZER』12月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第20回が掲載されました。
今回は防衛大学校幹事時代のお話前編です。幹事とは、一般の学校
でいう副校長。自身が学んだ防大に、今度は将官として戻ってきま
した。凱旋ともいえますが「演習場で状況中」が三度の飯より好物
の火箱氏、最初はあまり乗り気な人事ではありませんでした。しか
も当時の防大生は…… https://amzn.to/3ovGXOA

月刊『正論』6月号に「自衛隊あってのオリンピック」
最終回が掲載されました。https://amzn.to/3cOzOSQ



■海上自衛隊幹部候補生学校(3)

先週の最後でカリキュラムについて触れました。
金曜夜から日曜夜までは原則として休日で外泊も許可されています
が、試験や各種競技会の前など、休日を勉強や訓練に充てる場合も
少なくありません。心待ちにしているであろう週末のフリータイム
も、100%確約されているわけではないということです。

幹候での全課程を修了して卒業を迎えた後は、約半年間の遠洋航海
を経てから、いよいよ部隊に配属されます。
机上で得る知識はもちろん大事ですが、実際の現場を何も知らない
幹部では使いものになりません。そこで護衛艦や掃海艇、潜水艦、
航空機など、さまざまな部隊で研修や実習を重ね、現場を肌で覚え
るわけです。

さて、ここからは幹候の施設についてご紹介します。OBや現役海上
自衛官はもちろん、江田島ツアーなどで校内を訪れたことのある方
には覚えのあるものもあると思います。

●表桟橋
幹部候補生学校の表玄関にあたる浮き桟橋。入校時は「裏門」に当
たる道路に面した玄関からやってくる候補生たち、卒業時にはこの
表桟橋から遠洋航海に旅立って行きます。

●水交館
水交館は明治21(1883)年に集会所として建築された、江田島地区
に現存する最古の建築物。進駐軍接収時には牧師等の宿泊所として、
現在は国内外の来賓の接遇などに使用されています。

●教育参考館
昭和11(1936)年に建築されたギリシャ神殿風の鉄筋コンクリート
造の2階建て。館内には幕末から第二次世界大戦までの海軍関係者
の書や遺品、約1270点が展示されています。おもな展示資料に、東
郷平八郎元帥、ネルソン提督(大英帝国)、山本五十六元帥の遺髪、
海軍将校の書、特攻隊員の遺書、横山大観の富士を描いた「正気放
光」などがあり、年間約8万人の見学者が訪れます。
 

●主砲砲弾と特殊潜航艇
日清戦争で活躍した三景艦(松島、橋立、厳島)の主砲砲弾や戦艦
大和の主砲砲弾、そして特殊潜航艇が、教育参考館そばに展示され
ています。特殊潜航艇は真珠湾攻撃で使用された5隻のうちの1隻。

●戦艦陸奥主砲砲塔
この2連装砲はかつての戦艦「陸奥」の4番主砲として搭載されて
いた40センチ砲。昭和10(1935)年に海軍兵学校生徒の教材として
この地に移設されました。

●大講堂
鉄骨レンガ石造の大講堂は大正6(1917)年に建築された。石は国
会議事堂にも使用されている花崗岩を使い、内部はほぼ吹抜けとな
っており、約2000名の収容能力があります。現在は幹部候補生の入
校式や卒業式などで利用されています。

●赤レンガ
通称「赤レンガ」と呼ばれる幹部候補生学校庁舎は、明治26(189
3)年に海軍兵学校生徒館として建築されました。設計は、東京築
地にあった兵学校生徒館も手がけたイギリス人建築家によるもの。
背後にそびえる山は、旧海軍兵学校生徒が訓練のために登っていた
古鷹山。

●高松宮記念館
高松宮記念館(旧高松宮邸)は、高松宮宣仁親王の兵学校予備教育
中の特別官舎として、大正9(1920)年に総檜造で建築されました。

●武道場
昭和13年に建てられた。剣道や柔道などの訓練で使用されます。




(つづく)



(わたなべ・ようこ)


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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


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