配信日時 2020/12/21 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(106)】知らずに人権侵害に関わっている怖さ

こんにちは、エンリケです。

106回目の美佐日記。

きょうの記事を拝読し、
わたしも思うところ多かったです。

まずは個々人が「意識すること」から
始めるしかないのでしょう。

そして、事実をきちんと伝えている人か
ら情報を得るための力を養うことでしょ
う。

さっそくご覧ください。

エンリケ



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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(106)

知らずに人権侵害に関わっている怖さ

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は令和2年12月の今
回で106回目です。

 人間は意図せずとも毎日なにかしらの罪を重ねて
いるようです。神様はそれを忘れないように、たま
に改めて教えてくれます。

米国が急ピッチで進めている人権侵害に関係する規
制や制裁で分かったことがありました。

米国は2020年6月に施行された「ウイグル人権法」に
より、米国企業に対し強制労働などの人権侵害に関
与した中国人や企業との関係を断ち切るよう求めて
いることはすでにご存じの通りです。

 具体的な事例としては、6月に新疆ウイグル自治
区からの輸入品取り締まりを強化し、人毛カツラな
どのヘア製品13トン(約8600万円相当)を押
収しています。

 新疆ウイグル自治区からの輸入禁止は、9月には
綿製品などにも広がり、繊維製品、衣料品、ヘア製
品、コンピューター部品、皮むきニンニク、トマト
などにも及んでいるようです。

 ポンペイオ国務長官は「企業経営者は、人間の尊
厳への攻撃を支援することによる企業評価や、経済
、法的リスクを認識すべきだ」と警告し、トランプ
政権では政権移行ギリギリまでこうした措置を進め
るとみられます。

そして、バイデン政権になってもこの流れは受け継
がれることになるでしょう。

 当然、日本にとっても他人事ではなく、中国に生
産拠点があるなどで不買対象になる可能性が出てき
ています。

 中国は世界最大の綿の生産国の1つで、その80
パーセント以上は新疆ウイグル自治区で作られてい
ると言われます。

その流通先は、ナイキ、GAP、H&M、アディダ
ス・・・などなど私たちのお馴染みのメーカー名が
あがっています。

事実上、アパレル業界全体が新疆ウイグル自治区の
強制労働から利益を得ていると言ってもいいことが
分かってきているのです。

新疆ウイグル自治区で生産された綿は中国各地で加
工され、その製品がバングラデシュやカンボジア、
ベトナムといった国に輸出されます。そして、これ
らの国々で仕上げられた製品が米国、日本をはじめ
多くの国に入っているというのです。

ということは「メイドイン・ベトナム」だから大丈
夫だ、というわけではなさそうです。

最近も、ユニクロや無印良品がそのリストとして名
前があがり、両社は新疆ウイグルや強制労働との関
与を否定したようですが、間接的に、知らず知らず
に関わっている可能性も否定できないわけです。

 私たちの多くが、きっと買ったことがあるだろう
物が、強制労働で作られていた!? 私たちは人権
侵害に関与してしまったのか!と思うと、これまた
トンデモナイことをした気持ちになります。

 経済活性化のために、などの思いで良かれと思っ
た買い物が、実は責められるに値するかもしれない
という、恐ろしい事実があるのです。

 一体何ができるか? いま着ている安い服を全て
捨てるというわけにもいきませんので、この事実を
少しでも多くの人に伝えるということが、とりあえ
ずはできる行動になりそうです。

 ところで、前回、予備自衛官の皆さんに、コロナ
状況下での訓練についての誤った情報が伝わってい
ることを書きましたが、そのことにより、自衛隊側
から「間違った情報を改め正しい情報を伝える」と
いう処置がなされてしまったようです。

 誤情報を伝えられて、あるいは誤解を招く表現に
より、迷惑したのは予備自衛官の側なのに・・。本
来、まずは「すみませんでした」というお詫びがあ
るものだと勝手に期待してしまったのですが、結果
的に「あなたは間違えている」という連絡が行った
だけになってしまったようで、残念・・・・・・。
書かなければよかったかなと反省しています。

 急激に胃が痛くなり、寝られなくなりました。良
かれと思ったことが、トンデモナイ真逆の結果を招
いてしまうこと、身近にもありますね・・・。

 もしかしたら『日本に自衛隊がいてよかった』な
どを読んで自衛隊を目指して入隊し、入ってみたら、
やめればよかった! あの本に騙された!なんて
いう人もいるかもしれません。そう思い始めたら恐
ろしい気持ちになります。

そんな中でもありがたいのは皆様からのメッセージ
です。前回の日記に対し感想を頂戴しました。

「自衛隊も自衛隊支援者も立派。一国民として感謝。
頑張れ!」と「Tokyo Boy」さんから。
ありがとうございます!

 また、

 「今日の日記は、非常に示唆に富んだ内容だった
と思います。旭川市の保健所職員のコメントは、自
衛隊に対して無礼極まる発言です。北海道では、自
衛隊に対する認識は、それ以外の地域に比べて、も
っと理解あるものと思っていましたがこんな発言を
する人がいるのですね。」とNさんから。

Nさんは、官僚の国家観のなさも嘆いています。悉
く同感です。ありがとうございました!

これからも、懲りずにどうぞよろしくお願いいたし
ます!!

 
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアッ
プしている「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊
幸・元海将に解説をして頂きます。
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。


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