━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
 
E-ｍａｉｌ hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
分隊支援火器といえばこれ！
ミニミ/M249です。

『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
2020/7/10 発行
https://amzn.to/3gGpNcq
※大好評発売中

武器オンチの日本人には
特におススメです。

きょうも面白いです。


いまがミレニアム規模の「時代の大転換」
のさなかにあるのは間違いないように感じます。

●●主義という言葉に代表される
「イデオロギーの時代」は、
完全に終わったのではないでしょうか？


その意味でも、今後のトランプの動向には
要注目です。


さっそくどうぞ


エンリケ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編　　　　　

イスラエル軍事力（３）「６日間戦争」


Takashi Kato

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□トランプツイッター１２月１１日付
 
　１９６０年代、日本でも放映された米ＳＦテレビ
ドラマシリーズ『ミステリーゾーン』に、地球に非
常によく似た、しかし細部が微妙に異なる世界に足
を踏み入れてしまう宇宙飛行士のエピソードがあり
ました。伴侶も娘も隣人も街並みも宇宙に行く前と
寸分たがわないのに、元いた地球ではないと直感で
分かる・・・そんな違和感がうまく醸し出されてい
ました。
 
「アメリカが２つある」。上述のミステリーゾーン
で描かれたような戸惑いは、リベラルな主流メディ
アと保守系マスコミの報道を比べるときに感じます。
前者がバイデン政権を既定事実とし組閣ニュース
を連日トップで報じる一方、後者は「選挙結果は逆
転可能」との立場からトランプ陣営による法廷闘争
やドミニオン投票機絡みの疑惑を詳細に伝えている
からです。選挙人団投票が終わり、バイデン氏が勝
利宣言した今もそれは変わりません。
 
どちらのアメリカに属するかにもよりますが、わた
しの目に取り分け異形（いぎょう）に映るのは、ト
ランプ支持派７４００万人の８割が「選挙不正疑惑」
を抱いている現実が主流マスコミで報じられていな
いことです。バイデン政権発足は動かないとするニ
ュース各社にとって、トランプ派の動向には報道価
値がないのでしょう。しかし、この選挙はすでに
「どちらが勝利したか」の次元のみでは語れません。
米選挙と民主主義への信頼が揺らいでおり、同疑惑
の扱いによってはアメリカが分裂しかねない状況だ
からです。この選挙の余震はまだやってきそうな気
がします。
 
　むろん一有権者の身には、本選挙で組織的または
自然発生的な不正があったかどうかは分かりません。
正直なところ、不正行為の証拠とされるビデオや
宣誓供述書にはいま一つ説得力が欠けていると感じ
ます。またドミニオン社の投票機が外国勢力にハッ
キングされていたとの主張は「驚くべきもの」です
が、それを裏打ちする「驚くべき証拠」は今に至る
も提示されていません。しかし・・・違法行為その
ものの有無とは関わりなく、アメリカの危機的状況
は選挙制度そのものが瓦解する寸前に達しています
。
 
今回のツイッターは、テキサス州検事総長がジョー
ジア州やミシガン州に対して起こした選挙不正訴訟
が最高裁によって棄却されたことに対する反応です。
１７の州とトランプ陣営が公式に支援を表明し、最
高裁に訴訟を審理するよう求めましたが「テキサス
州には他州を相手取って訴訟を起こす法的資格がな
い」として門前払いの裁定が下されたのです。
 
最高裁が訴訟を受理せず、したがって、不正の有無
に関する司法判断を回避したことが意味するものは
何か？　１つには、すでに「手段を選ばぬ民主党と
マスコミが結託して選挙不正を行なった」と疑心暗
鬼に陥っているトランプ支持者ら約6千万人が選挙
制度への信頼を失うのは必至です。
 
民主党支持者の中にも不正が行なわれたと感じる人
々が一定数いるそうですから、米有権者の約半分が
「来年１月ジョージア州で行なわれる上院決選投票
は言うに及ばず、２年後の中間選挙や２０２４年の
大統領選挙でも、いや、その後もずっと公正な投開
票は不可能になる」と憤り、選挙を見限る恐れがあ
ります。
 
憤怒と落胆の世論を放置し、指摘されている選挙不
正の検証努力を今後も怠れば、遠からずアメリカの
民主主義は潰（つい）えます。最悪の場合、それは
国内外の反米主義者たちが目論むアメリカ内部崩壊
につながりかねないのです。
 
　したがって、いまアメリカで何より早急に求めら
れているのは選挙制度に対する信頼回復です。不正
の影響を直接受けないテキサス州に起訴人資格がな
いと言うなら、トランプ陣営は影響をもろに受ける
原告です。勇気ある最高裁判事らが証拠を審理し、
しかるのち、何らかの裁定を下す。結果にかかわら
ずトランプ大統領は司法判断を受け入れる・・・。
南北戦争以降、アメリカが直面した最大の国難を回
避する唯一のシナリオだと思います。
 
　ちなみに今後の動きですが、選挙人団の投票結果
が来年１月６日に上院下院総会で吟味されます。こ
こで、次期大統領が最終的かつ公的に決定します。
トランプ氏はこのぎりぎりの期限まで訴訟を続ける
ものと思われます。一部では「制限的戒厳令」を主
張する弁護士や退役将軍らの発言が煽情的に報道さ
れていますが、決定的な不正の証拠なく軍政を敷け
ばアメリカという「舞台」そのものを壊してしまう
ことになり、「再びアメリカを偉大に」と訴えるト
ランプ氏がこのような選択をするとは思えません。
 
　本日のトランプツイッター、キーワードは
let down。「失望させる」「信頼に背く」と訳しま
す。
 
The Supreme Court really let us down. No Wisdo
m, No Courage!
 
「最高裁には本当に失望させられた。見識も勇気も
ない！」
 

▼「６日間戦争」

　兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。

「加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。

　イスラエルの国防３回目は第３次中東戦争、いわ
ゆる「６日間戦争」で、アラブ諸国側に圧倒的勝利
を収めたイスラエル空軍を採り上げます。
 
　現在イスラエルが位置する「カナンの地」は紀元
前から多くの国家が興亡を繰り返してきた土地柄で、
現在に至るも複数の民族が帰属を争っています。

　１９４８年５月４日、イスラエルが建国を宣言す
ると、ユダヤ人の国家を認めないアラブ諸国が一斉
に反発。翌１５日、南からエジプト軍、東からヨル
ダン軍とイラク軍、北からはシリア軍がイスラエル
に侵攻し第１次中東戦争が勃発したのです。

　無勢に多勢の戦いを「独立戦争」と位置付けて戦
い抜いたイスラエルは主権国家としての地位を確保。
三方を敵国に囲まれたイスラエルはその後も「国家
喪失」を切迫した危機と捉え、イスラエル国防軍を
設立すると同時に、海外から大量の武器を購入し将
来の侵略に備えたのです。
　
　１９５６年スエズ運河の利権をめぐって起きた第
２次中東戦争後、同地域はいくらか安定の兆しを見
せていました。しかし、１９６４年にはパレスチナ
解放機構（PLO）が結成され、イスラエルに対するゲ
リラ攻撃を継続的に行なうようになります。１９６
６年にはパレスチナ独立を目指す政党ファタによる
イスラエル兵殺傷や、シリア軍によるイスラエル領
内砲撃が起き中東情勢が再び緊迫。翌年、モサドの
諜報活動でエジプトがシナイ半島に兵力を終結させ
ていることを察知したイスラエルは「座して死を待
つ」より、生き延びるため「先制攻撃」の決心を固
めます。

　１９６７年６月５日、イスラエル空軍機がエジプ
ト、ヨルダン、イラク、シリアの空軍基地を奇襲攻
撃し４００機以上の航空機を破壊。全戦域での制空
権を確保したイスラエルは陸軍を進撃させ、ヨルダ
ンのウエストバンク、エジプト領ガザ地区とシナイ
半島、およびシリアのゴラン高原を占領。わずか６
日間の戦いで、イスラエルの占領地域が戦前の４倍
になったのは周知の事実です。

　最後にひと言。中共の王毅外相が、こともあろう
か訪日中に尖閣諸島の領有権を主張しました。メー
クなしで京劇役者を彷彿とさせる王毅氏の面構えに
気圧（けお）されたのかどうかは知りませんが、茂
木外相は即座に反論しませんでした。日本の弱腰を
世界に知らしめた王毅氏はさぞご満悦だったでしょ
う。

平和憲法と専守防衛を「護符」と頼る日本に対し
「力による現状変更」が実行されるのは時間の問題。
６日間戦争でイスラエルが世に知らしめた「国を守
り抜く決意」と「行動」には大いに学ぶべきものが
あると思います。


教材ビデオ:
WHY NO ENEMIES OF ISRAEL DARES TO TOUCH IT? -YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tdGMUhTkdDE&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=168

（イスラエル空軍のビデオは３：０２から始まりま
す）

基本語彙（カタカナ表記は大雑把なものです）
Claim（クレイム）獲得する　奪う
Aerial（エアリアル）空中の　航空機の

シナリオ（カウンターを３：４１に合わせてくださ
い）

In just 6 days, Israel claimed a total of 452
Arab aircrafts destroyed, of which 49 were aer
ial victories.

（わずか６日間で、イスラエルはアラブ側の航空機
４５２機を破壊し、うち４９機は空中戦によるもの
だった。

（イスラエル空軍のビデオは４：２０まで続きます）

 
英語一言アドバイス：
aerialは「空中の」「航空の」という意味で、
aerial archeology なら「航空考古学」です。これ
はナスカの地上絵のような考古学上の遺跡を空中か
ら調べる学問を指します。

発音サイト：
aerialの発音　
How to pronounce aerial | HowToPronounce.com
https://www.howtopronounce.com/aerial

参考サイト：
第３次中東戦争（６日間戦争）第三次中東戦争 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E6%AC%A1%E4%B8%AD%E6%9D%B1%E6%88%A6%E4%BA%89





（かとう・たかし）



●著者略歴
 
加藤喬（かとう・たかし）
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授（2014年7月退官）。
著訳書に第３回開高健賞奨励賞受賞作の『ＬＴ―あ
る“日本製”米軍将校の青春』（TBSブリタニカ）、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『Ｍ16ライフル』『ＡＫ―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『ＭＰ３８／４０
サブマシンガン（近刊）』（いずれも並木書房）
がある。
 
 
追記

『ミニミ軽機関銃』
https://amzn.to/3gGpNcq
※大好評発売中

「MP5サブマシンガン」
http://okigunnji.com/url/14/
※大人気継続中

『AK-47ライフル』
http://amzn.to/2FVniAr
※根強い人気

『Ｍ16ライフル』発売中♪
http://amzn.to/2yrzEfW

『ガントリビア９９』発売中！
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633456/
 
『アメリカンポリス４００の真実！』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
 
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
 
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事（桜林美佐氏）：
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス　戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X　
 
『レックス　戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
　⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
 
---------------------------------------
 
日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代　(passage of
lines)　を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
　同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は　"Repeat"　ではなく　"Say again"　です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
　兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。　
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"　
と表現します。
 
　『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤　喬
----------------------------------------
 
 
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス（携帯サイトを含む）で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。

-----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行：おきらく軍事研究会
（代表・エンリケ航海王子）

メインサイト：
https://okigunnji.com/

問い合わせはこちら：
https://okigunnji.com/url/7/

メールアドレス：
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置
き換えてください)
------------------------------------------
 


配信停止はコチラから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
 
----------------------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメー
ルマガジン「軍事情報」発行人に帰属し
ます。

Copyright (C) 2000-2020　GUNJIJOHO All rights reserved.