配信日時 2020/12/17 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (306)】  海上自衛隊幹部候補生学校(2)

こんばんは、エンリケです。

「海上自衛隊幹部候補生学校」の二回目です。

具体的な話がうれしいですね。

さっそくどうぞ


エンリケ

追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (306)』

 海上自衛隊幹部候補生学校(2)

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こんばんは。渡邉陽子です。
12月は仕事仲間と温泉に行くのが恒例行事になりつつあったので
すが、今年はコロナのせいで泣く泣く参加を見送りました。忘年会
もことごとく開催見送りのなか、唯一開催予定だった学生時代のメ
ンバーとのものも、結局中止に。この時期かならず会えていた友人
たちの顔を見ることのないまま年を終えることに、寂しさを感じて
います。


記事掲載のお知らせです。

『丸』12月号の「世界の軍備」に「個人用防護装備防護マスク」が
掲載されました。今回は自衛隊の装備品である防護マスクだけでな
く、新型コロナで人々の生活に不可欠なアイテムとなったマスクに
ついてもご紹介しています。医療従事者が使うサージカルマスクと
自衛隊の防護マスクの製造メーカーは同じなのです。
マスクの正しい装着方法についても触れました。
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『PANZER』12月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第20回が掲載されました。
今回は防衛大学校幹事時代のお話前編です。幹事とは、一般の学校
でいう副校長。自身が学んだ防大に、今度は将官として戻ってきま
した。凱旋ともいえますが「演習場で状況中」が三度の飯より好物
の火箱氏、最初はあまり乗り気な人事ではありませんでした。しか
も当時の防大生は…… https://amzn.to/3ovGXOA

月刊『正論』6月号に「自衛隊あってのオリンピック」
最終回が掲載されました。https://amzn.to/3cOzOSQ



■海上自衛隊幹部候補生学校(2)

海上自衛隊幹部候補生学校の任務は、防衛大学校、防衛医科大学校、
一般大学卒業者および部内からの選抜者に対し、幹部自衛官として
の資質を養わせるとともに、初級幹部自衛官として必要な基礎的知
識や素養、技能を取得させることです。一言で言えば「初級自衛官
としての基盤づくり」といったところでしょう。
そのために「使命感」「ジェントルマンシップ」「ミリタリーマイ
ンド」「シーマンシップ」「リーダーシップ」を教育方針としてい
ます。「シーマンシップ」はもちろん、「ジェントルマンシップ」
が含まれているところが「伝統墨守」の海らしいですよね。

組織は、校長・副校長の元に総務課、教育部、学生隊が置かれてい
ます。
教育部は幹部候補生たちを指導する教官からなり、学生隊は学生隊
本部と第1~3学生隊で構成されます。
第1学生隊は防大卒(1課程)・一般大卒(2課程)から構成され
る一般幹部候補生課程など、第2学生隊は部内出身者による幹部候
補生課程など、第3学生隊は海曹長や海准尉からなる幹部予定者課
程から編成され、それぞれの学生隊の中でさらに「分隊」に分けら
れています。
1分隊は30名ほどで、分隊単位での行動は非常に多いです。「分
隊対抗」「分隊責任」など、同じ分隊の仲間とは苦楽を分かち合う
運命共同体です。

各分隊には担任とも言える1等海尉の分隊長が置かれるほか、学生
隊全体のしつけ教育関係に関わる教官として、隊付や分隊付という
幹部自衛官も置かれます。
候補生にとって分隊長が「悩みごとを相談できるやさしい」アメな
ら、隊付と分隊付は「同じ空気を吸うだけでも恐ろしい」ムチの存
在。この指導方法も海軍時代からの伝統です。

教育期間は、もっとも長いのが防大卒・一般大卒から構成される一
般幹部候補生課程で、4月から3月までの約1年間。
同じ一般幹部候補生課程でも部内出身者(すで海上自衛官として勤
務経験のある海曹)の場合は約8か月となります。
飛行幹部候補生課程は約6か月、海曹長や海准尉からなる幹部予定
者課程は約3か月半。さらに公募幹部が約2か月、医科歯科課程が
約6週間となっています。
それぞれ入校も卒業も時期が異なりますが、さまざまな幹部候補生
課程が重なる時期は最大450名ほどが在籍し、学校の人口密度も
上がります。幹部候補生たちは、在校期間は敷地内の学生館で居住
し、寝食をともにします。

ある年4月に入校した一般幹部候補生は1課程が95名、2課程が
111名の計206名。しかし毎年、約8~10%の候補生が心身
の事情により、志半ばにして江田島を去っていきます。防大で4年
間過ごしてきた1課程ですら落後者が出ることからも、いかに江田
島での生活が厳しいものかわかります。

カリキュラムの一例を挙げると、一般幹部候補生課程(1課程)が
1年間にこなすべき教務は合計1610時間。その内訳は、普通学、
隊務、防衛術、術科、実習・見学、訓練、体育、その他となってい
ます。
時間はまんべんなく割り振られていますが、実習・見学にあてられ
る時間はほかに比べて多くなっています。



(つづく)



(わたなべ・ようこ)


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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


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