配信日時 2020/12/04 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編】イスラエル国防軍(1)

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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp

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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
分隊支援火器といえばこれ!
ミニミ/M249です。

『ミニミ軽機関銃』
クリス マクナブ (著), 床井 雅美 (監修), 加藤 喬 (翻訳)
2020/7/10 発行
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※大好評発売中

武器オンチの日本人には
特におススメです。

きょうも面白いです。


冒頭の加藤さんのご意見に全面賛同です。

イスラエル国防軍に関するお言葉にも同意です。


さっそくどうぞ


エンリケ

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加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編     

イスラエル国防軍(1)


Takashi Kato

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□トランプツイッター番外編
 
 本稿執筆時の11月26日、アメリカは感謝祭の
休日でトランプツイッターにも目立った動きはあり
ません。今後数週間の内に、トランプ陣営が開票不
正の物的または直接証拠を提出できるかどうかが、
日米の民主主義と、ひいては両国の将来に由々しい
影響を与えるものと思われます。
 
 選挙騒動がいっとき凪(なぎ)に入った今、この
4年間を振り返って気づくことがあります。米社会
に定着しかけていた「疑ってはならない事柄」の不
文律にワイルドカード大統領が戦いを挑んだことで
す。たとえば昨今、武漢ウイルス禍に伴う都市封鎖
(ロックダウン)に反対すると、「命を軽視してい
る」とか「経済優先の冷酷」といった大合唱にさら
されます。
 
「トランプ政策には何でも反対」のマスコミや左派
に迎合する民主党系の州知事らは、感染拡大防止を
理由にロックダウンや外出自粛、教会などでの礼拝
禁止、学校閉鎖を十年一日のごとく主張し続けてい
ます。これは経済活動停止がもたらす、より憂慮す
べき影響・・・例年より1300万人多い餓死者(
国連による世界総数推定)や、失業を余儀なくされ
た働き盛りの自死、社会的接触禁止が誘発する児童
への精神的悪影響と若年層の自殺、そして癌や糖尿
病患者が通院を恐れて死に至る件数など・・・を無
視した言論統制も同じです。
 
 ハーバード大学やオックスフォード大学などの信
頼できる伝染病学者らによると、武漢ウイルスは万
人に等しく致命的なのではありません。重篤化の危
険が高いのは70歳以上の高齢者と免疫低下を伴う
持病を持つ人々。その他大多数は感染しても軽症か
無症状で済み、平均致死率は0.2パーセントである
ことが確認されています。トランプ大統領の持論通
り、各レベルの施政者らは武漢ウイルスに脆弱なグ
ループを最大限守りつつ、低リスクの市民には通常
の生活と経済活動を続けさせるのが正道なのです。
 
 ちなみにわたしは「地球温暖化」を否定する者で
はありませんが、「スパコンを総動員しても数週間
先の天気予報があてにならないのに、なぜ、変数が
桁違いに多い数十年後の気候変動が正確に分かるの
だろう?」との素朴な疑問は抱いています。しかし、
マスコミが誘導する世論はそういった純朴な好奇
心すら許しません。下手をすると、過激な環境保全
主義者や、化石燃料全廃を目指す急進左派政治家ら
の吊るし上げを食いかねないご時世。パリ協定脱退
の是非は別にして、地球温暖化に疑問を投げかけた
トランプ氏には「既成事実を疑う健全さ」の息吹き
を感じました。
 
 事程左様に、トランプ大統領がリベラル・メディ
アと真っ向から対立した4年間がなかったら、言論
の自由が失われつつあるアメリカの現実がこれほど
明確に暴かれることはなかったでしょう。
 
 来年1月20日に誰がホワイトハウスの主になる
にせよ、自由喪失の警鐘を打ち鳴らしたトランプ氏
のレガシーは、心あるアメリカ市民に受け継がれて
いくと思います。
 

▼イスラエル軍の強さの秘密

 兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。

「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。

 今回から数回にわたり、日本と極めて対照的な国
防意識および体制を有するイスラエルを採りあげま
す。初回は武器そのものではなく、徴兵制度によっ
て培われる愛国心に焦点を当てます。1948年の
建国直後から第1?5次中東戦争を戦い、今日でも
日常的に対テロ作戦を行なうイスラエル国防軍(I
srael Defense Force: IDF)には学ぶべきことが多
いと思います。

 IDFは常備軍17万人と40万人強の予備役で
構成されています。ちなみにイスラエルの人口は8
80万人。東京都の人口に満たない小国が誇る膨大
な兵力に、国防にかける本気度が窺えます。

 キリスト教徒や回教徒は除き、18歳以上のユダ
ヤ人などには兵役義務があり、男性は2年8カ月、
女性は2年軍務に尽きます。この間、基本的な武器
の取り扱いを習得するのはもちろんですが、同時に、
身を挺して祖国を守る気概と誇りも召集兵の心に
染み込んでいきます。建国以来5度にわたり四面の
敵と戦火を交わした体験が「国防はプロの兵士のみ
ならず一般市民の義務でもある」という総意の土壌
になっているのです。

 大多数の市民が持つ愛国心と武器運用ノウハウが、
侵略を寄せ付けない強靭な国家の基盤。アメリカ
からの武器および資金援助は受けているものの、日
本や韓国、欧州とは異なり米軍基地はありません。
自国の独立と安全は自国で守る。この単純かつ冷徹
な現実を、イスラエルは見事に体現しています。


教材ビデオ:
 WHY NO ENEMIES OF ISRAEL DARES TO TOUCH IT? -
 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tdGMUhTkdDE&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=168

(イスラエル国防軍ビデオは1:10から始まりま
す)

基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
Motivated(モティベイテッド)やる気のある
Conflict(コンフリクト)戦争 戦闘 紛争

シナリオ(カウンターを1:46 に合わせてくだ
さい)

This (nationalism through the draft system) la
ys the base for a strong nation where a huge p
ercent of its total population is mentally mot
ivated and decently trained to be capable of b
eing quickly called inin case of any conflict.

(徴兵制度で培われる愛国心は強靭な国家の基盤に
なっている。国民の大多数が戦時召集に精神的準備
ができており、また、それなりの訓練ができている
からだ)

(イスラエル国防軍のビデオは2:10まで続きま
す)

 
英語一言アドバイス:
 motivatedは「やる気になった」「やる気のある」
という意味です。たとえば、I ammotivatedは「や
る気満々だ」でしょう。

発音サイト:
 motivatedの発音
 How to pronounce motivated | HowToPronounce.com
https://www.howtopronounce.com/motivated

参考サイト:
イスラエル国防軍
 イスラエル国防軍 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E5%9B%BD%E9%98%B2%E8%BB%8D




(かとう・たかし)



●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン(近刊)』(いずれも並木書房)
がある。
 
 
追記

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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 
 
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
 ⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤 喬
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