こんにちは、エンリケです。
藤井岳さんの、
「自衛隊・熱砂のイラク派遣90日」
の十九回目は、
現地宿営地への弾着。
です。
思うところ非常に多く、
ひしひしと胸につまされる内容でした。
我が国の大衆は結局、喉元過ぎれば熱さ
を忘れる、いやそもそも、熱さすら感じ
ていない存在だなあとつくづく思いました。
さっそくどうぞ
ご意見・ご感想お待ちしてます。
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エンリケ
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自衛隊・熱砂のイラク派遣90日(19)
宿営地攻撃
藤井岳(ふじい・がく)(元陸自2曹)
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□はじめに
今年もあと1か月をきりました。2020年を振り返
るのはまだ早く、12月も執筆と撮影に励んでいます。
日に日に寒さも増しております。読者の皆様におか
れましては、コロナ禍のなか、インフルエンザや風
邪にも十分お気をつけていただきたいと思います。
▼紛れもない実戦
「サマーワ宿営地への展開期間約3か月間に5回」
これはわれわれ第3次復興支援群が確認した迫撃
砲およびロケット弾の発射や弾着の中で、明らかに
宿営地を狙って攻撃したものと認識された攻撃の回
数である。
サマーワ宿営地は市街地から離れた土漠の中に孤
島のように構築されており、宿営地の方向に弾が飛
んでくれば、それはほぼ確実に宿営地を狙ったもの
なのである。
第1次群から第10次群までの全10個復興支援群の
中でも、われわれ第3次群はサマーワ展開中に最も
多く攻撃を受けた支援群だった。
2004年8月16日 第3次復興支援群第1波サマーワ到着
8月21日 宿営地外にロケット弾1発着弾
8月23日 宿営地外に迫撃砲弾2発着弾
8月24日 宿営地外に迫撃砲弾1発着弾
10月22日 宿営地内にロケット弾1発着弾。
宿営地内への初の着弾。
10月31日 宿営地内にロケット弾1発着弾
▼「着弾に気づかなかった」
宿営地への攻撃事案を振り返って興味深かったの
は、飛翔音や着弾の様相を語る隊員の証言がそれぞ
れ異なっていたことだ。
発射音から着弾音まで聞こえたという隊員もいれ
ば、飛翔音にすら気づかず、朝になって同僚から聞
いて知ったという隊員もいる。この飛翔音も隊員に
よって聞こえ方が違うようであった。これは着弾時
に宿営地内のどこで何をしていたか、それによって
も違いがあるのかもしれない。
私も爆発音は一度も耳にしなかった。通常、迫撃
砲弾やロケット弾の普通弾には炸薬が充填されてお
り、着弾すれば爆発する。その際、音や振動を感じ
るはずなのだが、それがなかった。個人的な推測だ
が、使用されたのは炸薬が充填されていない訓練弾、
もしくは演習弾の類いだったのではないだろうか。
実際に、私も2004年8月23日と24日の着弾には気
づかなかった。この両日の着弾が宿営地外というの
もあるだろう。それにしても、8月23日は第3次群第
2波の部隊がサマーワ宿営地入りした日であり、私
もこの中にいた。サマーワに到着するや否や2日連
続で攻撃されるとは思ってもみなかった。まったく
ありがたくない「大歓迎」である。
では、攻撃を実行した犯人は誰なのか? これに
ついては隊員に対して発表や伝達されることはなか
った。相手は人目に付かない場所から射撃を行なう
だろうし、射撃後は即座に逃亡を図るだろう。夜間
は宿営地内に全隊員がいるので、知る由もない。ま
た、何らかの情報が入り、犯人が判明しても、われ
われ隊員にそれが伝えられることもないだろう。仮
に知ったとしても何もできることはないのだ。おそ
らく、支援群の上層部も明確には把握できなかった
のではないだろうか。
隊員同士の会話で、サマーワ市内の線路(サマー
ワには鉄道がある)で何かを発射した痕跡があった
とか、仕事に就けないサマーワ市民が腹いせにやっ
ているとか、根拠のない噂話は流れていた。
ただし、犯人の中に迫撃砲弾やロケット弾を調達
し、迫撃砲やロケット発射装置の操作に精通してい
る者、元軍人や敵対武装勢力の構成員、もしくはそ
れに準じた人間が紛れているのは間違いないだろう。
(つづく)
(ふじい・がく)
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【著者紹介】
藤井岳(ふじい・がく)ペンネーム
1979年岩手県一関市生まれ。1996年自衛隊生徒とし
て陸上自衛隊入隊。少年工科学校へ入校。卒業後機
甲生徒課程を経て第9戦車大隊(岩手)で戦車乗員
として勤務。2004年第3次イラク復興支援群に参加、
イラク・サマワにて任務に就く。2005年富士学校
(富士)に転属。機甲科部で助教として戦車教育に
従事。2008年退職。フリーランスフォトグラファー
として活動を開始。自衛隊航空部隊の撮影、取材に
取り組む。2015年から「PANZER」誌で執筆開始。そ
の後「丸」「JGROUNDEX」「JWings」などで写真
や戦車に関する記事を発表。現在に至る。
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