配信日時 2020/11/26 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (303)】  ― 陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲(8)―

こんばんは、エンリケです。

「陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲」
の八回目です。

本を捨てるのって、結構大変ですよね。

さっそくどうぞ


エンリケ

追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (303)』
 ―陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲(8)―

         渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。先日また本棚の整理をして、50冊ほ
ど処分しました。その中には中学生の頃から持っていた「赤毛のア
ン」シリーズ全巻も含まれていました。私はアンが若い頃のお話よ
りも、6児の母となってからの、子どもがメインのお話が好きでし
た。「どうしてアンにこんな苦しみを与えるんだろう」と中学生な
がら涙したこともありました。
本はあと200冊処分するのが目標なのですが、それはなかなか難
しそうです。今回も小学生の頃から持っている「ドリトル先生」シ
リーズは捨てられませんでした!



記事掲載のお知らせです。

『丸』12月号の「世界の軍備」に「個人用防護装備防護マスク」が
掲載されました。今回は自衛隊の装備品である防護マスクだけでな
く、新型コロナで人々の生活に不可欠なアイテムとなったマスクに
ついてもご紹介しています。医療従事者が使うサージカルマスクと
自衛隊の防護マスクの製造メーカーは同じなのです。
マスクの正しい装着方法についても触れました。
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『PANZER』12月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第20回が掲載されました。
今回は防衛大学校幹事時代のお話前編です。幹事とは、一般の学校
でいう副校長。自身が学んだ防大に、今度は将官として戻ってきま
した。凱旋ともいえますが「演習場で状況中」が三度の飯より好物
の火箱氏、最初はあまり乗り気な人事ではありませんでした。しか
も当時の防大生は…… https://amzn.to/3ovGXOA

月刊『正論』6月号に「自衛隊あってのオリンピック」
最終回が掲載されました。https://amzn.to/3cOzOSQ



■陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲(8)

高射学校の教官にも話を聞きました。
学生たちの指導に当たってきたのがS1尉です。
第7特科連隊で13年87AWに携わり、高射学校では約2年、第
1教育部で87AWの指導教官を務めてきました。

「今回入校していたのは、87AWのドライバーを経験してから陸
曹試験に合格、高射学校に入校という流れの学生が中心です。その
ため多くが大型特殊免許も持っていますが、大特を持っていないと
入校できないわけではありませんし、ドライバーの経験がない、あ
るいは87AW以外の部隊から転属して来るという学生もいます。
ただいずれも共通しているのは、元気がいいことですね。87AW
を学ぶ学生というのは、高射職種の中でも総じて元気がいいんです
。しかも今回の学生は非常に勉強熱心で、ほかの教官が『休日に自
習室で勉強してるぞ!』とわざわざ私に報告に来たほどです(笑)


87AWを扱う向き、不向きのタイプはあるのでしょうか。
「私が感じているのは、まず高射部隊としては特科部隊や普通科部
隊と一緒に行動する場面も多いので、他職種ともうまくやっていけ
る協調性が必要だということです。職種の垣根を越えられる隊員は
いいですね。さらに87AWについては、限られた時間で正しい状
況判断ができる能力があると望ましいでしょう」

教官としての醍醐味は?
「なんといっても学生の成長を目の当たりにできることです。教官
になって1年目は自分も必死であまり余裕がなかったのですが、2
年目になると入校した学生たちが自分の教えたことを身につけいく
姿をじっくり見られるようになりました。そうすると日々成長して
いく様子がよくわかって、『教官をやれてよかったな』と実感しま
した。また、ここで教えて卒業した学生が、今度は支援する側とし
てやって来てくれるケースもあり、さらに成長して頑張っている姿
を見られるのは実にうれしいです」

指導する際に心がけていることは「3つの気持ちを育てること」だ
と言います。
「ひとつは自主積極性。ひな鳥が口を開けて餌を待っているような
姿勢では、学べることは限られています。一歩踏み出して教官に自
ら聞こうとするほど得るものは多くなります。ふたつめは探求心。
具体的には、高射機関砲は射撃精度をミリミリ追求していくところ
があるので、『なぜだろう』『知りたい』という疑問を持ちそれを
解くという気持ちです。そして3つめは、学校教育に協力してくれ
る部隊や隊員への感謝の気持ち。これら3点を育てられるような教
育を心がけています」
「私自身も教えながら学び得ることが多く、常に新鮮な気持ちです
。『あの訓練や教育はさらによくできるのでは』という気づきがあ
る限り、教官を続けていければと思っています」

次回は87AW&高射学校最終回です。最後は高射学校長へのイン
タビューです。


(つづく)



(わたなべ・ようこ)


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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


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