配信日時 2020/11/09 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(100)】人生を変える『ゲーム・チェンジャー』──良いこ とは積極的に取り入れたい

こんにちは、エンリケです。

きょうでこの連載は、記念となる100回を迎えました!

まずは、お忙しい中、興味深く面白い記事を毎週提供
くださっている桜林さんに、心からの御礼と感謝を
申し上げます。

そして、この連載を読んでくださり、声を届けてくださ
っている読者のあなたにも、心から感謝申し上げます。

ほんとうにありがとうございます。

これからも、この連載をよろしくお願いします。

では今日の記事、さっそくどうぞ。


エンリケ



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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(100)

人生を変える『ゲーム・チェンジャー』──良いこ
とは積極的に取り入れたい

桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は令和2年11月の今
回でなんと100回目です!

 記念すべき100回目の冒頭は、なんと、最近観
た映画の話です!

しかし、単に感想を書きたいわけではありません。
もしかしたら皆さんの人生を変えるかもしれない!?

特に、体力増強や身体のキレを良くしたいと考えて
いる自衛官の皆さんには一見の価値があると思いま
す。

 どんな映画かって?その名も『ゲーム・チェンジ
ャー』です。

昨年公開されたドキュメンタリーで、サブタイトル
は「スポーツ栄養学の真実」、すでにご覧になった
方もいるかもしれません。

https://vegetime.net/thegamechangers/

 実際のところ、私自身この映画の存在も知らなか
ったですし、もし知っていても観ようと思わなかっ
たと思うのですが、ファスティングをしたところ、
突然、お肉を全く食べたくなくなったことにより、
こんなことでいいのだろうか、プロティンを摂取し
ないとだめだろうかと色々と調べていて出会ったの
でした。

 運動してヘロヘロにならないように肉を摂取しな
ければならないと思っていましたが、それは「思い
込み」の面が大きかったようです(もちろん、好き
で食している方は無理に嗜好を変更する必要はあり
ませんので悪しからず)。

実は、野菜でたんぱく質は摂取できるというのです。

 映画では米軍特殊部隊で格闘の教官をしていたジ
ェイムズ・ウィルクス氏が、自身のケガをきっかけ
に、食生活を植物性のものに切り替えていく様子を
映し出しています。

私はこの方の実技のシーンにすっかり惹きつけられ
ました。「教官!教えて下さいっ!」みたいな。

そして、同氏の驚くべき効果だけでなく、名だたる
トップアスリート達のさらに驚く証言が次々登場し、
アーノルド・シュワルツェネッガーもダメ押しで
出演。

観ただけでパワー全開になった気持ちでした。

 この映画はネットフリックスで観ることができま
す。ネットフリックスに加入していなくても、体力
を使う自衛官であったり何らかの技能向上を目指し
ている方なら、一時的に申し込んででも観る価値が
あるかと思います。

 どうも、ベジタリアンやヴィーガンというと、左
翼の代名詞のような響きがありますし、実際に自然
食品組織を隠れ蓑にしている場合がありますのでそ
の手の話はどこか胡散臭いと思っていましたが、健
康は決して左翼グループの専売特許ではないのであ
り、自ら見極めて、良いことは積極的に取り入れた
いものですね。

この映画で私が最も印象に残ったのは、ウィルクス
氏がジンバブエの民兵組織から訓練を依頼されて現
地に行き出会ったその民兵組織のリーダーです。

 その人は元特殊部隊の狙撃手で、様々な作戦に参
加してきました。ある時、アフリカで牙を抜かれ、
顔を切り取られた象が死んでいるのを発見し「彼ら
を助けよう」と強く思うようになったと言います。

 そして、密猟者を取り締まる組織を自ら創設し、
動物たちの保護に人生を捧げること決心したのです。

 リーダーの眼差しから真の強さを感じさせられま
した。

 この時、自衛隊の「強さ」についても頭をよぎり
ました。ご存じのとおり、今は人を増やさねばなら
ない、募集は必死に頑張らなくてはならないという
認識の下、みんなそれぞれができる努力をしていま
す。

 また広報分野では「募集に悪影響になってはいけ
ない」と気遣うこともあるでしょう。私も記事を書
く時はその点もやはり考えてしまいます。

 しかし、本来目的は「組織を強くすること」なの
ですよね。

少なくとも私はそう思っていますが、段々と数を増
やすことだけに意識が向けられ、まさに手段が目的
化しているようなことにはなっていないか、そのあ
たりは常に注意しなければならないという気がしま
す。

 前にも書いたように、女性自衛官の比率を増やす
ために毎年10%の割合で採用しているというのに、
インフラ整備が進んでいなければ劣悪な環境を強
いるということです。

 「これからは女性の時代だ、皆さんぜひ自衛官に
なって下さい」

 などと言われ、入ったら酷い有様で、これを耐え
なさいという状況だったらどうでしょうか。

 また、最近はコロナの影響で予備自衛官の訓練も
縮小され、中止されているものも多くあるようです。

 「ぜひ、予備自衛官になって下さい!あなたの力
が必要です」

 という呼びかけに応じ、決心することは生半可な
気持ちではできません。常に職場に気を遣い、訓練
に出るためには休暇を取るため、その前後は残業を
続け、同僚には理解されないなど、様々な環境を自
ずからの努力で克服してきている人たちです。

 コロナの影響は仕方がないこととはいえ、訓練に
照準を合わせ、毎日頑張ってきた人にとっては、あ
っさり訓練ありませんと言われたら、じゃあ、あの
熱烈な募集の呼びかけは何なのだということになっ
てもおかしくありません。

 大方針と矛盾するようなバグと申しましょうか、
問題点をスピーディに提起し修正していく意志や、
その問題により弱くなっている人を助ける優しさが
ないと、強い組織から遠ざかる恐れがあります。

 日本人は「やせ我慢」の美徳がありますが、改善
する努力をサボっていいということではありません。

 そのためには風通しのいい意思疎通の環境が必要
ですし、「飲みにケーション」がなくなっている今、
どのようにしたらいいか、考えていかなくてはな
りません。

 そして制度整備だけではなく、やはり内面の錬磨、
簡単に言えば「心遣い」「思い遣る気持ち」がま
すます重要になってきていると思います。それがよ
り一層「強い自衛隊」にさせるのではないでしょう
か。
 
 でも、そのためにはまずは自分の健康から。自分
が強くないと、というわけで「ゲーム・チェンジャ
ー」がそのヒントになるような気がしたのです。

 さてさて、今回も皆さまからメッセージを頂戴し
ました。Aさん「美佐さま、いつもながら痛快な毒
舌でした。ありがとうございます」と嬉しいお言葉
ありがとうございます。

 また、「今週の『エール』『学術会議』に関する
記述、とてもすっきりしました。」とのことでNさ
んありがとうございます。

 「「日本学術会議」は、この機会に、法律を廃止、
民間団体にすればいいのではないでしょうか?」
とのご提言。

そうなんです。このような声が広く出てくることこ
そが、菅政権の狙いではないかと推察しています。

 なにしろ「あぶり出し」ですから、国会で野党が
これを追及すればするほど、国民は野党に対して「
やっぱりおかしいことにこだわっているんじゃない
か」と思う、これもまたどんどん「あぶり出し」が
進むというわけです。ひっひっひっ・・・・!

 この日記が届く頃には米大統領選の結果も判明し
ていることでしょう。悲喜こもごもの週になりそう
ですが、どうぞ皆さん良い1週間を!

<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアッ
プしている「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊
幸・元海将に解説をして頂きます。
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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。


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