こんばんは、エンリケです。
「陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲」
の四回目です。
考えさせられるところ多い記事でした。
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (299))
―陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲(4)―
渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。
現在発売中の『PANZER』12月号に「神は賽子を振らない 第32代陸
上幕僚長火箱芳文の半生」第20回が掲載されました。
今回は防衛大学校幹事時代のお話前編です。幹事とは、一般の学校
でいう副校長。自身が学んだ防大に、今度は将官として戻ってきま
した。凱旋ともいえますが「演習場で状況中」が三度の飯より好物
の火箱氏、最初はあまり乗り気な人事ではありませんでした。しか
も当時の防大生は……続きは本誌でお楽しみください!
記事掲載のお知らせです。
『PANZER』12月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱
芳文の半生」第20回が掲載されました。
今回は防衛大学校幹事時代のお話前編です。幹事とは、一般の学校
でいう副校長。自身が学んだ防大に、今度は将官として戻ってきま
した。凱旋ともいえますが「演習場で状況中」が三度の飯より好物
の火箱氏、最初はあまり乗り気な人事ではありませんでした。しか
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■陸上自衛隊高射学校&87式自走高射機関砲(4)
先週は87AWの抱える課題と、それに対する反論的な意見をご紹
介しました。
今週は87AWの存在意義について考えてみます。
対ソ連の北方重視から中国の海洋進出が著しい南西諸島へとシフト
した今、87AWの存在意義が微妙になりつつあるという声がある
のは事実です。
しかし、「調達が終了している時代遅れの装備品」と決めつけるの
は時期尚早と言ってもいいのではないでしょうか。
ロシアの脅威はまったく消えたわけではなく、常に備えなければな
りません。
また、飛行中の戦闘ヘリが地上の対空機関砲を見つけるのは容易で
はなく、35mm砲弾で被弾すれば墜落のリスクは大きく、回避機
動を取らざるをえません。いざというとき、北方の守備で戦車とと
もに活躍する頼もしい存在が87AWであることは間違いないでし
ょう。
さらに、ミサイル主流の現代において機関砲の価値が改めて見直さ
れてもいます。
機関砲の「アナログ」ゆえの信頼性、「すぐさま撃てる」という即
応性は、ミサイルにはない強みです。具体的には、自走高射機関砲
の命中率はミサイルほど高くないといわれるものの、自らレーダー
で索敵・照準を行なえること、そして機関砲ゆえ相手に機関砲を向
けさえすれば、即、射撃体勢に移行できるという点です。
加えて、北方防衛で力を発揮するのはもちろん、高射特科では南西
防衛におけるショートレンジの機関砲の整備の重要性についても議
論の対象となっています。
かつてのように有人機による攻撃のみに対応するなら、ペトリオッ
トのような長射程、中SAMやホークの中距離、短SAMの短距離、
近SAMの近距離という誘導弾でも間に合っていました。
しかしこの先前面に出てくるのはクルージングミサイルであり、そ
れに加えてUAVによってより飽和的な攻撃をされては、誘導弾で
はなかなか対応できません。
さらに対応はできても費用対効果が低すぎるようでは、装備品とし
て不適当です。そこで機関砲の活用を改めて検討するのも一案とい
うわけです。
装備品は新しいほど高性能であり、その時世のニーズに即したもの
であることは事実です。
だからといって制式化されてから何十年も経った装備品がその役割
を終えているのかといえば、まったくそうではありません。
87AWのように適材適所でその性能を生かす道はあり、さらに機
関砲という武装に特化して見れば、高価で最新のミサイルの欠点を
補うような長所も備えています。
第二次世界大戦で野戦防空兵器が自走化されましたが、地対空ミサ
イルの発達により「時代遅れ」のレッテルを貼られかけた自走対空
砲。
しかしベトナム戦争で低空飛行を行なった米空軍が対空砲で甚大な
被害を被ったことで、再び脚光を浴び新型が開発されるようになっ
たという過去を振り返ってもわかるように、自走型対空火器は「今
なお役立つ」と「もはや古い」という評価を定期的に繰り返してき
たところがあります。
ということは、87AWが敵航空機にとって大きな脅威であり、随
伴行動する戦車部隊にとっては心強い存在であることは、今後もし
ばらく変わることはないでしょう。
次週からは、陸上自衛隊高射学校における87AWの陸曹教育につ
いてご紹介します。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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