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荒木さんの最新刊
知られざる重要組織「自衛隊警務隊」にスポットを
当て、警務隊とは何か?の問いに応えるとともに、
警務隊で修練されている「逮捕術」を初めて明らか
にしたこの本は、小平学校の全面協力を受けて作ら
れました。
そのため、最高水準の逮捕術の技の連続写真が実に
多く載っています。それだけでなく、技のすべてを
QRコードを通して実際の動画をスマホで確認できる
のです!
自衛隊関係者、自衛隊ファン、憲兵ファンはもちろん、
武術家、武道家、武術ファンにも目を通してほしい
本です。
『自衛隊警務隊逮捕術』
荒木肇(著)
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こんにちは。エンリケです。
「中央公論」
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された先生の小論。
『自衛隊の災害派遣、知られざる実態に迫る-訓練
された《兵隊》、お寒い自治体』 荒木肇
「中央公論」2020年3月号
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一読をおススメします。
「陸軍工兵から施設科へ」の三回目です。
「時間の質の違い」が面白かったです。
さっそくどうぞ。
エンリケ
メルマガバックナンバー
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新シリーズ!
陸軍工兵から施設科へ(3)
陸軍士官学校に工兵科
荒木 肇
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□はじめに
「学術会議」のことが話題です。もとからあの学
者グループは、ずうっと創設当時から「非武装・反
軍」の姿勢を明らかにしていた人たちでした。それ
が、長年にわたって利権にもなり、学者世界の中で
自分たちの意見の合うものばかりで人事を独占して
きたのです。委員になれば、嘘か真か知りませんが、
年金までも終生もらえるとか。
もともと日本占領時に連合国軍総司令部の勧告で
できた組織です。その目的は、2度とわが国が武力
を持てないような仕組みを作るものだったことが明
らかになっています。軍事研究には決して協力しな
い、そういった決議も半世紀以上の長さをもって生
きながらえてきたのです。報道されているように、
そのくせ、中国にはせっせと軍事研究をさせている
とか。
今回、さすが菅さんは戦後レジュームを解体する
と宣言した安倍政権の後継の強い意志を示したもの
と、わたしは評価しています。
なお、おかげさまで『自衛隊警務隊逮捕術』
(
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いようです。ありがとうございます。
▼大阪兵学寮
1869(明治2)年12月28日、新政府は大
阪に兵学寮を開設する。新しく入った生徒は33人、
歩兵・騎兵・砲兵の3兵科の士官を養成するのが
ねらいだった。これを青年学舎といい、のちにつく
られる幼年学舎と対をなすものだったのだろう。
翌1870年1月には、各藩に命じて生徒を入れ
ることになった。大藩(20万石以上)4人、中藩
(15万石前後)3人、小藩5万石以上は2人、5
万石未満は1人である。全国規模でフランス式伝習
を広げようとしたわけだ。このとき、同時に建築科
をつくった。これがのちに工兵科になったのだ。
もっともこの各藩からの貢進生(こうしんせい・派
遣生徒)の規模はさらに同70年閏月、さらに拡大
された。現石15万石以上の藩は9人、同じく5万
石以上は6人、1万石以上は3人と定められた。
4月24日には、京都にあった仏式伝習所の生徒1
00人を大阪に移し、兵学寮の管轄下に入れた。こ
れを教導隊といった。砲兵30人、騎兵20人、そ
れに建築兵5人というものだった。この生徒たちは
下士の候補生である。
5月12日には、神奈川県横浜にあった語学所を
大阪に移転する。その生徒35人を幼年生徒とし、
組織を幼年学舎ということにした。このうちから1
0人が選ばれてフランスに派遣された。もともと横
浜の語学所は旧幕府のつくった学校であって、貿易
に必須の英語とフランス語を主に教えていたところ
である。
この陸軍兵学寮は、風俗史研究者として高名な柳
生悦子氏の『まぼろしの陸軍兵学寮』(1983年・
六興出版)にその様子が詳しく書かれている。ま
ず、毎日の暮らしはラッパによって管理された。フ
ランス陸軍直輸入の譜面を使っていたという。柳生
氏によれば、日本陸軍が独自のラッパ譜を使い始め
たのは1886(明治18)年になってからだそう
だ。
起床ラッパは6時、乗馬訓練や馬の手入れ、世話
に2時間、朝食は9時だったらしい。この正確な時
計によって鍛えあげられる生活は、旧藩時代からの
暮らしを続けてきた生徒たちにとっては、なかなか
なじめないものだっただろう。冬と夏では「いっと
き=2時間」の長さが違うのである。
テレビなどの時代劇では、ついうっかりと「夏だ
から6時でもまだ明るいな」などというセリフや演
出が出ることがある。あれは史実ではまったくの間
違いであり、江戸期の人は日の入り(日没)が夕の
6時であり、日の出は朝の6時だった。だから、夏
の一刻(約2時間)と冬の一刻とはまるで違ってい
たのだ。
それが、西洋式の24時制の時計によって、1年
中変わらぬ暮らしを強いられる。しかも、すべて行
動は5分前である。食事の内容もまた、生徒たちを
戸惑わせたらしい。「朝は豆汁、あるいは肉脂汁、
昼には牛肉や魚肉を食べる」。豆汁とは味噌汁のこ
と、肉脂汁というのはスープらしい。
▼青年学舎の学習
青年学舎は急いで西洋風の士官をつくる学校だっ
た。規則にも「専(もっぱ)ラ技芸ヲ先ニス」とあ
る。幼年学舎は「学課ヲ学得セシメ後日ノ大用ニ供
スル」ということから「読書ヲ先ニシ技芸ヲ後ニス」
とある。
ここからも分かるように幼年生徒こそが正規将校
の養成コースだった。語学や座学とされた西欧風学
問の学習が優先されたのだ。
そこで青年学舎では、入校のときに一応の試験を
行なった。作字、これは書簡の往復ができるかとい
う意味。国史、国史略・日本外史・日本政記などお
およそ読めるか。漢籍、一通り読めるか。算術、こ
れは加減乗除の四則計算がほぼできるかという程度
である。
以上をみると、受験する青年武士たちは、ソロバ
ンなどはもってのほか、経済や法律、物理、化学と
いったような西欧的教育をほとんど受けていないこ
とが分かる。これが入校して授業を受けると、算術
だけで、分数・小数・比例式・連数・対数を習う。
さらに代数学として加減乗除・奇零指数・1次方程
式・2次方程式・対数を学び、試験を受けることと
なった。これに幾何学も加わった。
軍事学としては、野戦要務・築城書・三兵練法・
用兵学・馬術・図学という内容である。
▼正規士官養成コース・幼年学舎
「府藩県華族士族庶人ニ拘(こだわら)ズ」19
歳以下を募集している。この華族だろうと士族だろ
うと、庶民だろうとこだわらないというところに維
新政府の心意気が見られる。しかし・・・、4年間
の修業の後に試験をするとある。
歩兵生徒は、代数・幾何学・対数・三角法・物理
学・測地学・万国地理誌・本朝隣国地理誌・フラン
ス語その他ドイツ語、英語、蘭語に通じるはなおよ
い・図画学・兵事規範・軍律・砲術築城(ただし歩
兵隊に入用の分)・歩兵運動・馬術、水泳とある(
一部を省略した)。
騎兵生徒は上記、歩兵とほとんど変わらず、砲兵
生徒はなお厳しくなっている。それは、数学の中に
微分・積分、動学・流体動学、動力学、器械学、博
物学、化学、砲術全部、各種大砲調練と騎操規則な
どがある。
そして築造兵生徒は、砲兵隊生徒とほぼ同じであ
り、ただし築城学はすべてを学ぶ。家屋建造学、水
中造営学、測量全部などがある。
明治3年11月3日、兵学寮は陸軍兵学寮と改称
された。このとき、同時に東京築地にあった海軍操
練所が海軍兵学寮となったことに相応している。
次回は陸軍兵学寮の廃校と士官学校の始まりにつ
いて調べよう。
(つづく)
(あらき・はじめ)
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●著者略歴
荒木 肇(あらき・はじめ)
1951年東京生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、
同大学院修士課程修了。専攻は日本近代教育史。
日露戦後の社会と教育改革、大正期の学校教育と陸
海軍教育、主に陸軍と学校、社会との関係の研究を
行なう。
横浜市の小学校で勤務するかたわら、横浜市情報処
理教育センター研究員、同小学校理科研究会役員、
同研修センター委嘱役員等を歴任。1993年退職。
生涯学習研究センター常任理事、聖ヶ丘教育福祉専
門学校講師(教育原理)などをつとめる。1999年4月
から川崎市立学校に勤務。2000年から横浜市主任児
童委員にも委嘱される。2001年には陸上幕僚長感謝
状を受ける。
年間を通して、自衛隊部隊、機関、学校などで講演、
講話を行なっている。
著書に『教育改革Q&A(共著)』(パテント社)、
『静かに語れ歴史教育』『日本人はどのようにして
軍隊をつくったのか―安全保障と技術の近代史』
(出窓社)、『現代(いま)がわかる-学習版現代
用語の基礎知識(共著)』(自由国民社)、『自衛
隊という学校』『続自衛隊という学校』『子どもに
嫌われる先生』『指揮官は語る』『自衛隊就職ガイ
ド』『学校で教えない自衛隊』『学校で教えない日
本陸軍と自衛隊』『あなたの習った日本史はもう古
い!―昭和と平成の教科書読み比べ』『東日本大震
災と自衛隊―自衛隊は、なぜ頑張れたか?』『脚気
と軍隊─陸海軍医団の対立』『日本軍はこんな兵器
で戦った─国産小火器の開発と用兵思想』『自衛隊
警務隊逮捕術』(並木書房)がある。
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心から感謝しています。ありがとうございました。
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