こんにちは、エンリケです。
秘密のベールに包まれた「シリア原子炉攻撃の真実」
が、ついに明らかになりました!
------------------------------
ソフト・メロディー作戦
2007年9月6日深夜にイスラエル空軍(IAF)が
実施した、シリア・アルキバール原子炉破壊の軍事
作戦名
-------------------------------
イスラエルはなぜシリア原子炉を空爆したのか?
の軌跡を丹念にたどることを通じ、いまの中東情勢、
これからの中東情勢への正鵠を射た見方を得られる
だけでなく、イランとともに、中東・世界不安定化
の要因であり、わが脅威の一つでもある北鮮の動き
を正確につかむうえで欠かせない素材を提供してく
れる本です。
この本が伝えるのは、単なる「シリア原子炉攻撃」
だけにとどまりません。
現代の中東情勢をつかむうえで重大な意味を持つこ
の事件を知ることを通じ、いまの世界に潜む「重大
なリスク(危険)」をあなたは目の当たりにするで
しょう。
『シリア原子炉を破壊せよ
─イスラエル極秘作戦の内幕』
ヤーコブ カッツ (著), 茂木 作太郎 (翻訳)
発売日 : 2020/4/16
単行本(ソフトカバー) : 288ページ
出版社 : 並木書房
https://amzn.to/37HiuA3
■米は口先だけで行動できなかった。
シリアに対して行動できなかったアメリカが、なぜ
北鮮に軍事力を行使できるでしょう?
そのうえシリア原子炉空爆後、米は北鮮に対し制裁
を課すとみられたが何もしませんでした。
このときから、北鮮は米を完全に舐めてかかるよう
になったのではないでしょうか?
イスラエルは、イランについても、対シリア、北鮮
と同じ対応を米はとると見ているような感じを受け
ます。
その他、
・戦略的、歴史的に見て正しい決断は、同時代に受
け入れられることはまずない。
・わが国は、中共・露・北鮮の核・ミサイルの直接
の脅威下にあります。本著に描かれている内容を対
岸の火事としてではなく他山の石として学ぶ必要が
あるのでは?イスラエル指導部の苦悩は、わが指導
部の苦悩でもある。
・わが国とイスラエルの、隣国に原子炉ができるこ
とに対する危機感のあまりの違い。中共や北鮮の核
実験は、イスラエル周辺ではまず起きえなかった出
来事では?その意味で、わが民族性や国民性、文明
の核にあるものを深く知りたいと思った。
・イスラエル軍事史や情報史を事典・辞書代わりに
読むと、より理解が深まる。
・敵の反応だけは最後の最後まで分からなかった、
との記述に、現実、現場の作戦は常に「一寸先は闇」
の中で行われることをあらためて痛感しています。
・政治家は、危機への対処より自らの政治生命を優
先する傾向を持つことを忘れないように、との教え
を得ました。
・戦争オプションを選択することの重み、指導者の
不安と苦悩
・イスラエル、米、シリア、イラン、北鮮にかかわ
る出来事や人物紹介などが著者の筆力と相まって面
白く読める。
といった思いを持っています。
本著で描かれたシリア原子炉空爆(2007年9月
6日)について、イスラエル政府が公式に認めたの
は10年以上たった2018年3月でした。
なぜ10年以上たって認めたのか?
以前本書を紹介された上田さんも、本著の解説をさ
れた菅原出さんもおっしゃってますとおり、
「イランに対する警告」
です。
イランには核武装の野望があるとされます。
しかしその場合、イスラエルによるイラン核攻撃と
いう具体的危険が伴います。中東で核戦争が起きた
場合、わが石油等資源輸入はどうなるか?
このことへのオプションを、国家レベルから個人レ
ベルまで準備しておく必要があるのではないでしょ
うか?
現在ホルムズ湾周辺海域には、わが海自派遣部隊が
情報収集のため派遣されてます。その意義は、国内
でとらえられている以上に、国家のリスク管理にとり
大きな意義があるのです。
中東でいったん戦火が開くと、わが国にも火の粉は
飛ぶ。中東事情への注視を怠ってはいけない。
そういったことが見えてくる「ポイント満載」のこ
の本は手放せません。
きょうご紹介した本は
『シリア原子炉を破壊せよ─イスラエル極秘作戦の
内幕』
ヤーコブ カッツ (著), 茂木 作太郎 (翻訳)
発売日 : 2020/4/16
単行本(ソフトカバー) : 288ページ
出版社 : 並木書房
https://amzn.to/37HiuA3
でした。
明日もつづきます。
エンリケ
追伸
イスラエルが行った「もうひとつの原子炉攻撃」を
描いたノンフィクション。
これを機会に是非読みましょう! シリアのケース
と比較しながら。
『イラク原子炉攻撃!―イスラエル空軍秘密作戦の
全貌―』
https://amzn.to/2He0Rgo